12月歌舞伎座 夜の部 | うさ吉のきままダイアリー

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お芝居を観たり、おいしいものを食べたり、旅行したり、、、の感想を書き留めておく日記。そんなところ。

師走と言ってもいつもの月とたいして変わらないはずなんだけどなんだか気ぜわしく観劇感想もほったらかしの毎日でありました。が、最後の最後にな、なんとか。。。

まずは夜の部から。


3階1列目下手。


神霊矢口渡。これ、はじめて観ました。お舟がとっても積極的な女子で菊にはこんな娘役がよく似合う。一目惚れする相手が友右衛門ゆえにリアリティがないが(失敬)、菊が一目ぼれしちゃう具合がね、かわいいし愛嬌があってクスッと笑える。娘を刺しても義峯を追っかける強欲非道な頓兵衛の富十郎は立派で小さいのに大きかった。そしてなぜこのお父さんからこの娘が?という清らかなお舟でした。


出刃打お玉。衝立の向こうから覗く横になっているお玉の投げ出された足は間違いなくおっさんの足であるのに、起き上がってからの身体の線はまるで女であった。若手の女形だとどうしても体を作っているというのが見えてしまうが菊五郎は全く無理なく自然と女になっている、そう見えるというのがやっぱりすごいなぁと妙に感心。梅玉の23歳にもびっくりしたがエロジジィっぷりやな奴っぷりにもおどろき。見事に嵌まっているよ。こんな梅玉見たことないよ。しぇ~。最後はどうもっていくのかと思ったが救いのある終わり方でよかった。菊五郎が描くお玉の明るさと人の良さとユーモアがよかった。


紅葉狩。海老の姫様、声が安定してなくてまだ模索中なかんじだが女形はだいぶ板についてきた?ようで踊っていても男っぽさがなくなった。顔もほっそりしてとてもきれいでした。しかし姫さん姿で鬼が顔を出してるとき大股すぎて膝をちょっと閉じてあげたくなりました(笑)。ぼたんさん、やっぱり本物の女子は骨格が華奢なのですねぇ。後ろに居並ぶ女形さんも決して太めな方ではないのに比べると肩幅が小さいなぁ。維茂ってこんな立派な髭つけてたっけ?今まで一番勇ましい維茂でした。亀兄いい役でうれし。山神の右近、うごきが大きくてきびきびしてうまいねぇ。変声期真っ最中で声がつらそう。後半の鬼女vs維茂は思っていたよりおもしろくなかったのは変化らしくないからか?しかし派手派手しくって楽しい一幕。オペラ座に合いそうですねぇ。行かれる方、うらやましいです。