大山誠一郎さんの「仮面幻双曲」を読みました
「仮面」とか「双」とかミステリファンをくすぐるワードにまず惹かれますね
舞台は戦後まもなくで、琵琶湖のそばで製糸会社を営む占部家に戦争から復員してきた双子の兄弟がやってきます
社長の弟の子どもたちなのですが、生まれる前に社長と仲たがいをした双子の父が家を飛び出していたため、社長とは初対面でした
跡継ぎができて安心した社長がほどなくして亡くなった後、今後は双子の弟が兄と仲たがいをして家を飛び出します
それだけでなく兄に対して殺害予告の手紙を送りつけてきます
その手紙には、弟が東京で腕のいい整形外科の医師の世話になった後、その医師を殺害したとも書いてありました
結局兄はあっけなく殺害されてしまいますが、果たして弟は誰に化けて兄に近づいていたのか?
双子を扱った作品はいろいろありますが、本作は非常に独創的で素晴らしかったです
気持ちよく騙されました
第2の殺人についてはちょっと強引なところも目立ちましたが、全般的にサービス十分で満足しました
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