フジムラの8823ブログ -4ページ目

フジムラの8823ブログ

♪誰よりも速く駆け抜け LOVEと絶望の果てに届け
君を自由にできるのは 宇宙でただ一人だけ♪

スピッツの8823(ハヤブサ)という曲です。
大好きな曲です。そこから由来しています。

「夢くぅん。みつけたよ。さぁ、いきましょう」
「あら先生。みつかっちゃいましたか。で、どちらへ?」

ある晴れた田舎の片隅。
「伝統の青南高校」から歩いて6分。
「青高生」御用達の、青い看板が目印のコンビニ。
の、日用品コーナー。
今日もまた、進路指導の加賀からご指名をいただいた。
4時間目の授業、秋本の国際流通経済サボってコンビニ行ったのが、バレた。
しょうがないでしょ?
スズキシロウさんから飛び込み発注で、
《ネーム刺繍の件、黄色い糸に変更は可能でしょうか?》
って依頼があったんだから。
コンビニに黄色い糸なんて売ってないことぐらい、知っていたけどね。
 そのまま加賀の青いミニバンに連れ込まれ、3分弱のドライブへレッツゴー。
 後部座席から降りて階段をトボトボ昇り、いつもの場所に招かれる。
廊下ですれ違う教職員共は、
「また相澤か」
「今度は何をやらかした」
と、もはや興味もなさそうに冷たい視線で眺めてくる。
別に隠すつもりもないからどうでもいい。
そんな視線がうごめく職員室の前を、女子高生様はスタスタ通り過ぎる。

「進路指導室」の白いプレートが見えた。
 取調室ならぬそこは職員室の並び、2階北側校舎の一番端に構えてあった。
 いつもの通りそこがガラガラと開かれ、「まぁどうぞ」と招かれる。
 進路指導部長の加賀は、一言で言うと「初老の巨体」
白髪交じりの風貌はシロナガスクジラを彷彿させる。
 とにかくでかい。2メートルぐらいはあるのではなかろうか。
どんだけオキアミ食べたんだ?と、太平洋の生態系が心配でならない。
バカでかい口の開口一番はいつも、
 「まぁ、とりあえず牛乳飲みましょう」
 で、ある。
 あたしはシロナガス、もとい加賀が差し出すパック牛乳を手に取り、にっこり微笑む。
無論、飲まない。嫌いだから。
 それに、カルシウムを250ml摂取した程度で、ひねくれ小娘が改心はしないだろう。
 加賀が座るスチール机の脇には書庫があり、その下段には隠し茶棚がある。いつも大量の和洋菓子やせんべい、ケーキや果物が常備されていて、紅茶にコーヒー、各種お茶のディーバッグも完備。
さらには電気ポットと小型冷蔵庫まで内臓されていて、その冷蔵庫の中には必ず牛乳が忍ばせてあった。
その合計見積もりはざっと4~5万。家電含。
 おいおい。良心的な旅館か、ここは。
 あたしは菓子の盛皿が置かれた長机を無視して、パイプイスに適当に腰かけると、前に後ろにガタゴトさせながら遊ぶ。
 加賀はコンビニで買ったと思われるおにぎりを袋からガサガサ取り出し、ジロジロ成分表を眺めながらのっそりと口を開く。
「夢くぅん。私もね、校長の長い話しや職員会議がつまらないんだよ。だから今日もコンビニにね、逃避してしまって」
「加賀先生♡人には得意不得意があるんですよ♡それでお給料もらえているんだから我慢しましょ♡」
進路指導室で進路指導部長に牛乳を差し出され、進路指導部長を励ますYUMEちゃん。
これもまぁ、いつものパターンだけどね。
 加賀は突如のっそりと立ち上がり、あたしに背中を向けてなにやらバカでかいドラムバッグの中をゴソゴソ探り出した。
 あたしはその隙に、さっきからポケットでブーブー震えていた携帯電話をパっと見て、電源をOFFにしてポケットに戻す。
 スズキシロウさんからホットメールが受信1件。
 マズイな。いや、別に加賀も内容までは見てこないだろうけれど、一応ホラ、進路指導中だし、心理的に、ねぇ?
 気配をごまかそうと、あたしはパイプイスをさらにガタゴトさせて遊ぶ。
 加賀が何やら四角い風呂敷を手に持って、のっそりと口を開く。
 「夢くぅん。君、スズキ、好き?」
 加賀の一言に「ガタタタタンッ!!」と、パイプイスから派手に転げ落ちる指導中のYUMEちゃん。
 加賀のバカでかい手のひらの上にはタッパ。
そのタッパに入っているのはスズキ。早い話し、焼き魚とフライ。
加賀が不満そうにのっそりと口を開く。
「ウチの家内はねぇ、魚のイロハがわかっていないんだよ~。スズキは本来冬が旬で、刺身やアラ汁が美味いのに…」
そう言うと加賀は、スズキをおかずにさっきコンビニで買ってきたおにぎりをほおばり始める。
しかも、サケやらツナやらタラコを10個も。
加賀がのっそりとカップラーメンにお湯を入れながら、あたしを眺める。
おいおい。コンビニおにぎりの成分眺める奴がそんな嗜好品食っていいのかい?しかも2つかよ。と、あたしが突っ込みを諸々考えていると、
「夢くぅん。お昼休みのチャイム、鳴ったよ?食べる?スズキ」
あなたのエサはオキアミでは?とは言えず、
「…。加賀先生。あいにくスズキは苦手でして…。素晴らしいご指導、ありがとうございました…」
とりあえずパイプイスを直し、微笑む。
おしりをおさえながら、腰のあたりをサスサスさせて進路指導室を出る、茶髪の女子高生。
 パイプイスに座る時は、ガタゴトさせてはいけないことを学ぶ。
どこが進路指導だ。


 そしてあたしはトボトボと校舎に戻り、体育館脇の食堂兼売店に向かう。
 そこに近づくにつれ、カレーやらラーメンやらうどんやらの匂いが鼻をつく。
 中にはお弁当と一緒にそれらを食べる体育会系の同世代。
 そんなにカロリーを摂取してどうするの?
まぁ食の好みと摂取量は人それぞれだから否定はしないけれど。
あたしのお昼休みは、いつも売店でテキトーに飲み物を買うのがセオリー。
お昼ご飯は基本的に手作りの梅干しおにぎり。
「………」
いいじゃないか別に。好物なんだから。悪い?
学食のおばちゃんは一言で言うと「THE・学食のおばちゃん」
女子高生を見つけては「化粧上手だなや」「スカートみじけぇなや」「髪あげぇなや」と、とにかく饒舌なもんだから、それを一切無視してまっすぐいつもの場所に向かう。
階段を一気に4階まで昇り、「解放厳禁」の札を指ではじく。
ドアを解放すると、苦手な海臭風が宙を舞って、自慢のナチュラルブラウンの髪をさらう。
それを右手で整えながら、足早に西の角に進む。
海とは反対側の西の空をぼんやり眺めて、なんとなく裏門の辺りを見下ろす。
桜が散った木の下で、クラスメイトと弁当広げている伊藤若菜が、あたしに向かって手を振っているのが見えた。
あんたは箸よりも針を持ったらどうだ。
同じクラスの持ち上がりという厄介なシステムは、あのぽっちゃり桃娘を再びあたしの背中に押し付けた。
「相澤さんは裁縫上手だね♡」
「EXCEL教えてほしいな♡」
「いちごポッキーはなんでこんなに美味しいんだろうね♡」
と、とにかく毎日。朝から晩までぽっちゃりと騒がしい。
「そんなの親に聞け」
と、突き放すのに、
「あいざわの次はいとうだよ♡」
を決まり文句に、トイレまでちょこまかついてくる。
伊藤若菜を無視して寝っころがる。
ポケットから出した梅干しおにぎりをゆっくり頬張る。
冷たいなりに艶のはる白米。唯一食べられる海産物の海苔。酸っぱい梅干し。
すべて地元で購入した素材。
どんなにひねくれた生き方でもお腹は減る。
それでも地元食材を購入しているのだから、これでも地域経済を支えているでしょう?
ポケットにアルミホイルのボールを突っ込んで、ミツヤサイダーを一気飲み。
「………」
おにぎりに炭酸は合うのかって?いちいち人の趣味嗜好に文句言わないでくれる?
お昼ご飯を済ませ、サイダー色の吐息を軽く一つ。
内ポケットからそれを出して、セブンスターに火を点ける。
あたしが屋上にいるのは、別に空を見たいからじゃない。
未成年の一呼吸は多少場所に妥協しないと、いろいろとめんどくさいからだ。
携帯電話の電源を入れる。
スズキシロウさんからのホットメールを読もうとした瞬間、イヤな気配を感じてポケットにそれを隠す。
「夢っ!!」
…みつかった。
「やっぱりここにいた♪」
…やっぱり4階西の女子トイレで一呼吸すればよかった。
「みつけたよ!夢っ!!!」
…煙を大きく吐き出して、そいつの顔に吐きかける。
「入れよ、ラグビー部♪」
…あんたを受動喫煙で国立がんセンターに入れてやろうか。
「ぜったいイヤだ。無理。忙しい」
無視して背中を向ける。
「いいね~、その勝気な性格。即戦力だ♪」
副流煙にびくともせずに、そいつはブラジャーホックをつまんでゲラゲラ笑う。
「……気安く名前で呼ぶな!!ふざけるなよ!!この変態っ!!」
大事なユニフォームに、灰を落としそうになった。

「生徒会長の遠藤大輔です。伝統ある我が青南高校の誇りをしっかりと受け継ぎ、文武両道の校風を汚すことないよう責務に努めたいと思います」

変態野郎が全校生徒の前で吐きそうな文句がアタマをよぎる。
ま、もちろんあたしはそんなの毎回欠席しているけれど。
変態は直立不動から腰を90度に折り曲げる。
「うちの部には、夢の裁縫技術と計算能力と分析力、そのすべてが必要なんだ。頼む!」
後輩に深々頭を下げて、あんたにゃプライドがないのか。
「大体、花園目指す連中が、喫煙問題で出場辞退になったら困るんじゃないの?“生徒会長”さん?」
あたしは嫌味たっぷりに2本目をくわえた。
「仲間を想うその気遣いがあれば大丈夫。禁煙グッズおごるから。だから頼む!」
90度が120度ぐらいになっている。
どうせパパのお金なんだろう?それぐらいてめーで稼げよ。分度器ボンボンが。
 分度器の髪の毛がサラりとなびいている。
 その光景にあの日を思い出す。
「青南高校 機械創造科3年、出席番号3番 遠藤大輔っ!!」
そう大声で名乗って、あたしの前にサラりとこいつが現れたのは数日前。
女子高生2年目の4月8日。の、始業直前。
「君が夢だねっ!!噂はいろいろ聞いているよ♪ラグビー部に入らないかっ!!」
と、いきなりあたしの手を握り、頼んでもいないのにエリス少年の話しを熱弁し出した。
しかも、優顔と白い歯を、惜しみなくキラキラさせながら。
エリスって誰だ?と思った次の瞬間、あっけにとられるあたしから、携帯電話を一瞬で取り上げて、手品のごとく「俺の連絡先♪」と無駄な情報を赤外線で入力してきた。
こいつ手品師か?と、あまりにそれがあっという間の出来事で、あたしは携帯電話を取り返すタイミングを失ってしまった。
それから毎日、入力されては削除を繰り返す手品が続き、今朝でちょうど14回目を削除したばかりだった。
なんでも伊藤若菜いわく、「大輔先輩はね、生徒会長さんでラグビー部の主将で、すごく頭も良くて、文化祭で2年連続『美男子コンテスト・男が惚れる男コンテストの二冠王』で、とにかく優しくてさわやかで、女子からも男子からも大人気なんだよ♡相澤さん、うらやましい♡」だとか。
あたしから言わせてもらえれば、ただの「肩書が多いウイルス」なんだけどね。
 分度器が180度に戻ってすぐにしゃがむ。
「携帯出して♪」
優顔に不釣り合いなゴツゴツの手が、セブンスターを取り上げながら目の前に突き出される。
「家に忘れた」
それを取り返して、ゴツゴツの手を払いのける。
「嘘だ。よし、手伝え、コウシ!」
「ハイ!大輔先輩!」と、見たことないチビ助が優顔の背後からヒュっと現れて、あたしの両手を押さえつける。
やけに素早い。なんだこのチビ!?
「なにすんだ!犯そうってのかっ!進路指導室にぶち込んで両親呼ぶぞ。コラっ!!」
次の瞬間、チビ助はあたしの両腕をガチッと押さえつけ、優顔にアイコンタクトを送る。
「いいぞコウシ。そのまま押えつけろ!」
優顔はいきなり手品師に豹変し、あたしのポケットに手を突っ込んで、一気に赤外送信を済ませる。
「よし、コウシ。次!」
チビ助は「ハイ!」と返事をして、あたしの両腕をパっと離すと、背負っていたドラムバッグ2つを肩から降ろして、中身を探る。
「パソコンと、裁縫道具と、ラグビージャージとゼッケン、入ってます!!」
「いいぞコウシ!見事な連携プレーだ♪」
手品師とチビ助が「シャっ!」とハイタッチを交わす。
「5点先制!大輔先輩、ナイストライ!」
なんだこれ?わけがわからない。
「夢、君の仕事を置いていく。あとはよろしくね!」
疾風のごとく消える、手品師とチビ助。
始業のチャイムが聞こえてきた。
屋上に、ドラムバッグが2つと、唖然とするYUMEちゃん。
これなら進路指導で牛乳飲んだ方が、まだましだ。
 とりあえず、起きる。
 制服の灰を、はらう。
「なんなのよまったく~」
2本目のセブンスターに火を点けながら、ドラムバッグの中身を覗いてみる。
「極秘機密情報」
と、マッキ―でデカデカ書かれた大学ノートを、見つけてしまった。
「極秘」という文字の中身を、確かめずにはいられない、悲しい自営業の性。
ページを開く。
手品師が書いたと思われる、優等生らしい文字が、目に飛び込む。

【マネージャー獲得四箇条】
一、 赤外線送信は、15回以内で突破すべし。ちなみにラグビーは15人競技。
二、 戦略は、SHとSOの連携から切り崩すべし。
三、 論ずるよりも、うむが易し。まずやってみよう。
四、 撤退も、時には勇気。そこから形勢逆転。最後まで「夢」をあきらめない。

なんだこれ?
次のページには、「夢の仕事」とか言うものが書かれていた。
なんだなんだ?一晩に1億でも稼げるっての?

【夢の仕事】
一、 パソコンで、選手名鑑作成。
二、 ラグビージャージに、ゼッケンを縫いつける。
三、 右記が完了し次第、入部届に記名の上、遠藤に提出        
以 上

次のページからは、選手の名前、学年・所属学科、血液型、身長・体重、ポジション、座右の銘、将来の夢が、1人ひとりの筆跡でごちゃごちゃ書かれていた。
64人分の、手書きの個人情報。
「は~?64人~?」
YUMEちゃんの顧客の、およそ3.2倍だ。
「我が校は野球とヨットとラグビーが盛んです」
入学式の校長の話しがアタマをよぎる。
ノートを見る。
遠藤大輔の連絡先を削除する気が、失せる。
どこが「極秘」だ。

なのにあたしは、くそ重たいドラムバッグを2つも抱えて進路指導室に忍び込み、EXCELを開いてもくもく作業を始めてしまった。
電卓のお化けみたいな最新技術に触るのは、ここだけの話し、嫌いじゃない。
無駄のない指の動きで、自分の思い通りに文字と数字を羅列させてゆく。余計なことを考えないで没頭できる分、授業の何百倍も楽しかった。
すでにパソコンに入れてある生徒顔写真を、キッチリ統一サイズにトリミングして、画面に貼り付けてゆく。ノートを見ながら、優顔手品師のデータを無機質に入力する。
--------------------------------------------------------------------------------------
遠藤大輔[主将] 3年 機械創造科 O型 
身長179cm 体重75㎏ ポジションSO
座右の銘:夢は叶えるためにある。 将来の夢:夢を叶える。
--------------------------------------------------------------------------------------
「夢、夢、夢。あんたもしつこい男だね」
手品師の顔写真に、ペイントで【ウイルス野郎】といたずら書き。
あたしにしては珍しく、無駄な作業。
「……あのチビ助は『中村浩志』って言うのか」
建築未来科2年。同い年か。
身長158cm・体重52㎏、か。
タッパはあたしと同じか。ずいぶん小さいな。
わかったことがそのほかにもあった。
顧問は進路指導の加賀で、唯一のマネージャーは伊藤若菜。
あたしのことを手品師にちくったのはこいつらか。
終業のチャイムが鳴り響く頃、Enterキーを「ポンっ」と押して、EXCEL作業が終了した。
心地よい充実感。
いつもなら「ここで一呼吸」となるんだけれど、不思議にそんな気は起らずに、裁縫セットを手に取った。
恥ずかしい話しだけれど、あたしは裁縫がたまらなく好きなんだ。保育所時代から自分で縫い縫いしているうちに、なんというか…。こう…。
「………」
別にいいでしょうが。悪い?
「1」~「20」までの背番号が書かれたゼッケンを順番に並べて、そこから一気に針と糸を通す。
最新式のミシンより、手早く縫上げる自信がある。裁縫歴12年をナメるな。
「20」を縫い終わるころには、すっかり日が落ちていた。
思えばこんな時間まで学校に残ったのは初めてだな。
無駄の多い1日。
不覚にも楽しんでしまったのだから、調子が狂う。
進路指導室の薄暗闇をぐるりと見渡す。
思えば加賀と、よくここでおしゃべりしたな。
【歴代呼び出し回数No.1】てぐらい、事あるたびに呼ばれているから、ある意味教室ん中より馴染んじでしまった。
パイプイスにもたれかかる。
時計を見る。
18:39分発着の下り列車に乗るには、40分以上時間がある。
「さて、4階西の女子トイレでも行くか…」
内ポケットのそれを、手のひらで確認する。
「……夢くぅん。君、マロンケーキとバウムクーヘンはどちらがいいかね?牛乳もあるよ?」
「あら加賀先生♡あたしはバウムクーヘンと紅茶がいいです♡」
……ってあんた、いつからそこにいた!?。
「真面目に居残り学習かね?お腹押えてどうしたの?痛むかい?」
「牛乳を飲みすぎてしまいまして…。女子高生の制服の内側はデリケートなんですよ…」
…調子が狂う。
そのままお腹をおさえ、トイレに行くわけにも行かず、とりあえずグラウンドへ向かう茶髪の女子高生。腹痛の演技も楽じゃない。


「声だせぇー!声ェーっ!」
「オラァ――っ!もっと走れぇ―――ッ!」
汗と土ほこりにまみれて、体育会系独特の理解しがたい掛け声が聞こえてくる。
体育嫌いのあたしから言わせてもらえれば十分声は出ているし、メロスさんよりも走っていると思うのだが。
「ちょっとあんた」
グラウンドの隅で、タイヤを引っ張っていた新入部員の「畑中」に声をかける。
たしかこいつは環境海洋科1年。
新入部員は、キリっとした顔で「敬礼!」と言わんばかりにアタマを下げる。
おいおい軍隊か。ここは。
そのキリっとした兵隊くんはあたしの、
「遠藤呼んでくれない?」
という一言に
「ハイっ!」
と返事をして、タイヤを引っ張ったままグラウンドの中央に猛ダッシュ。無論キリっとしたままで。
おいおい、タイヤはトラックにつけて転がすもんでしょうが。
新入部員はキリっと誰かに話しかけ、あたしを指さす。
「おぉ――っ!夢っ!!!」
と、お米粒のような手品師が、こっちに向かって手を大きく振り、でっかい声を張り上げる。
こいつもまたこいつで、グラウンドの中央から猛ダッシュ。
お米粒がアーモンドになり、だんだんヒトのカタチに見えてくる。
水銀灯の下、練習用のピタっとしたブルー素材Tシャツが、身体の輪郭をハッキリさせている。制服姿しか見たことがなかったからだけど、へぇ。結構イイ身体してんじゃん。汗臭そうだけどね。
遠藤が走る足をゆるめて、スピードダウン。
目の前で、白い歯をこぼして、ニコっと笑う。
そのイラストに、汗の匂いが大嫌いだったはずのあたしが、一瞬ハッとして動けなくなった。
水銀灯に照らされた汗まみれの優顔が、宝石のようにキラキラ輝いていたからだ。
「待ってたよ!夢!」
よく見ると、サラサラの髪が汗で額にべったりくっついて、ワカメみたいになっている。
こんな奴が宝石に見えるなんて。
あんた一体、どんな手品をつかったの?
視線をそらしてドラムバッグを突き出す。
「…。ハイこれ。めんどくさいことさせないでくれる?」
「お、どれどれ♪」
手品師は素早くしゃがみこみ、中身を確認してあたしを見上げる。
「それでいいんでしょ?」
得意の本返し縫いは、サービスのひと手間だ。
「う~ん。残念だが…。ひとつミスがある」
「なに?あたしの技術に文句をつけるの?」
「入部届が、白紙だ」
「……は?だから、あたしは入部なんて…」
言いかけて、手品師が大声であたしの声を吹き飛ばす。
「集合ぉ――――----------―ッ!」
「おおぉ――-------------―っス!!」
バカでかい声を出しながら、汗だくの軍隊が突撃してきた。
あっという間に、あたしを囲んで円陣ができる。
なんだ!?集団で犯そうっての!?
なにがなんだかわからなくて、思わずあたしも「気を付け!」の姿勢になる。
そして次の瞬間、遠藤は声を張り上げる。
「今日からゼネラルマネージャーになってくれる、2年の相澤夢さんだ。礼ッ!」
「なっ!?ちょっと待てあんた……よろしくお願いしま―――ッス!」
60人以上の汗だく軍隊は、あたしのナチュラルブラウンまでふわっと吹き飛ばした。
吹き飛ばされたあとで、一斉に深々と頭を下げられて、思わずあたしも「礼!」をしてしまう。
…なんだこいつら!?今度は組の構成員のつもり!?
「特別に、入部届は未記入でおっけーね♪」
と、若頭があたしを見て、親指を突き立てる。
憎たらしいほどのドヤ顔。
「ちょ…待て、誰が入部するなん…夢がゼッケンを縫ってくれた!」
若頭はさらにドデカい大砲を打ち鳴らし、可憐な美声を吹き飛ばすと、組員の名前を呼びながらジャージを手渡してゆく。
「ありがとうございましたッ!!」
一段と馬鹿でかい声で、歓声が沸き起こる。
「ウォー―――ッ!」とか「シャ――――ッ!!」とか、ジャージを高らかに空に掲げ、涙目になる奴までいる始末だ。
「どうだ!似合うか!」
いつのまにか「背番号10」を着込んだ若頭が、あたしに背中を向けて満面の笑みで聞いてきた。
「知らないよ!バカ!」
あたしはそれに背を向けて、その場をさっさと立ち去ろうとした。
目の前で自分の技術を惜しみなく評価されて不覚にもニヤける顔を、こいつだけには見られたくなかったからだ。
「待てよ夢!」
馴れ馴れしく名前で呼ぶな。走る。
「待てってば!」
あっという間に目の前をふさがれる。
「あたしは―――――」
息が、止まった。
若頭の、目が赤い。寝不足か?それとも…。
「ありがとな、夢。絶対に勝つから。次の練習試合」
それだけ言うと、若頭は円陣の中に戻り、「各自練習はじめ―――ッ!」と大声を張り上げた。
疾風のごとく、散り去る青南組一同。
「ちょっと待ってよ!」
自分でも驚いた。
若頭を呼び止めて、急いでジャージを身体から剥ぎ取る。
「なんだよ夢!俺を犯すつもりか!?」
ガチガチに鍛え上げられた筋肉が感触として伝わる。
「完璧な仕事が信条なの!」
剥ぎ取ったジャージの縫い目を、若頭の顔に見せつける。
「背番号10」だけ、なみ縫いで手抜きしたことを後悔したとは、言わない。
「上手じゃん。なにがだめなの?」
頭の切れる生徒会長で、絶対の権力を持つ若頭にも、鈍感な分野があることを知り、優越感を感じて顔がニヤける。
あたしはそのまま、グラウンドの隅のベンチに座り込み、裁縫道具を取り出して「背番号10」のなみ縫いをほどき始めた。
その理由は、18:39分発着の下り列車を勢いに押されて乗り過ごしてしまったというのもあるが。
「たしか次の下りは20:13分…」
と、時刻表を確かめながら、携帯電話をポケットにしまいこんで、とりあえずグラウンドを見る
アーモンドみたいなボールを、持ったり蹴ったり走ったり。
さっぱり意味がわからない。
「アーモンドは酒のつまみでしょうが…」
酒のつまみを小脇に抱えて、バカでかい相手に突進する海藻頭の若頭。巨体がしかめっつらで吹き飛ばされている。
ちょっと君、大事な組員に痛い思いさせて、そこに仁義はあるのかい?


「へぇ~、本返し縫い、上手だねぇ~♡」
伊藤若菜が、いつの間にかちゃっかりと隣に座り、「ラインアウト」とか「スクラム」とか、頼んでもいないのに専門用語の講義を始める。
しかもピンクジャージ。おいおい。それじゃマジで「歩く桃」ではないかね?
桃娘は独特の桃色口調で講義を続ける。
仕方がないから、「あー」とか「うー」とか言ってそれの相手をするあたし。
昼間無視した、せめてもの気遣いだ。
伊藤若菜の話しによれば、アーモンドをゴールラインまで持ち運んで、地面に付ければ「ナイストライ!で5点」
アーモンドを持った相手をカニばさみのようにはさんで、動きを封じ込めれば「ナイスタックル!」
手っ取り早くアーモンドを前に放り投げればいいのにと聞いてみたら、「それはスローフォワードで反則」だとか、「ボールを前にこぼすとノックオン」だとか。
「オフサイドはね」と説明されて、小難しいルールに首をかしげていると、「そのうちわかるよ♡」なんて、まるでこのあたしを新入部員のように扱ってくる。
少しムカついたけれど、「ラグビーは奥が深いんだよ♡」と、目をキラキラさせて語る、このぽっちゃり桃娘の意外な一面を見せつけられて、あとでラグビーのことをネットで検索してみようと、なぜだか思ってしまった。
裁縫道具を片付けて、顔をあげる。
気づくとすっかり夜になり、20:13分着発の下り列車も「桃色ラグビー抗議」のおかげで乗り過ごしてしまった。
水銀灯の下では、グラウンド往復ダッシュを終えた汗だくの組員が「イチ・ニイ・サン・シイ!ニイ・ニイ・サン・シイ!」と声を張り上げ、仁義なき闘いが終わる。
円陣ができる。
伊藤若菜に手を引っ張られ、その輪にイヤイヤ加わせられる。
「みなさん。牛乳飲みましょう」
円陣の中心に、聞き覚えのある声。
あんた、いつからそこにいた。
青南組のおやっさん、加賀。
組で酌み交わすのは、牛乳じゃなくて盃でしょう?

「男なら夢を持て!」

それじゃ女は?

小4の夏。担任の菅原が吐いた一言は、6年以上経った今でもあたしの大きな疑問だ。
体育の水泳。へこたれる男子相手にデカい声で、しかも腰に手なんかあてて。
あんたが教えるのは「すこやかなからだづくり」と「きょうちょうせい」と「25メートル平泳ぎ」とか言うものでしょう?
オリンピックの金メダルが何?
水の中まで暑苦しい。
プールは涼みと匂い消しの手段でしょうが。

「夢」
辞書で引いてみた。
① 睡眠中に様々な物事をあたかも現実の経験であるかのように感じる心的現実。
② 将来実現させたいと思っている願い。
③ 現実から離れた空想。
④ はかないもの。また、たよりにならないもの。
たかが漢字一文字なのに、なんでこんなイロイロ意味があるんだ?
布団の中で見る「夢」なら、今朝もみた。
あんなものを持ってどうするの?
コソコソ図書室に忍び込んだあたしの、貴重な休み時間を返せ。

「夢」
中1の中間テスト、国語の問い。
「『自分の夢』という題名で自由作文を書きなさい」
あたしは素直にこう書いた。
「大嫌い」
バツ印をでっかくつけられて「もう少し素直になりましょう。夢を持って生きましょう」
ご丁寧にコメント入りで返された。
あたしの素直を否定する、あんたの教育理念こそバツ印だ。
まったく。テスト用紙の命令口調まで腹立たしい。
あんな紙切れ、裏に「夢」とか描いて紙ヒコーキにする奴、見たことない。

「夢」
『夢だったの』
結構気に入っていた少女漫画の、キラキラ目玉のヒロインまでそんなことを言う。
たかが男一人とデートでしょう?おおげさな。
大体世の中の連中は「夢」を乱発しすぎるんだ。
テレビをつければ「夢」、CDを聴いても「夢」
それのどこが“はかなげ”なんだ?
そんなに「夢」が大事なら、全員「夢」に改名すればいい。

「夢」
そんなもの、生まれた瞬間から身に着けている。
「商業経済科1年 女子 出席番号1番 相澤夢」
入学式はさっさと済ませて、美容院に直行した。
「あいざわ」なんて苗字のおかげで、昔から事あるたび先頭になったり檀上に立たされたり。
あたしはその都度、くだらない風習とくそ親父を恨んだ。
もっとも、そのくそ親父の面を運動会やら授業参観やらでも見なくて済んだのは、ある意味好都合だけどね。
相澤勝男は年がら年中奥様相手に魚をさばき売っているし、「母親」とかいう奴は顔すらも見たことがない。
高校に進学することを決めたのは、中卒の母親を見下すためだ。
「夢」なんて不吉な名前をつけたあげく、男と逃げた最低な女には負けたくない。
あたしには「夢」なんてものは必要ないんだ。
「現実」を切りさばく「術」があればそれでいい。
だからと言って、せっかくの人生を棄てるつもりもない。
今時の学歴社会、せめて「高卒」ぐらいは肩書が必要だ。
あたしの持論は「さっさと社会に飛び出した方が近道であり合理的」
何としてでも這い上がってみせる。
そして「学歴だけの人間共」を徹底的に見下すんだ。
これでも両親には感謝している。
あたしに「ずば抜けた記憶力」と「するどい分析力」を、「DNA」とかいう螺旋のヒモに刻み込んでくれたんだから。
昔から特に勉強なんかしなくても「テスト」とかいう紙切れで赤をつけられたことはないし、「試験」とかいうイベントも前日にパラパラ眺めればそれで十分だった。
すでに答えが満載されたあんな書物、覚えられない方が理解できない。
すべては「肩書」を手に入れるための手段なんだ。
それを物理的なものでイチイチ立証する風習も、排気ガス嫌いなあたしから言わせてもらえれば環境破壊と汚染活動。
中学の時の卒業式、「中卒」を証明する紙切れはゴミ箱に投げ棄てた。
縁起の悪い名前が刻まれたあんな紙切れ、持っていらるわけがない。
今話題の「ダンシャリ」はあたしの発想だと思う。
これでも結構地球想いでしょ?

「相澤です」
高校初日の自己紹介。
あたしはそれだけ言うと、早々に席についた。
「ほかに何かありませんか?」
担任の秋本が弱気な顔で聞いてくる。
「たとえば将来の夢とかないですか?」
秋本はピリっとアイロンの効いたYシャツを汗だくにして、額を何度もハンカチでふきふきしながら、メガネをいじっている。
まったく。ここでも「夢」か。うんざりだ。
だけど、そんなことにいちいち反抗するほど、あたしはもう子供じゃない。
黙り込んでそっぽを向いてれば、大抵の大人は「不良品」のレッテルを貼って相手にしなくなる。
「伊藤若菜です♡夢は将来稼業の縫製工場を継ぐことです♡」
予想通り、秋本はあたしをスルーして後ろの桃系ぽっちゃりかわいコちゃんに目を向けた。
そんなにおどおどするな。あんた男でしょう?
ていうか後ろの桃娘。いつまでぺちゃくちゃ喋ってんの?
さっきからプンプン甘い匂い振りまいて。
あんたの稼業は「芳香剤工場」の間違いじゃない?
どうせなら匂い削除の製品作ってほしい。
あたしの一日は魚と海の臭気に襲われているってのに。
どんなに努力しても「匂い」だけは不可抗力。

そんな一日が今日も始まってしまう。
6:00分。携帯電話の電子音と振動を、手探りでOFFにする
6:05分。シャワーを軽く浴びて、髪だけは念入りに洗う。
6:25分。女子高生を証明するユニフォームを身に纏う。
6:30分。とりあえずカロリーを摂取して、とりあえず一呼吸。
6:45分。髪と同じナチュラルブラウンのローファーを履く。
玄関を開けて、外に出る。
体内に嫌でも飛び込んでくる魚と海の匂い。
そして無意味に視界を邪魔する自治会の掲示板。
【春の大感謝祭~夢のPRICE~】を告知する紙切れが、海臭風になびいて剥がれ落ちそうになっている。
歩道に転がる錆びた画びょうを無視して、あたしは「相澤魚店」に背を向ける。
「魚浜町商店街」は、その昔は一時代を築い繁華街。だったそうだけれど、あたしはそんな時代を知らないし、シャッターばかりが目立つこの通りには興味もない。
小娘のあたしから言わせてもらえれば、古き良き時代の感覚にどっぷりつかってあぐらかいてふんぞり返っていた連中の、怠慢と先見性の足りなさが招いた自業自得の結末だ。
しかも、その代償を息子や孫たちに押し付けて。
保育所時代から仲良しだったマミっぺは、「電器のタカハシ」が閉店すると同時にどこか知らない町に引っ越してしまった。あの時あたしがどれだけ泣いたか、大人たちは知らないだろう。誰を恨んでいいかもわからなくて、グジャグジャに泣きながら「今日はシャッターが開いているかもしれない」と、毎日通った小3の春。
マミっぺの顔も思い出せないほど赤く錆びれたシャッターを横目で見ながら、横断歩道を渡って商店街を東に歩き、交差点を右に曲がる。赤信号を無視しても、車は一台も走っていない。
「相澤魚店」から「JR新魚浜駅」までは歩いて15分。
JR新港線の終着駅という「観光の玄関口」は、年がら年中訪問客の勧誘に忙しいようだ。
《美しい港町へようこそ》
《観光案内はこちらへ》
《お休み処・リアスの扉》
《無料貸し自転車あります》
目障りなPOPや看板が騒々しいロータリーとは裏腹に、アイドリングで朝刊を読んでいる寂しげなタクシーさんの群れ。
朝早くからご苦労様です。地方都市はマイカー文化ですもんね。
そのまま一直線に駅舎と改札口を突っ切って、乗車客が高校生しかいないディーゼル式列車の長座席に座る。
ローカル鉄道には理解しがたい独特の文化があるらしい。
3両編成の「1両目は1年生」「2両目は2年生」「3両目は3年生」だ、とか。
あなたたちは国交省のお役人さんですか?アホらしい。
鉄道事業法に基づけば、あたしは1年の時から「一般の乗車客」だし、3両目の方が改札口から一番近くて合理的だと思う。
なにより同じ金額の定期代を支払ってんだし。
あたしはあたしのレールで生きるんだ。
「え~、本日は~、JR東日本ご利用いただきまして~、誠にありがとうございます」
どういたしまして、JRさん。
アナウンスが流れると同時に列車が動く。
7:03発の2番列車。3両目の車内では学生方々が各々の話題でペチャクチャ喋っている。
「お~い武村!!おめぇ、ゆうべの日記あんなコト書くなよ~!!」
「ねぇねぇコレ見て!!マジうけるぅ~!ユウキの奴どんだけナルシスト~!?」
「あ!アベっちー!またアバの服変えたの~?そうそう、コメありがとね~」
SNSを否定するつもりはない。個人の情報を指先で操作するコミュニケーションも、使い方次第では有益でもある。ただ、わざわざ狭い列車内で、しかもそんな大声出さなくてもいいのでは?と、一般の乗車客としては意見したい。ホラホラ、そこのでっかい荷物抱えたおばあさんが座れなくて困っているんだから気づきなさいよ。まったく。
あたしは座っていた席を離れて車両最後方の窓際にもたれかかる。
この場所なら少しは静かだ。窓の外には住宅やら田畑やら海が見える。
だからといって、国立指定公園とかいうその四角い景色を眺めるつもりもない。
とりあえず携帯電話のWEBニュースを眺める。
《香名音総理また問題発言「日本は負け組」》
《悪質経営発覚。水産会社と役員らを書類送検》
《あの国民的アイドルが映画初主演。「もしマネ」》
あ、そう。
皆さんそれぞれイロイロなんですね。ご苦労さまです。
あたしはそれでも「社会人」を尊敬している。
だって、そのおかげで「こんな生き方はしたくない」と教えてくれるんだから。
国家の行く先を熟慮しているのに悪いところだけ抽出されて批判受ける日本のリーダー。経営守ろうと追い詰められたあげく悪人扱いされるビジネスマン。商業戦略のエサになってマスコミのお祭りに加担する同世代。
ある意味かわいそうじゃないか。これでも結構人間想いなんだ。
携帯電をカバンに戻す。お客様想いのJRさんが停まった。
7:23分着の「JR美松海岸駅」で下車して、流れと正反対の階段を昇る。
レールをまたぐ誰もいなくなった渡り階段で、内ポケットから出したそれに火を点けて、また一呼吸。人の気配が無くなったのを確認して、そこからまたさらに歩いて15分。
田んぼのど真ん中に伸びる、海沿いの農道一本道をブラブラ歩いて、時折左の頬にぶつかる海臭風に顔をしかめる。
7:50分。真っ白いそれが、視界に入る。
東北の片田舎、港町の南の端っこ、海外線の松林と田んぼを鎧にまとった白い要塞。
来年は創立110周年を迎えるらしいでっかいコンクリートの塊が、あたしの通う高校だ。
「伝統の青南高等学校 祝!東北大会 優勝 硬式野球部」
「伝統の青南高等学校 祝!メカニック甲子園 優勝 ハイテク部」
「伝統の青南高等学校 祝!全国大会 準優勝 ヨット部」
校舎から垂れ下がる勲章が誇らしげになびいている。
帰宅部のあたしから言わせてもらえれば、こんな人口密度の低いところで「伝統」をひらひらとアナログに宣伝するよりも、精度の低い公式HPをリニューアルして、WEBをオシャレに仕上げた方が効率的だし経費の削減にもなる。
ま、メルマガ配信されたところでどうせ見ないけどね、そんな情報。
白い要塞は次から次へと生徒たちを飲み込んでゆく。
あたしはその主流から外れた端っこの方を歩く。
始業前のグラウンドでは、野球部とラグビー部の連中が汗だくになって走っている。
体育館の方からはバスケ部とバレー部のボールを弾ませる音が聞こえてきた。
その光景も、音も無視して、昇降口をくぐる。
ロッカーの真横に張り付いてある壁時計を見る。
8:00分ぴったり。
今日もスケジュール通りであることを確認して、階段を昇りまっすぐ屋上に向かう。
鉄の扉の前に立って、「解放厳禁」の札を軽く指ではじく。
扉の右側に設置してある掃除ロッカーの裏を探る。
そこから拾った安っぽいカギを鉄の鍵穴にねじり込む。
鉄の扉を、解放する。
「伝統校」では悪い伝統もきちんと引き継がれていて、何代か前の先輩がご丁寧に機械実習棟で合鍵を制作してくださったとか。
ありがたい伝統に感謝をしながら、ここでも海臭風に顔をしかめる。
そしていつもの西側の角にしゃがみ込み、内ポケットから出したそれに火を点けて、またまた一呼吸。
海臭風にさらわれる白い煙を眺めながら、あくびを一つ。
多少の早起きと、朝から30分もウォーキングするのは相当嫌だったけれど、家から遠い分汗と酒と魚臭い親父の気配を消せるから、あたしにとっては好都合だった。これでも結構ポジティブでしょ?
もたれかかる背中に、白い壁から独特の冷たさが伝わってくる。
つくづくコンクリ―トの塊に包まれていることを実感してしまう。
あたしがこの「コンクリートの塊」に通うことを選んだのに特別意味はない。
「高校は行ければどこでもいい」というあたしの一言を真に受けて、「お前は数学の成績がいいから、青南の商経科にしろ」と、担任だった内海が涙目で教材をかき集めてきたから、それに付き合っただけだ。
大体、売り上げの悪い魚屋のせいでランドセル背負っている頃から電卓叩いてれば、中学卒業する頃には目をつぶってでも得意科目に仕上がってしまう。家計を切り盛りする一人娘をナメるな。
かと言って無駄に「保護者」に反抗するのは非合理。あんな「保護者」でも、学生のうちだけはとことん利用させてもらうつもりでいる。
朝起きて、新聞でスーパーの安売りを確認して、列車に揺られてコンクリートの塊に飲み込まれて、一服する場所を探して男からの呼び出しがある日は化粧をして過ごす。
そんな生活もあっと言う間に1年が過ぎた。
あまりに暇なものだから独学で「高卒学歴取得のための最低出席日数と単位」を計算してみた。
なんだ。
思ったより真面目にやらなくてもいいんじゃないか。
あたしの高校生活には携帯電話すら必要ない。
 校舎に戻ろうとして立ち上がると、校門で生徒に挨拶をしている校長が見えた。
「我が校は今から100年以上昔に水産訓練學校として創立され、漁業中心である我が町の繁栄に大きく貢献してきました」
と、入学式で語ったあの誇らしげな面を思い出す。
横文字と専門用語が大好きそうな校長はその後も延々しゃべり続けて、卒業生の進路に日本最大手とかいう大企業やCMをばんばん流す有名大学の名前を得意気になって宣伝していた。
「グローバル?」「イノベーション?」「ベンチャーキャピタル?」
あなたその意味わかっているの?
自分の功績じゃなかろうに。
あたしの顧客には中小零細企業の超低所得者もいるんだ。
彼らが死にもの狂いで経済を支えている現場の事実を、壇上のてっぺんから教えてやろうか。
 パワポとプロジェクターなんか使わなくたって、校長の話しよりコンパクトにまとめられる自信がある。
タイトルはこうだ。

「女子高生様を1年経験してわかったこと」
① 「女子高生」というブランドは顧客層を爆発的に広げる。
② 「制服」というユニフォームは顧客単価をぐんぐん引き上げてくれる。
③ 高校の中より外のほうがよほど経済の勉強になる。
それななぜか?所詮ヒトとは自分の欲求をより満たしたいと願う生き物であり、しかるにそれが禁忌的であるほど魅力的に思えるからであるし、市場のニーズとして存在しているからである。
よって女子高生は女子高生様なのである。
以上「女子高生様経済発展論」‐発表者 商経科2年 相澤‐

全く素晴らしい。
職員室の教師様方相手に授業してやりたいぐらいだ。
だけど今時の援交はオリジナル性がなくちゃ見向きもされない。
「プラス2000円で裁縫・手芸サービス」ぐらいの特別サービスを提供しなきゃ、競争社会を勝ち残っていけないんだ。
と言っても、あたしの「援交」は、簡単に女を売るようなあさはかなもんじゃない。
「YUMEちゃんの派遣屋さん」
顧客のニーズに応じて、「妹」や「彼女」、たまに「ママ」を演じる、健全的な「訪問ヘルパー」だ。
皮肉を込めて名付けた「派遣ビジネス」はマニアックな顧客に大ウケだったし、こんな田舎町でもソーシャルメディアのおかげでそれなりの支持を集められた。
テキトーな出会い系サイトにいくつか登録して、反応があればメールでビジネスの提案をする。10人のうち9人は逃げるけれど、1人くらいは「それでもいい」と言ってくる。

例えば常連の一人、真面目で律儀なスズキシロウさんは、あたしに「彼女として肩揉みをしてほしい」と依頼してきた。
年の差が親子ぐらいあったからか、いつも優しくしてくれたし下心を感じたこともなかった。6年前に離婚して、それからずっと独り身で、「さみしいのはつらいですけど、甲斐性もないですからね」って、会うたびに嘆いていたっけか。
“彼女”が手作りしたヒマワリ柄のお弁当箱袋を「ありがとう。ありがとう」と目を赤くして握りしめていたのは、「娘の代わり」という本音を隠して、中学生の愛娘・マイちゃんを思い出しているなって、すぐにわかった。「私はヒマワリが好きなんです」って、あんなに愛しそうな顔していれば、それがどういう意味なのかなんて、すぐにわかるよ。

「これでもいちおうコッカコウムイン」と名乗ったミッチャンは、「お母さんの代わりにご飯を作ってください」と求めてきた。
いちおう地元に彼女はいるけれど、地方の単身赴任で仕事に追われて、無性に母の手料理が恋しくなるんだってさ。多い時だと月に2・3回マンションに出入りして、炊事やら掃除やらをしてあげる。あたしの作る肉じゃがと味噌汁を「これを食うために頑張れる」って、無邪気に笑っていたな。
“ママ”が「彼女と早く結婚すればいいのに」って言ったら「あいつは“コッカコウムイン”としての俺にしか興味がない」って、猫背になってテレビをぼんやり眺めていた。本当は甘えん坊を受け入れてほしいのにって、ウジウジしながら。

今じゃ一番のお得意様、サトシの場合は、「妹に頼られるカッコいい兄貴になりたかった」とYUMEちゃんのビジネスを大絶賛してくれた。
いつだったか丸1日ドライブに付き合って、県外のショッピングモールでサトシの服やら靴やらを選んであげたら、御礼だと言って結構いい値段のする服やら靴やらを「いつもありがとね♡YUMEちん♡」とプレゼントしてくれた。
料金と合わせて数十万円にもなって、さすがに“妹”も悪い気がしたから「おにいちゃん、ドライブの分はサービスにするよ?」って言ったら「YUMEちんは優しいね」ってヲタク顔が土砂崩れおこして泣いていた。
いつも周りからキモいと陰口をささやかれても、「ボクはボクだから」って言うサトシに「いつかいいことあるからがんばろう?ね、おにいちゃん」って言ってあげたのは、半分はリップサービスだったけれど、半分は本音でもある。

最初は確かに割り切りのビジネスだった。
だけど、そうやっていろんな“お客様”と接するうちに、あたしなりに学んだこともある。
みんなそれぞれ、いろんなことを抱えながらも頑張って働いて、不器用であるからこそ人間らしくて、建前と虚勢で恰好つける連中より何倍も付き合いやすかった。
いつもスーツ姿のスズキシロウさんは、世の中が3連休の時にでも携帯電話は鳴りっぱなしで、「ジョームさん。ジョームさん」と責められながら書類に埋もれて頭を下げていた。
使命感の強いミッチャンは“シガラミ”とやらに邪魔されて「毎日シミンのコエは聞こえているのに、なかなか自分の思うように仕事を動かせない」と涙目になっていた。
老舗海産物屋の次男坊・サトシも、「僕は兄貴と比べて出来が悪いからね」って劣等感を口にしながらも、不景気で業績の悪い稼業のために朝から晩までネットで情報収集をしていた。
みんなそれぞれ、「自分の使命」を守るために、理不尽なことにぶつかりながらも、身体を酷使して汗を流して、苦しんで悩んでもがきながら自分なりに社会と闘っている。
あたしはそんな彼らと付き合ううちに、いつしか真剣に話しを聞くようになっていたし、「ダメ人間」と見下すような気にもなれなかった。
荒波に揉まれて磨かれる「信念」は尊敬にも値する。
だからよけいに、会社勤めの経験もないくせに「企業の情勢は厳しい」とか「世の中は戦場だ」とか、机上で物事を語る教師共の理論は絵空事でしかなくて聞く気にもなれなかった。
同世代の連中なんかは論外だ。
「バイト先の店長が超ムカつく」だとか「彼氏とデートだから~、風邪気味ってウソついて休んじゃおっかな~」だとか、親の金で携帯電話の料金支払っているくせに、「仕事」に対して平気でケラケラ笑うクラスメイトは心底許せない。
あたしはこいつらとは違うんだ。
たとえ反社会的な「ビジネス」でも、YUMEちゃんを必要としてくれるお客様がいる限りあたしは誇りを持ってYUMEちゃんを演じきってみせる。
女子高生1年目の冬休みが終わる頃には、通帳に高級ブランドバッグを20~30個買えるぐらいの福沢諭吉が並んでいた。
だけどあたしは高級ブランドバッグなんかには目もくれずに、迷うことなく最新のパソコンと携帯電話を買った。
それは決して、友達とメールしたいからでも、SNSで個人情報をばらまくためでもない。
「業務」を合理的に管理して、最低限のコストで最大限の効果を生み出すためだ。
通販カタログをワンクリックして授業中にカチカチボタンをいじっているような、中途半端な連中と一緒にしてほしくない。
2年生に進級する頃には、月に4・5回「業務」をこなして、月に100時間程度机に座り、一回9教科のテストで360点以上維持をする「低レベル高卒学歴取得論」が確立された。
このサイクルなら、携帯電話の料金を支払っても、家出資金を手にすることができる。
あと2年で、「母親」とかいう奴を見下せるんだ。
あたしにとってこの環境は手段にすぎない。
女を売った「母親」を見下して、さっさとこの魚臭い港町を出てゆくための。


なにもかもがイヤだった。
東北の田舎町に生まれたことも。
港町の匂いも景色も風も。
あの両親から生まれてきたことも。
「夢」を唱える連中も。
「夢」という名前も。
社会の常識?仲間?思い出?明るい未来?ユメ?
そんなもの、あたしには必要ない。
もしそれを、青クサいと笑う大人連中がいたら、あたしはそいつらにこう言うんだ。
「ユメを語った人生の、描いた結果がそのザマなの?」
あたしの知りうる限り、既存のカテゴリに縛られて真面目なレールを進む奴らの中に、楽しそうな大人は一人もいない。
ネガティブなオーラを背負いこんで、利己と保守を組み立ててばかりの、つまらない生き方をせっせと積み上げているだけじゃないか。
そんな奴らに「ユメをもっていきましょう」なんて教示されても、説得力なんてあるわけがない。
あたしはあたしの生き方を貫く。
たとえ天涯孤独になろうとも、下らないなりのこの世の中を、おもしろおかしく渡り歩いてみせる。
そう確固として決めていたのに。
あたしの信念を妨害する、厄介なウイルス野郎が現れた。
「遠藤大輔」
生徒会長兼、ラグビー部主将兼、変態手品師。
肩書の多いウイルス野郎。
そしてあたしの大嫌いな金持ちボンボン。
遠藤運輸の社長の息子?それがなに?
あたしは冷凍マグロじゃない。
時給1万円の、女子高生様だ。
トラック野郎に必要なのは、軽油でしょう?
「タイトルからして、NGだね」



フジムラです。


処女小説「夢の幸福論~3.1震災復興祈念小説~」について、一番多く寄せられた感想です。



そもそも、内容の善し悪し以前に、タイトルからダメだしを頂いたわけです(苦笑)

そのほかにも…

「そもそも、コンセプトがおかしい」

「被災したのはフジムラさんだけじゃないですよ」

「長すぎる」

「素人の小説は売れるわけがない」


いわゆる、業界の方々や、読書好きの方々からは、素晴らしいほどに、否定的見解を頂くことができました。


けど、めげません。


そんな中でも

「フジムラさんの本には、読ませる力がある」

「泣いたよ」

「最高」

「感動した」


そんなコメントも、少数派ながら、いただいております。


約一年間。

原稿を放置し、さっき、もう一度、自分の「本」を読み返しました。


泣きました。
(書いた本人なのに)


一年前の夏、誰かに向けた「愛と夢のメッセージ」は、一年を経た今、自分を勇気づけてくれています。


非常にへんちくりんな話しですね(笑)


なので、これを契機に、「フジムラの8823ブログ」に、小説を投稿することに致しました。



否定的な意見、ダメだし、大歓迎です。



投稿のペースは、一日に一章。


さてさて。


何かが変わるか、そうでもないか。




2012 早秋

フジムラタケヒロ 拝


フジムラです。


今秋、9月3日で、日光に移り住みちょうど一年が経過しました。

早いもので、もうすぐ私も30歳です。

昨年の夏。
「震災で感じた物事を、自分なりのメッセージに置き換え、社会に発信したい」と思い立ち、まずは作家デビューをしてやろうと、会社員の傍ら、出版社への打診や、読者探しに費やした一年でもありました。

これまで、打診した出版社は100社を超え、読者の依頼は50名を超えています。

しかしながら、企画出版のお誘いはゼロ。読者感想は賛否両論。

自分の書いた原稿に涙を流してくれたのは、3人で、そのうちの1人は自分という、なんともお粗末な結果で、今日に至ります。

それでも、皆様からいただいた感想を、少しずつ原稿にフィードバッグし、とにかくあせらず、地味に、地道に、作業を進めてきました。

アタマの中で沸き起こる「書きたい欲求」を、あえて抑圧し、「書く」ことから離れることで、「やっぱり自分は書きたい」と、心底そう思う自分を、確信することができました。

もともと、NPOの世界にいた自分は、「目の前のこまりごと」を、放ってはおけず、それはそれで、良いのかもしれませんが、情緒的にスピーディーに動く半面、論理的に、建設的に物事を進める力が圧倒的に足りません。

サラリーマンにとっては、致命的な性格です(笑)

おかげさまで、このサラリーマンの一年は、自分のそういう未熟な部分を、否が応でも思い知らされる一年でした。

そんな中で、自分の本当にやりたいことはなんだろう?
自分はこの社会に対し、何ができるのだろう?と、とにかく考え、直感のままに、動き回りました。


栃木は、星の綺麗な街です。

奥日光、中禅寺湖の湖畔や、那須高原、那須連山の麓。

夏も、冬も、春も秋も。

満天の星は、壮麗に瞬き、自分の小ささを、諭してくれました。


その星空の下で、感情が高ぶると、誰かに電話をかけては「夢」を語り、高速に飛び乗って車を走らせては「今」を考え、結果、電話代と交通費の出費がかさばり、自費出版費用が貯まらないというお茶目な結果に(笑)

けれど、誰かに「夢」を語ることで自分に問いかけ、「今」を考えることで次なる行動が見えたのですから、必要経費だったのでしょう(爆)

おかげさまで、次に取り組みたいテーマがうっすらと見え始めたのですから、無駄ではなかった。と、思うようにしています(沈)


先日、久しぶりに、気仙沼の友人と電話で話をしました。

端を発したのは、同窓会の事務局を依頼され、数名の連絡先収集作業を進める中での、事務連絡でした。

家族をつくり、父になり、母になり、出世した仲間の話し。
変わらず、マイペースに、淡々と生きる仲間話し。

おんなじ学び舎で過ごした仲間たちは、それぞれの人生を歩んでいます。

中学を卒業して、15年。

この15年間、多くの出逢い、別れの中で、気づき、失敗し、泣き、笑い、自然の摂理と循環の中で育まれてきた「今」が、たまらなく愛しく思えます。


故郷に戻りたいと思う気持ちの反面、手ぶらでは帰りたくないので、引き続き、故郷から離れた街で、けっぱります。

そういえば、妹のあっちゃんからメールが届きました。

「免許の更新の案内ハガキが実家に届いたから、そっちに送るね。」とのコト。

三年前の、免許証の顔写真を眺めました。


フジムラの8823ブログ




・・・う~ん。

この顔つきの変貌ぶり。。。

この三年間で、彼には一体、何が起きたのやら・・・<( ̄口 ̄||)>!!!オーノー!!!<(|| ̄口 ̄)>






そして、これからの三年。

一体、何が起きるのやら。


2012 夏
フジムラタケヒロ 拝
おひさしぶりのフジムラです。


早速ですが本題。


フジムラの処女小説「夢の幸福論」書下ろし原稿を読んでくださった読者様より感想を頂きましたので転載致します。

【29歳/女性/会社員】

小説読みました。
感動しました!
ありがとうございました!
読みやすくて素直に面白かった!


私は小説を書けないから、こうしたらいいんじゃないかとか、そんなおこがましい事言えないけど、単純に、自分の考えを活字にし、物語を作れるのは凄いと感じました。
本当に。
(中略)

「夢、愛、絆、仲間」
フジムラタケヒロさんの小説読んで、でっかいもんがあること忘れてました。
未来の私の「夢」のコンセプトに使わせて頂きます
小説読ませてくださって、ありがとうございました!



過去の感想はこちら
http://ameblo.jp/utopia-smile/entry-11029491537.html




原稿書き上げから約一年。

今日までに、おおむね50名以上の方々に原稿を読んでいただいております。


また、今現在、わが母校で、この小説の舞台でもある気仙沼向洋高等学校の前田教諭(同級生の前ちゃん)と連絡を取り、在校生の皆様にも読んでいただけないものか調整を進めております。

(前ちゃんは、同級生として、読者を快諾してくれました♪)


さらには、前職時代にお世話になった方々や、会社の同僚さん、日光で知り合った方々等々、多くの皆様に書下ろし原稿を読んでいただいております。



感謝の一言です。


皆様からのフィードバッグを集約し、絶対に「作家デビュー」を実現します。


目標は、平成25年3月の出版。


あとは、出版資金を、貯めよう・・・
(そこが一番つらいのですがね   笑)


フジムラの処女小説「夢の幸福論~3.11震災復興祈念~」は、随時読者様を探しております。


興味のある方、原稿を読んでくださる変な方、私の作風を否定しまくりたい方Etc・・・

どうぞお気軽に、下記までご一報くださいませ(^_^)


TEL:090-5181-5594
Mail:t.fujimura8823@gmail.com



2012 夏
フジムラタケヒロ 拝