YAH!Yah!!yah!



InBanですぅ~GWですね。



今日は大学の時の友達の家に行きました。



変わらない仲間ってのはいいのもんですドキドキ



それではお楽しみの続きをごらんください。












『世界の終わりを、キミと…』




9.



あれからみんなの態度が変わった。


サチはいつものようにイスに座って本を読んだり、予習をしたりしているがどこからともなく人が集まってくるようになった。



きっともともとみんなサチが嫌いなわけではなかったのだ。



エリがサチに心を開いたおかげで、クラスのトゲトゲした雰囲気は無くなった。


サチはみんなに分からない問題を教えてあげたりしている。



最初なので、こういうところから始めてみてはどうかと俺が提案したのだ。



あれ以来、サチとエリの距離は近くなった。



不思議なもので、サチもきっとエリのことが好きだったのだ。


二人は良く話をするようになった。



エリはというと、サチの意外な強い面を見て、一目置くようになった。



その関係性がいいらしい。



昼になった。



サチはいつも一人で屋上で食べている。


誰にも見つからないように静かに食べていたのだ。


そんな時、エリが声をかけてきた。


「サチぃ~お昼一緒に食べない?」



初めてのお誘いだった。


エリは他の子をつれてサチを誘いに来た。



しかし、サチはそんなエリの誘いを断ってしまった。



仕方ない。


昨日まで一人で食べていて、それに慣れているサチにとって突然大勢でお昼ごはんを食べるということにひいてしまったのだろう。



サチはそう言って、屋上へ向かおうとしたとき、エリが走ってきた。


「待って!サチ」


サチはエリに気づき、立ち止まってエリを待った。



「ごめんね。アタシ、サチの気持ち考えないで。あんなガラの悪い子たちと一緒にお昼なんてヤだよね。アタシと二人なら食べてくれる?」



エリは恐る恐るサチに聞いた。



エリもサチと友達になるために一所懸命なのだ。



『お前も充分ガラ悪いぞ。な、サチ』


「(もう。哲朗…)うん。いいわ。でもあの子達はいいの?」


「うん。いいの、いいの」



エリは手を横に振って見せた。


そして、サチとエリはエリ希望で裏庭でご飯を食べることにした。



なんでも、エリがいつもサボって寝ている場所なのだそうだ。



そんな場所をサチに教えるな。と、言いたい。


しかし、エリの指定した場所は、太陽の光が適度に当たって気持ちよかった。



校庭の裏なので静かだし、目の前に建物が無いので空がよく見えた。



サチの大好きな雲が良く見える。



サチとエリは将来の夢についての話をした。


エリにしては真面目な話をするなと感心してしまった。



そこで、サチはエリに将来のことを素直に話した。


「え?サチって大学行かないの?」


「ええ。私、美容師になりたいの。だから専門学校へ行くわ」


「マジで?スゴくない。美容師とかってかっこいい。アタシはないなぁ」


エリは自分でふっておいて自分はまだ考えていないらしい。


サチは自分で作ったお弁当を。


エリはコンビニで買ったパンとマカロニサラダを食べている。


「だってさ、サチの手きれいだもんね。こんな手で髪の毛触られたら気持ちいいだろうね」



エリはサチの手をマジマジと見て言った。


確かに、サチの指は細くて長くてきれいな形をしている。



エリはサチのことを“サチ”と呼ぶようになったのは、ある日突然だったが、サチは嫌な気はしないらしく、むしろ嬉しいと言っていた。



しかし、当のサチ本人はまだ、エリのことを呼び捨てで呼べないらしい。



「ありがと」


サチは照れながら言った。



「あのさ」


エリは今後は真面目な表情になってサチに言った。


「腕…見せてくれる?」


サチはエリにそう言われ、少し戸惑ったが言われた通りに袖をまくって腕をエリに見せた。


そう、エリに殴られた部分だ。


そこは赤紫にまだ腫れていた。


そのときはサチは俺と入れ替わっていたので、痛みは感じていないのだが、相当痛かったのを覚えている。



エリはその部分を見ると、本当に申し訳なさそうに何回も撫でた。


そして、



「ごめんね、サチ。本当にごめん。謝りきれないよ。ひどいことしたね。ひどいこと言ったね。本当にごめんなさい」


何度も謝った。



エリはそう言うと、持ってきた包帯で手当てをした。


ぎこちない手つきで包帯を巻く。



俺はそんなエリの姿を見ながらサチに言った。



『サチ。こいつなら信じてもいいんじゃねえの』


サチも無言で頷いた。



エリは包帯を巻きながらサチに本音を話し始めた。



「アタシね、サチにだけ言うと、中学のときイジメられてたんだ。生意気って思われてた。何も言えなくてずっと辛かった。だから高校に入ったら強くなろうって決めたの。絶対にもうイジメられないように」


エリはサチの顔を見ずに話し続ける。



「サチを見てると、なんか、アタシとカブるところがあってさ、すごく嫌だった。でもね、サチはアタシなんかと全然カブってなんかないね。サチはアタシよりも強いし、勇気がある。アタシ、思うんだ」



エリはやっと顔を上げて話す。


「イジメられてる子の気持ちはさ、やっぱイジメられてる子にしか分からないよ。だから、そういう子に必要なのは同じ気持ちの分かる子なんじゃないかって」



エリはそう言うと、エリの言葉に心を打たれているサチの手を取って言った。



「アタシ、力になるよ。サチ。サチが私を助けてくれたようにさ。だから、悩みとかあったらさ…その、相談して欲しいだ」



エリは戸惑いながら、必死に言葉を探してサチに伝えようとしている。


「アタシね、その、サチと友達になりたいんだけど…」



エリはサチに自分の本当の気持ちをサチに伝えた。


「……」



サチは黙っている。



「ごめんね。迷惑だよね。さっきまでアタシ、サチのことイジメてたんだもんね。ムシが良すぎるよね」



エリは無理やり笑って言った。


違うぞ。エリ。サチはそんなつもりで黙ってるんじゃないぞ。



すると、今まで黙っていたサチの目から涙が大量に流れ出した。


「わぁ!サチ、ごめんごめん」



エリは慌ててしまった。


泣かせてしまったと思っているのだろう。



「違うの。ごめんなさい。嬉しくて。私も友達になりたい」


サチがエリを見て言った。


そんなサチを見ているエリももらい泣きしていた。



っということで、学校で初めてサチに友達ができた。


しかも、サチを今まで苦しめていた張本人だというから驚きだ。



なにがともあれ、俺の肩の荷も少し降りた。


が、そんなことであの天使は解放してはくれない。


サチの両親にもきちんとサチの夢を理解してもらわないといけないのだ。



まったく…俺はなにをしてるんだか。



せっかく地上とおさらばしたというのに…。








はい。


長かった9章はここで終わりです。



次回は、サチと哲朗のデートをお送りします。



お楽しみに。




それでは、良いGWを。



バイバInBan。








『世界の終わりを、キミと…』



9.


エリと別れた帰り、俺は何も話さずにずっと黙っていた。


「哲朗。どうして黙っているの?」


俺がずっと何も話さないでいることに気付いたサチが話しかけた。


サチはエリにあんなにひどいイジメに遭っていたにに、自殺に逃げようとしたことは一度も無いときっぱり言った。


サチはこの年で、人の死の重さをきちんと分かっていた。


俺はそんなサチに会せる顔が無かった。



死に逃げたくせに偉そうなことを言って、サチを守るなんて言っていた自分が恥ずかしかった。


「私が自殺するなんてって言ったことに対して黙っているの?」


サチは俺の目を見て言う。



当たっている。


俺はサチの目を見れない。


今、俺はどんな顔をしているのだろう。



「哲朗のお陰なのよ。私に命の大切さを教えてくれたのは哲朗よ。私、エリちゃんには偉そうに自殺なんてしてはいけないって言ったけど、本当は違うの。そんな偉そうなこと言える立場じゃないわ。私ね、本当は自殺することが怖かったの。臆病者だから、自分で自分を殺すなんてとてもできなかった。でも、あなたは生きることで強くなれるって教えてくれたわ」



『サチ…』


サチの笑顔に俺は救われた。





「ねえ、神田さんちょっと」



昼休み、サチが本を読んでいると、エリの友達のガラの悪い友達が声をかけてきた。



サチは彼女たちに連れられて、裏庭に向かった。



この学校の裏庭は裏庭なだけあって、芝は生い茂り、太陽の陽が当たらない暗いところだった。


嫌な予感がする。



裏庭に着くなり、彼女たちは早速本題に入った。



「あんたさ、先生にチクッた?」



「え?なにを」


サチは何を言っているのか分からないようで、聞き返した。


「だぁ~かぁ~ら、うちらにイジめられたことを先生に言ったのかって聞いてんだよ」


「エリがすごく落ち込んでんだけど、アンタが言ったからでしょ?」


エリはあの一件ですっかり元気をなくしてまったようで、そのことでサチがイジメられたことを先生に言ったのではないかと疑われたようだ。



サチは困ってしまった。



なぜなら、サチはなんでエリが落ち込んでいるのか知っているからだ。



しかし、そのことはエリと内緒にすると約束しているからだ。



「何とか言えよ!テメェーマジむかつく」


俺はどうにかしてこの場を打開しなくてはと試行錯誤した。



だが、この場を乗り切る方法が思い浮かばない。



サチがエリとの約束を破って本当のことを話すとは思えないし、そうしたところで彼女たちが信じてくれるとも思えない。



「ちょっと、なにしてんの?」


彼女たちは声がしたほうを振り返る。


当然サチも俺も振り向いた。



すると、そこにはエリがいた。


「エリ。こうち先生にうちらのことチクッたらしいよ」


「は?!」


エリは全くこの状況も彼女の言葉も分かっていないようだった。



「だから、この女がエリのこと先生に言ったんでしょ?だからエリ最近元気ないんでしょ?」


「違うし。アタシ先生に何も言われてないよ。てかさ、そんなことで呼んだの?」



「だってそうじゃないの?こいつ何も言わないけどそうなんでしょ?」


「バカじゃん!違うよ。サチは悪くないし。何も言わないでって頼んだのはアタシなの」



え?今、エリ派サチのことを名前で呼んだ?


てか、エリがサチを庇った?



俺はその光景が嘘のようでたまらなかった。


「アタシさ、男出来たって言ったじゃん。でも、昨日見事にフラレてさ。ぶっちゃけ自殺しようとしたの。ショックで。でも、サチが助けてくれたんだよ。アタシの命の恩人なの」



「へ?」



みんなポカンとしていた。



俺もポカンとしていた。


これもあの天使のおかげなのか?


「今後サチイジメたらアタシが許さないから」



エリはそう言って、サチの肩に手を置いた。


「この子、超いい子なんだよ。分かったら行って。アタシ、サチと話があるから」


エリは手で追いやるジェスチャーをした。



みんなエリの言うとおりに帰って行った。


いなくなったのを確認すると、エリはサチを横に座らせた。



「これで貸し借りなしだからね」


サチは少し残念そうな顔をした。



エリがただお情けで助けてくれたということが分かったからだ。



しかし、エリはそんなサチを見ると苦笑した。



「アハハ。うそうそ。あいつら血の気多いからケンカ早くていけないね。でも、友達想いのいい子達だから許してあげて」


エリは言った。



「アンタを助けたのは、お情けじゃないよ。あの時のお礼がしたくて探してたら、ここの呼ばれたって聞いて飛んできたんだ。案の定リンチされそうになってるし」


サチは安心した笑みを浮かべた。



エリはサチと仲直りしたくて探していたらしいことが分かったからだ。


「アタシ、あんたがどういう子かも知らないでひどいことしたよね。許してくれる?」


「ええ。さっき助けてくれたし。もう忘れましょう」



サチは菩薩のような笑顔で言った。


「ありがとう。えっと…サチ」



エリは照れながら言った。






なんと!



エリとサチが仲良くなりました。



こんなこともあるんですね。


次回はどんなドラマが?!




おもしろくなってきた世界の終わりを、キミと…お楽しみに♪



バイバInBan。



今日は中野へ行って来ました。



昨日、ラーメンの番組を見てラーメンが食べたくなったから。


そこで、中野へ私の好きな函館ラーメンのお店に行きました。



中野はさすがに混んでないだろう~と思ったんですが、これまた混んでますね…!(´Д`;)



いや、なんか秋葉原? って思いました。


そこには人に興味ない人たちばかりで、マンガを売りに来た人もマンガを売りに来ているのに、トレイにマンガを載せるとすぐさまかばん(これも無駄に大きなリュックサック)からPSPやDSを取り出して、真剣な眼差しでゲームしているし、どうなってしまったのだ?(°Д°;≡°Д°;)




次に、私は中野といえばということで、フィギアの売っているお店に寄ったんです。


そこに仲の良い家族連れが。(お父さんと男の子)



ここからは二人のマジトークをお送りします。



子:「あれ。お父さんが好きなのがあるよ」


父:「え? お父さんこんなの好きじゃないよ」


子:「嘘付け!お母さんに着せてたじゃんか!!!」


父:「こらこら、そんなこと外で言うんじゃないよ…あせるヽ(;´Д`)ノ」



※ちなみに見ているフィギアはレオタードを着た女の子でした。



中野の街で赤っ恥をかいた父子の話でした。















『世界の終わりを、キミと…』




9.


その朝、クラスはエリの話で持ちきりだった。


「スゴイじゃん。エリ。この男かっこいいよね」


話題はエリに新しい男ができた話らしい。



昨日見た男だろう。


「今後紹介してよ」


エリの友達は大騒ぎだった。



『サチはもっといい男つかまえろよ。たとえ、少々見てくれが悪くても性格が良ければいいんだからな』


俺はなんだかサチのお父さんの気持ちになった。




「あっ!」


その夜カバンを開けたサチは急に大声を出した。


『なんだ?』


「私、この本をコピーするの忘れてたわ。返却日明日なのに」



サチはそう言って、分厚い難しそうな本を見せた。


見るからに開く気がなくなるような本だ。



『またなんでコピーするんだ?』


「この本の資料が欲しくて借りたのに、読んでいたら面白くてすっかり忘れてしまったわ」



改めて、サチの頭脳と俺の頭脳の違いを思い知った気になる。


サチはなんと、コンビにまでコピーをしに行くと言い出した。


『危ないだろう!こんな時間に女の子が一人で…』


もちろん俺は止める。


俺はついて行くことはできるが、傍から見ればサチは一人という事になる。


かっこうの獲物だろう。


「平気よ。この辺は街灯も多いし、コンビにまではすぐだもの」


サチは笑顔で言う。



きっと俺が何を言っても行くのだろうと思い、俺は仕方なく了承した。



「良かった。どうしても欲しかったから」


『また借りればいいのに、サチは変なところマジメだな』


サチはコンビニでついでにジュースとお菓子を買った。



帰り道、ジュースを飲んでいたサチは何かを見つけ、叫んだ。


「あっ!エリちゃんよ」


サチはエリを見つける天才らしい。


しかし、今回はなんか様子がおかしかった。



俺がエリの姿を確認する前にすでにサチは走り出していた。



『サチ。どうしたんだ?』


「エリちゃんが…じ…じ」


サチは走りながらしゃべるので、言葉が出てこない様子だった。



俺は目を凝らしてエリを探した。


『おい…』



エリはなんと歩道橋の上にいた。



そして、片足をまさに手すりにかけているところだった。


『自殺しようとしているのか?』


エリは歩道橋から身を投げようとしていた。


ためらう様子はない。


『サチ。まさか、エリのところに行くのか?なにするんだ?』


「エリちゃんを止めるわ」



『よせ!危ないぞ。なんでサチがそこまでするんだよ…』


「なんでって…当たり前じゃない。目の前でクラスメートが死のうとしているんだから」


『やめろ。あいつはサチに散々ヒドイことしたんだぞ』



俺が言っても、サチは走るのをやめる気はない。


『サチ!』


俺はつい大声を出してしまった。



サチはビクッとなったがまだ走り続けている。


「私、いやなの。もうこれ以上、私の知っている人に死んで欲しくない。失いたくないの。命はそんなに軽いものじゃないわ。そんなすぐ捨てるためにエリちゃんは生まれてきたんじゃない」


ドクン!と胸が鳴った気がした。



俺にそこまで言うサチを止める権利はない。


俺に人をとやかく言える権利もない。



「エリちゃん止めて。なんで自殺なんか…!」


サチはも片方の足もてすりにかけ身を乗り出そうとしたエリの服を掴んで、引きずりおろした。



エリはその拍子に歩道橋の上に倒れこんだ。



「何よ。あんた。なんでここにいるのよ。離して!マジでウザい。いいから離して、本当に死なせて」


サチはエリを離さない。



「アタシもう嫌なの」


そう言って、エリはサチを押しのけた。



サチは歩道橋の反対に突き飛ばされた。



エリはまた手すりに足をかける。


「エリちゃん!ダメ。お願いだから止めて」


サチは叫ぶ。


「あんたウザいよ」


「ウザくてもいい。そんなことしたって後悔するのはエリちゃんよ」


イジメられていたとは思えないくらいサチはエリに伝えようと叫ぶ。



「そんなのただの逃げじゃない」



「あんたに何が分かんのよ」


エリはサチの言葉に耳を貸す様子はない。



俺はその光景をただ眺めていた。



サチの言葉のひとつひとつが俺の説教をしているみたいだった。



俺には…俺にもこういう人に会えたら、もしかしたら今も生きていたかもしれない。


俺は両手を強く握り締めていた。



真夜中という事もあり、人通りも車の通りもそんなに多くなく、むしろ、ほとんどないので人が来る気配もなかった。



「アタシはもう、あんな思いしたくないの。信じてたのに」


エリは泣き叫ぶ。


きっと、エリはあの男に裏切られたのだろう。


エリの顔や手には多数の傷跡があった。



殴られたりもしたようだ。



サチは起き上がると、またエリを引きずりおろそうとする。


エリは暴れてサチを振りほどこうとする。


だが、サチはさっきエリに突き飛ばされたところが痛むのか、辛そうな顔をしている。



このままでは二人とも落ちてしまうかもしれない。



『今回だけよ』


その声と共に、突然二人の体が浮き、あっという間に歩道橋の上にぺたんと座り込んでしまった。


サチはハッとして、エリがまた飛び降りようとしないように体をがっちりと掴んだ。


しかし、エリにはもう起き上がって飛び降りる気力はないようだった。



ああ。きっと、あの天使が助けてくれたのだろう。



「ねえ、なんで自殺なんかしようとしたの?」


二人はそこから近い公園のベンチにいた。


サチはエリが落ち着いたのを待って話しかけた。


エリはサチの質問に答える気はないみたいで、そっぽを向いたままだった。



「私、見たわ。アナタの彼氏」



エリは驚いたようにサチを見た。


「あはは…マジでやられたよ」



エリはヤケクソに似たような笑いをした。



「エリちゃん」


「ちゃんとか馴れ馴れしく呼ぶんじゃねえよ」


エリの剣幕にサチは黙ってしまった。


そのことにさすがのエリも悪かったと思ったらしく、気まずそうな顔をした。


「あぁ…その、ごめん。アタシ今、いっぱいいぱいだからさ」


エリは頭をかいた。



サチはエリを一回見てから言った。


「私、今までイジメられていたとき、自殺したいなんて思わなかったわ。辛かったし、悲しかったけど、でも、死にたいとは思わなかった。生きていればなにか変ると思っていたから。だって、また人間に生まれ変われる保証なんてないんだもの」



辺りは暗く、唯一ある街灯には虫達が集まっていた。


とても静かで二人の声しかしない。



「アンタは強いんだね。アタシなんかあんな男でも利用されたって知っただけでショックだったのに」


そして、エリは泣きながら言った。



「ごめん。ありがと」


消えそうな声だったが、サチには聞こえた。



最高の言葉を。







はい。


長々と書いてみました。



エリが少し、改心してくれた回でした。



それでは次回はどんなドラマが…


 バイバInBan。
















InBanです。



インフルエンザが流行っています病院この頃ですが、大切なご愛読者様は大丈夫ですか?



怖いですね(((( ;°Д°))))



リアル感染列島ですよね。





話し変わりますが、最近たぶん、不規則な生活のせいだと思うのですが、爪がよく割れるようになりました。




クスン…o(;△;)o



私、爪は結構大切にしているので…



なので、サロンに行こうと思います。(→勝手に行けよ)



はいはい。行きますよ。









『世界の終わりを、キミと…』



9.


俺は気になった。


午後の授業の間、サチがエリのことを時々チラッと見ていることに。



『サチ。エリが気になるのか?』


俺は心配になってサチに話しかけた。



サチは板書していた手を止めると小声で答えた。



「(あの子はなんで私をイジメていたのかしら。私みたいな子はクラスにたくさんいるのに)」


サチはシャープペンシルの先を唇に当てながらまたエリを見た。



エリはサチの斜め前に座っていて、今は机に突っ伏して寝ている。



『ふむ…確かにな。なにか原因があるのかな?』



確かにサチの言うとおり、クラスにはサチのようにおとなしい子はたくさんいる。



サチはきっとイジメられていた時も、なぜ自分なのか疑問に思っていたのだろう。



かわいそうだと思った。



『サチ。エリのことなんかもうどうでもいいじゃねえか。関わらなければ良いんだから。それよりもサチは友達を作ることに専念するんだ』


サチに今必要なのは、イジメられていた理由じゃなくて、友達だ。


俺がサチに代わり、怒りを爆発してしまったあの事件以来、ますます孤立してしまうかと恐れていた俺の予想に反して、意外にもサチに話しかけてくる子がちらほらいる。


問題なのはサチ本人だった。



サチは一回裏切られたことがあるので、人をどこまで信用したらいいのか分からない。


だから、向こうから離しかけてくれても笑って相槌を何度か打って逃げるようにその場を去ってしまう。



いくら俺が友達を作ったほうがいいと言っても、今までにイジメらて、なおかつお金を騙し取られた経験のあるサチにとっては難しいことなのかもしれない。




そんな中、サチの運命を変える事件が起きた。



それは帰りにホームルームだった。



担任がプリントをそれぞれの列に配っていく。



前の席から順番にプリントが渡され、当然それはサチのところにも回ってくる。



サチはいつものようにそのプリントを受け取ろうとしたとき、相手のこと手が触れてしまった。



サチはそのことにビックリしてしまったようで、その拍子にプリントを全て床に落としてしまった。



サチは慌ててプリントを拾う。



顔を真っ赤にしながら。



何度も謝る。



別に誰もサチを責めているわけではない。



みんなも一緒に拾ってくれているが、サチには見えていないようだ。



そのとき、斜め前から声が聞こえた。


「あ~あ、ダッサ。さすが、イジメられっ子だね」


エリだった。


恥ずかしさで、サチはそのl場で声を殺して泣いた。




『あの女。マジで許せねえんだけど。俺に体があったら鉄拳のひとつでもお見舞いしてやるところだ』


下校途中俺は愚痴った。



サチはずっと俯いたままだ。


俺の言葉にも何も答えない。



嫌な予感がする。



『な…なあ、サチ。知ってるか?ドイツ人てくしゃみの音が大きいことは気にならないのに、そばをすする音は気になって仕方ないらしいぜ。おもしろいな。…』



俺はどうにかして、サチの気が逸れる方法を考えた。



サチに笑って欲しかった。


嫌な予感は的中した。


「(…哲朗)」



サチは静かに口を開いた。


「(私、転校したいわ)」


『サチ…』


サチの顔は見えなかったが、声は震えていた。



きっと、ずっと考えていたのだろう。



その答えが転校だったのだ。


でも、



『サチ。ダメだよ。そんなことしたって何も変わらねえよ。逃げてるだけだ。また同じことが起きたらどうするんだよ。俺がいるだろう』



俺はサチの顔を覗き込むようにして言った。



サチに言って欲しくない言葉だった。


「(もう、嫌よ)」



『俺が守るからさ。体は無いけどこうしてサチに勇気とかあげられるから。だから、頼むからそんなこと言わないでくれ』


サチをここまで追い込んだのはあいつだ。



エリが悪い。



俺は怒りでまたサチの体を乗っ取ってしまいそうだった。



そのとき、サチが何かを見つけた。


 

「あれ、エリちゃんじゃない?」


サチが指差した方向を俺も見ると、そこには紛れも無くエリがいた。



『ん?』


エリは男と一緒だった。



同じ男だから分かるが、最悪の男と一緒だった。



チャラチャラしていて、自分勝手が行動に表れている。



自分のペースで歩き(エリがほとんど走るようにして後をついている)、人とすれ違った時に物が当たっただけで舌打ちをしているし、何よりも着ている服がだらしない。



男はエリのほうに振り返ると、手を差し出している。


イライラしているのか、急いでいるのか、貧乏ゆすりをしている。


エリはそんな男に何かを渡した。



男はひったくるようにそれを受け取ると、とっととどこかへ行ってしまった。



残されたエリはなんだか寂しそうな表情で男を見送っていた。



きっと、エリはあの男に遊ばれている。



『サチ。行くぞ。サチには関係ないことだ』



もう、これ以上エリのことでサチが傷つくのを俺は見ていられない。



サチも頷いて、家へと歩き出した。



俺はもう一回サチに言った。



『サチ。約束して欲しいんだ。絶対に転校するとか言わないって。確かに俺は口では強いことを言ってるけど、幽霊だし、生きている人に比べたら心細いかもしれないけど、それでも、サチの力になりたいんだ。だから、一人じゃないって信じて欲しい。サチの支えになれると思うからさ』



俺は今の俺の精一杯をサチに伝えたかった。



これでサチが転校したら、こんなに悲しいことはない。



「(ありがとう。哲朗。ごめんなさい。もうそんなこと言わないわ。哲朗を困らせるようなことは言わない)」


サチは俺の好きな顔で笑った。







はい。



哲朗は幽霊になったほうが、素直でいいやつのようですね。



まだまだサチへの問題は多いようですが、今後も哲朗の活躍に期待です。



それではみなさまも風邪には充分ご注意を。




バイバInBan。




















InBanです。


なかなか長い一週間が終りません。



久々に疲れてます。












『世界の終わりを、キミと…』



9.


翌日、サチは定時に起き、ご飯を食べて、学校に向かった。


サチの足取りは軽く、学校へ行くことへの躊躇いはなくなっていた。



そんなサチを見て、人は変われるのだと思った。



『サチ…あのさ、髪の毛止めてみないか?サチはさ、かわいいんだから。俺ずっと気になってたんだよ。その大きな目とかももっと色んな人に見てもらったほうがいいと思うんだよな』



俺は出会ったときくらいからサチのこの髪型が気になっていた。


あの、廃屋で見たとき、サチがかわいい顔をしているのは分かった。



しかし、サチは自分の顔が見れないように、髪の毛で隠している。



髪形とかを変えれば、もっとサチは明るい性格になるかもしれないと思い、俺は提案した。



「え?」



サチは少し、戸惑っているようだったが、俺の言葉に素直に従ってくれた。



「こう?」


サチは持っていたピン止めで前髪を止めた。


サチの大きな目が顔を出した。


「確かにあのままだったら目が悪くなってしまうものね」



たったひとつ前髪をピン止めで止めただけなのに、雰囲気が変った。




そんなサチが教室に入ると、雰囲気はいつもと変らなかった。


生徒達の接し方だって、いつもと同じだったが、何か、昨日までと違って見えたのは俺だけではないはずだ。


サチの目にも同じに見えているだろう。



いつもどおり、授業が始った。


サチが開く教科書はたくさんのらくがきがしてある。



でも、そんならくがきも今ではかわいいものに見える。




サチの話で分かったのだが、今授業をしている先生は、サチのような優等生は指したりせずに、居眠りとか携帯をいじっている生徒を指すのだ。



そう、エリのような生徒が標的になるのだ。


「じゃあ、この訳をあなた」


と、この教師は生徒の名前を覚える気はないらしく、チョークで指した生徒はまさにエリだった。



ずっと携帯ばかりをいじっていたのがバレたらしい。



「は?どこから?」


案の定、エリは困っていた。


こういう生徒を見て喜んでいるらしい。



たまにいる、子供っぽい教師の一人だ。



『(あ~あ、かわいそうにな)』


俺は他人事のように言った。



エリが困ろうが俺の知ったことではないからだ。



しかし、その時、奇跡が起こった。



「四十五ページからよ。訳はここ」


驚いたことに、答えられなくて困っていたエリに救いの手を差し伸べたのは、なんと、サチだった。



サチは自分が予習してきたノートをエリに渡した。



キレイにまとめられたサチのノートはとても見やすかった。



エリはサチのノートを見ながら、訳して見せた。



「はい。その通りです」


教師は腑に落ちない表情だったが、納得して授業を続けた。



俺はその光景をただポカンと見ていた。



だって、この光景はすごい。


昨日までイジメられていたサチがその根源であるエリを救ったのだ。



サチに一つの大きな勇気が備わった瞬間だった。



俺は忘れない。


嬉しかった。


だって、それはサチが誰に言われた訳ではない。


サチが自分で決断して行動したのだから。





「ねえ、何なのさ。さっきの」


休み時間、次の授業の準備をしていたサチにエリが話し掛けて来た。…というよりはケンカを吹っかけてきたように見えた。



どうやらさっきの授業でサチに助けられたかたちになったことが気に入らなかったらしい。



サチは良かれと思ってしたことを否定され、戸惑っている様子だった。



「アタシはさ!別に高一にもなって中学生みたいなイジメしてんのがサムいと思ったからあんたをイジメんをやめようとしただけよ。だからって、友達気取りとか止めてくんない?あんたをキライな事に変りはないんだから」


エリはすごい剣幕でサチに噛み付いた。



そう言うと教室を出て行ってしまった。



残されたサチはただ俯いているだけだった。



俺は堪らずサチに声を掛けた。



『サチ。あいつはほっとこうぜ。それより俺は、サチが勇気を出して人を助けた事が嬉しいんだ。すごい事なんだぞ。分かるか?』



俺は興奮して言った。


言葉で言い表せないくらい誉めてあげたかった。



「(本当に、私も信じられないの。自分で。なぜか体が勝手に動いたっていうのかしら…これも哲朗のお陰なのかしら?)」



『いや、今回は俺は何もしてない。全部サチの力なんだぞ』


俺が誉めると、サチは本気で照れていた。



お昼、俺たちはいつもの場所で昼食と取っていた。


サチは俺と会う前から屋上で昼食を取っていた。



別に、教室でもいいのだが、サチがそうしなかったのは、ただ単にサチが空を好きなのだという。



イジメられていた時も、空を見ながら食べるご飯はおいしく、元気が出てくるのだとサチは言った。


サチがここまでイジメに耐えて来られたのは空のお陰だったのかも知れない。



サチの学校の屋上は広い。


その中でも、サチは風通しがよく、太陽の光が適度に当たる場所をお気に入りの場所と決めて、いつもその場所でご飯を食べている。



「(哲朗。人は死んだら天使になるの?)」


『へ?天使』


「(翼があればあの高い空まで行けるのかしら)」


きっとそれはサチが自殺したいとか思って言っているのではないと分かっている。



『サチはロマンチストなんだな。でもよ、実際飛べるようになったら地上が恋しくなったりしてな。空って、雲しかないと思うぜ?』



「(哲朗。そんなこと言ったら元も子もないわ)」


サチがムッとして言った。


「天使」と言ったサチはきっと、ガブリエルのことを考えていたのだろう。



午後の風は午前中と違って少し、涼しく吹いた。



チャイムが午後の授業の始まりを告げたので、サチはバンダナできれいにお弁当箱を包んだ。


俺はもう一度空を見た。



生きていた時、こんなに長い間空を見たことがあっただろうか。


本当に人は死んでしまったら何になるのだろう。



俺はまだ、俺のままだが、全うな行き方をして亡くなった人間と、俺みたいに自殺した人間とでは死んだ後に行く場所が違ったりするのだろうか。



俺はあの時、天使と出会って、サチのことを頼まれなかったらどこに行っていたのだろう。



消えて、生まれ変われたりしたんだろうか。



「(哲朗?どうしたの)」


サチが俺の名を呼んだ。



『なんでもない。教室行こうか』


そう言って、俺たちは教室に戻った。







はい。


今日はここまでです。



物語は中盤戦に差し掛かってきました。



次回もお楽しみに♪



バイバInBan。