ギジェルモ・マルティネスさんの「アリス連続殺人」(和泉圭亮訳)を読みました
オックスフォード大学に留学中のアルゼンチン人学生が、筆跡の研究を始めたことから、ルイス・キャロル同胞団という結社に属する教授から協力を依頼されます
クリステンという女子学生がルイス・キャロルについて大きな発見をしたかもしれないので、その文書の筆跡鑑定を手伝ってほしいというのです
クリステンは、同胞団のメンバーに発見を横取りされることを避けるため、発見した文書を開示してくれないままでいたところ、自動車にはねられて瀕死の重傷を負います
さらには、ルイス・キャロル同胞団が関わる書籍を刊行してきた者も毒入りチョコレートで殺害され、それらの事件を追っていたジャーナリストも首を切られて発見されます
トカゲのビルのように跳ね飛ばされ、アコニチンの効果で全身が大きくなったような気分になり、ハートの女王によって首を切られて、というアリスの見立てに従った連続殺人!
教授は、いったんはルイス・キャロルの小児性愛者としての側面を告発しようとしている者のしわざなのではないかと考えますが、意外な真実にたどり着きます
確かに犯人は意外な人物でしたし、本作のタイトルも巧い
途中までは見立てが強引すぎる気がしたのですが、最後まで来るとそこはどうでもよくなります
これで本格ミステリ・ベスト10の発売時に「読んでみたい」と感じた未読の3作品をすべて読むことができました
本作については、2024年海外作品ベスト10を改訂する必要は感じませんが、十分満足しました
↓スレッズの方もよろしくお願いします