夕木春央/今際の際の断崖から | 弁護士宇都宮隆展の徒然日記

弁護士宇都宮隆展の徒然日記

くにたち法律事務所@吉祥寺 東京大学法学部卒 東京弁護士会所属(35489) レアルマドリー・ボクシング・小説・マンガ・音楽・アート・旅行・猫などが中心のブログです

夕木春央さんの最新短編「今際の際の断崖から」を読みました

 

大傑作「方舟」のあとだけに期待のハードルが高くなりますが、はたして

 

宝石商をしている主人公は、いきなり断崖から旧華族の娘である美枝子に突き落とされます

 

海面に叩きつけられれば死を免れることはできない状況で、主人公は走馬灯のように「なぜ自分が彼女に突き落とされるのか」について推理するという設定になっています

 

最近似た設定でフーダニットを扱う作品がありましたが、本作はホワイダニットに特化しているわけです

 

最後にたどり着く真相はなかなか工夫されたものであって、美枝子の非道ぶりは「方舟」のラストも想起させますね

 

十分に満足できる作品でした