YAH!Yah!!yah!
InBanですぅ~GWですね。
今日は大学の時の友達の家に行きました。
変わらない仲間ってのはいいのもんです![]()
それではお楽しみの続きをごらんください。
『世界の終わりを、キミと…』
9.
あれからみんなの態度が変わった。
サチはいつものようにイスに座って本を読んだり、予習をしたりしているがどこからともなく人が集まってくるようになった。
きっともともとみんなサチが嫌いなわけではなかったのだ。
エリがサチに心を開いたおかげで、クラスのトゲトゲした雰囲気は無くなった。
サチはみんなに分からない問題を教えてあげたりしている。
最初なので、こういうところから始めてみてはどうかと俺が提案したのだ。
あれ以来、サチとエリの距離は近くなった。
不思議なもので、サチもきっとエリのことが好きだったのだ。
二人は良く話をするようになった。
エリはというと、サチの意外な強い面を見て、一目置くようになった。
その関係性がいいらしい。
昼になった。
サチはいつも一人で屋上で食べている。
誰にも見つからないように静かに食べていたのだ。
そんな時、エリが声をかけてきた。
「サチぃ~お昼一緒に食べない?」
初めてのお誘いだった。
エリは他の子をつれてサチを誘いに来た。
しかし、サチはそんなエリの誘いを断ってしまった。
仕方ない。
昨日まで一人で食べていて、それに慣れているサチにとって突然大勢でお昼ごはんを食べるということにひいてしまったのだろう。
サチはそう言って、屋上へ向かおうとしたとき、エリが走ってきた。
「待って!サチ」
サチはエリに気づき、立ち止まってエリを待った。
「ごめんね。アタシ、サチの気持ち考えないで。あんなガラの悪い子たちと一緒にお昼なんてヤだよね。アタシと二人なら食べてくれる?」
エリは恐る恐るサチに聞いた。
エリもサチと友達になるために一所懸命なのだ。
『お前も充分ガラ悪いぞ。な、サチ』
「(もう。哲朗…)うん。いいわ。でもあの子達はいいの?」
「うん。いいの、いいの」
エリは手を横に振って見せた。
そして、サチとエリはエリ希望で裏庭でご飯を食べることにした。
なんでも、エリがいつもサボって寝ている場所なのだそうだ。
そんな場所をサチに教えるな。と、言いたい。
しかし、エリの指定した場所は、太陽の光が適度に当たって気持ちよかった。
校庭の裏なので静かだし、目の前に建物が無いので空がよく見えた。
サチの大好きな雲が良く見える。
サチとエリは将来の夢についての話をした。
エリにしては真面目な話をするなと感心してしまった。
そこで、サチはエリに将来のことを素直に話した。
「え?サチって大学行かないの?」
「ええ。私、美容師になりたいの。だから専門学校へ行くわ」
「マジで?スゴくない。美容師とかってかっこいい。アタシはないなぁ」
エリは自分でふっておいて自分はまだ考えていないらしい。
サチは自分で作ったお弁当を。
エリはコンビニで買ったパンとマカロニサラダを食べている。
「だってさ、サチの手きれいだもんね。こんな手で髪の毛触られたら気持ちいいだろうね」
エリはサチの手をマジマジと見て言った。
確かに、サチの指は細くて長くてきれいな形をしている。
エリはサチのことを“サチ”と呼ぶようになったのは、ある日突然だったが、サチは嫌な気はしないらしく、むしろ嬉しいと言っていた。
しかし、当のサチ本人はまだ、エリのことを呼び捨てで呼べないらしい。
「ありがと」
サチは照れながら言った。
「あのさ」
エリは今後は真面目な表情になってサチに言った。
「腕…見せてくれる?」
サチはエリにそう言われ、少し戸惑ったが言われた通りに袖をまくって腕をエリに見せた。
そう、エリに殴られた部分だ。
そこは赤紫にまだ腫れていた。
そのときはサチは俺と入れ替わっていたので、痛みは感じていないのだが、相当痛かったのを覚えている。
エリはその部分を見ると、本当に申し訳なさそうに何回も撫でた。
そして、
「ごめんね、サチ。本当にごめん。謝りきれないよ。ひどいことしたね。ひどいこと言ったね。本当にごめんなさい」
何度も謝った。
エリはそう言うと、持ってきた包帯で手当てをした。
ぎこちない手つきで包帯を巻く。
俺はそんなエリの姿を見ながらサチに言った。
『サチ。こいつなら信じてもいいんじゃねえの』
サチも無言で頷いた。
エリは包帯を巻きながらサチに本音を話し始めた。
「アタシね、サチにだけ言うと、中学のときイジメられてたんだ。生意気って思われてた。何も言えなくてずっと辛かった。だから高校に入ったら強くなろうって決めたの。絶対にもうイジメられないように」
エリはサチの顔を見ずに話し続ける。
「サチを見てると、なんか、アタシとカブるところがあってさ、すごく嫌だった。でもね、サチはアタシなんかと全然カブってなんかないね。サチはアタシよりも強いし、勇気がある。アタシ、思うんだ」
エリはやっと顔を上げて話す。
「イジメられてる子の気持ちはさ、やっぱイジメられてる子にしか分からないよ。だから、そういう子に必要なのは同じ気持ちの分かる子なんじゃないかって」
エリはそう言うと、エリの言葉に心を打たれているサチの手を取って言った。
「アタシ、力になるよ。サチ。サチが私を助けてくれたようにさ。だから、悩みとかあったらさ…その、相談して欲しいだ」
エリは戸惑いながら、必死に言葉を探してサチに伝えようとしている。
「アタシね、その、サチと友達になりたいんだけど…」
エリはサチに自分の本当の気持ちをサチに伝えた。
「……」
サチは黙っている。
「ごめんね。迷惑だよね。さっきまでアタシ、サチのことイジメてたんだもんね。ムシが良すぎるよね」
エリは無理やり笑って言った。
違うぞ。エリ。サチはそんなつもりで黙ってるんじゃないぞ。
すると、今まで黙っていたサチの目から涙が大量に流れ出した。
「わぁ!サチ、ごめんごめん」
エリは慌ててしまった。
泣かせてしまったと思っているのだろう。
「違うの。ごめんなさい。嬉しくて。私も友達になりたい」
サチがエリを見て言った。
そんなサチを見ているエリももらい泣きしていた。
っということで、学校で初めてサチに友達ができた。
しかも、サチを今まで苦しめていた張本人だというから驚きだ。
なにがともあれ、俺の肩の荷も少し降りた。
が、そんなことであの天使は解放してはくれない。
サチの両親にもきちんとサチの夢を理解してもらわないといけないのだ。
まったく…俺はなにをしてるんだか。
せっかく地上とおさらばしたというのに…。
はい。
長かった9章はここで終わりです。
次回は、サチと哲朗のデートをお送りします。
お楽しみに。
それでは、良いGWを。
バイバInBan。