今回は妄想ネタ。妄想が好きな方はご覧になってください。

 

千束はたきなに会いたかった?


何故3話にて、千束はあんなにもたきなに会えて嬉しかったのでしょう?

あとたきなが言っていた、銃取り引き事件で下した「合理的な判断」とは?

ずっと疑問に思いつつ、ただ恐らく今後情報は出てこないので、3話時点までの情報で考察します。というより妄想ですね。

そもそも、司令部の指示とたきなの判断に食い違いがありました。そのため、たきなはリコリコに送られる事になりました。
そしてその時点で何故か千束のたきなへの好感度がかなり高かったようです。

何故でしょう。


 

たきなとDAの認識の違い

まず、改めてたきなとDAの認識の違いを確認します。

 

たきなの認識

たきなが取った行動は、「エリカを救うために武器商人を全滅させる」です。銃取り引き現場はその後に抑えれば問題ないと考えました。


そしてそれはDAが取るであろう選択と一緒だと考えています。たきなはDAにかなり忠実です。DAと通信出来ない以上、自身の判断でDAの意思を考えて行動するしかありません。


商人を殺してはいけない命令はありましたが、状況が逼迫していました。にも関わらず新たな命令は出ていないのです。

なのでそれはDAにとってプラスになる行動で、その判断は合理的だと思っています。銃取り引きがなかった事は結果論です。
全ての責任がたきなにあるわけではないのです。にも関わらずその責任は想像以上に重く、転属になった事にたきなは不満を抱いています。

たきなが問題と考えているのは「たきなが取った行動とその責任」です。

 

DAの認識

一方、DAの認識は違いました。たきなが銃を撃つ前に通信が出来ていれば、待機命令を変更する事も出来ましたが、ハッキングされた時点で何も出来ません。


その時にどう命令を下したかは永遠の謎です。少なくとも通信が出来ていればたきなはその命令に従うし、作戦失敗の責任は全て司令部にあります。
ただ結果として銃取り引き現場は抑えられず、商人はたきなによって全滅させられています。


そもそも偽の取り引き時間を掴まされていた時点でこの作戦自体はすでに失敗していました。
つまりどのみち、ハッキングのせいで銃取り引き事件の作戦に失敗していたのです。でも上層部にそんな事は報告出来ません。それが一番の問題でした。とりあえずその失敗の言い訳をしなくてはいけません。

まず、ハッキングの件は公には出来ません(上層部の司令)。ただその結果として作戦は失敗しました(上層部には報告出来ない)。


失敗の一旦となる、武器商人を全滅させたのはたきなです。そのたきなを転属させる事で、失敗の責任を一人のリコリスに押し付けています。
それがDAの出した答えです。

DAが問題と考えているのは「銃取り引き事件の作戦が失敗した事とその責任」です。
同じ責任でも、たきなとDAとでは論点も重さも異なります。


ここまでは1話の時点である適度説明されています。おさらいと思ってもらえれば結構です。
たきなの認識については若干の私見も含まれますが。

 

千束はどう思っていた?

そして本題、千束の抱いている印象です。

前提として、千束は銃取り引き事件の作戦が「司令部と連絡が取れない状況」「千束の到着を待てない状況」である事を知りません。これはたきなやDA(と視聴者)が知っていて、ただ千束だけが知らない重要なポイントです。
なので、千束の認識だけは慎重に考察していく必要があります。

 

第一印象

千束はリコリコに来たたきなが「DAに反発してでも仲間の命を優先したヒーロー」だと思っていました。恐らくミカから「仲間の命を優先した結果、転属になったリコリス」みたいな感じで聞かされていたのでしょう。

DAに反発してでも、というのは千束の独自解釈ですが(多分ミカはそんな表現はしない)、DAの命令にしびれを切らして仲間の命を選択したたきなに、自分と似た感情を抱いています。今時珍しいリコリスです。


なので第一印象はかなり高いです。初対面のシーンを見た限りでもそんな感じでしょう。

 

予想と違っていたたきなの答え


ただ、その後たきながDAに戻りたがっている事を知りました。DAに反発したわけではなかったのです。
たきなはDAにとって善かれと思って、待機命令にしびれを切らして武器商人を全滅させました。
その中には仲間の命を救う意味合いも含まれているかもしれませんが、命に関わらない状況で待機命令なら、わざわざそれを破る必要はありません。

そしてたきなは、命令無視をしたそれを「合理的」だと言います。DAの命令に背いていながら、自身の判断でDAのためにそうした事が合理的なのだと。

繰り返しになりますが、千束はたきなが「司令部と連絡が取れない状況」「千束の到着を待てない状況」だとは知りません。

なので千束には「DAより自分の判断の方がDAにとってプラスだと思って見切り発車した」というように聞こえます。ただたきなはその事に気づいていません。すでにアンジャッシュです。
千束とたきなにとっての「合理的」の認識もズレています。

※この辺の解釈はかなり難しいので、何となく読んでもらえれば結構です。

正直なところ、千束から見たら単なるスタンドプレーです。DAの報告通りです。

ただ結果としてたきなは仲間の命は救っています。千束にとってはその事実が重要で、それゆえたきなへの好感度はそこまで落ちていません。


DAのためにと思ってやった事ですし、たきなとしても間違った事をしたつもりはないのです。そして実際、たきなへの処罰は不相応です。


なので千束はたきなのDA復帰に協力すると提案します。千束は困っている人は助けたい人ですから。

ここまでが千束が抱いたであろう、1話でのたきなのイメージです。

2話以降、たきながいかにDAに忠実で、純粋にリコリスとして任務を遂行したかがわかってきます。本当にDAに戻りたいのだと察した千束は、たきなの意思を尊重し続けます。

もしかすると千束はこの時点から、本当にたきながDAの命令を無視したのか?という疑問を抱いていたのかもしれません。完全に想像ですが。
たきながDAに忠実すぎるのです。そんなたきながDAの命令を無視するとは考えにくいです。

 

千束が知ったたきなの行動の真実

そして3話です。

ここで千束は、DA司令部が作戦の際に通信障害が発生して、命令を下せなかった事を知ります。
司令部の命令は膠着中の時のもので、それが待機命令、つまり千束待ちです。そしてDAが命令を下せない状況下で、DAに忠実なたきなが待機命令以外の行動を取るとしたら、それは「状況が変わった時」です。

実際、たきなが命令を無視したであろう時に通信障害が起きていた、とフキが言っています。フキとしては待機命令のままでしたが、通信障害が起きている以上は命令はないも同然です。何か状況が変わった時は現場の判断で動く必要があります。

現場リーダーのフキの判断は変わらず待機でしたが、これは司令部の命令ではありません。たきなを止めるには抑止力に欠けます。実際、フキの判断通りにしていたらエリカは死んでいます。

そしてたきなは自身の判断で武器商人を全滅させました。命令を無視したわけではなく、あくまで命令がなかった中で、仲間と武器商人の命を天秤にかけ、迷う事なく仲間の命を取ったのです。

DAに忠実なたきなでも充分取り得る行動です。本人はDAのためにと思っての事かもしれませんが、リーダーのフキが待機と言ってるのに無視している時点で自分の意志が出ています。

長くなりましたが、これでやっとたきなの行動の真意と千束の認識が一致しました。

 

たきなは千束の…

やっぱりたきなは、「千束が思っていた通りのヒーローだった」のです。それも、とても不器用な。

千束だったらDAの命令を無視してでも助けたかもしれません。他のリコリスには出来ない高レベルな事も実行出来ますので、それなりにDAを黙らせる結果にも出来たかもしれません。

ただたきなは普通の2ndリコリスです。2ndの時点でエリートですが、千束ほど突出した能力はありません。DAに忠実なリコリスでもあるので、命令下では指示通りにしか動けません。

そのたきなが一番大事な時に、命令がない中で、自分の判断で最優先した事が「仲間を救う」だったのです。

だから千束はこう言いました。


「あの時たきなは仲間を救いたかった。それは命令じゃない、自分で決めた事でしょ?それが一番大事」

だからたきなは千束のヒーローなのです。


「たきながあの時ああしなかったら、私達は出会えなかったよ?」

そして千束はヒーローに出会えました。


「私は君と会えて嬉しい!嬉しい嬉しい!!」

ヒーローに会えたんだから嬉しくて当然です。


これ以外にもいろいろなセリフがありますが、それらはたきな(と視聴者)へのメッセージの意味合いが強いのでここでは触れません。

ただこの三つに関しては、今回の解釈の方がしっくりくると思いました。


だから千束はたきなというヒーローに会えて嬉しかったんですね。


やっとすべてが繋がりました。スッキリです。

皆さんにもこの記事との出会いが良いものであれば、僕も嬉しいです。


 

余談

千束とたきなが過去に出会っていた可能性があります。

その辺に関連して、今回の記事の内容に触れるような描写が今後あるかもしれません。

まぁその時はその時です。
今は都合の良い妄想にふけりましょう。