懐中温泉です。
本ブログをご訪問いただき
心より感謝いたします。
持って生まれたもの、
というしかないのですが、
仮称久保君は、三拍子
の男でした。
吉田聡氏の古典的名作『湘南爆走族』
で、そのメンバーのバイクを
音楽に例えると
他のメンバーが
ロック
ポップス
演歌
浪花節
であるのに対し、
リーダーは
なんといっても
ワルツ
と評されています。
仮称久保君の三拍子も
どうやらワルツか
あるいはルンバか
ジルバです。
くるくると踊るよ
ジルバ、なのです。
私の彼に関する記憶を
遡る限り、小学校3年生の
ときには、彼に三拍子を
感じていました。
まだ、大瀧詠一氏など
ナイヤガラ・トライアングルの
名曲「A面で恋をして」
は成立していませんでしたが
彼は小学校3年にして、
A面で恋をし、
さらにB面でも恋をしようか
という趣を見せていました。
私自身は、
既に告白しましたとおり
高校入学とともに
自我の目覚めがありました。
同時に
それ以前にどのように
歩いていたのかを忘れ、
ぎくしゃくとしていたのです。
それでも、音楽の時間に学んだ
「トルコ行進曲」を頼りに
行進として歩むことは
可能になりました。
行進曲のレパートリーも、
廉価版レコードの収集とともに
増え、それなりに組み合わせて
日常生活の歩行もこなせたのです。
しかし、初期の段階で
日本の軍歌集を買って
しまったので、もともと馴染みのある
曲が多く、その影響は甚大でした。
私の父親の趣味はパチンコで
よく父親に同行して、
パチンコ屋に出入り
していました。
現在のように30分もせずに
万単位のお金がふっとぶような
ギャンブル、ではなく、
暇つぶしの娯楽であった時代です。
子どもが父親の脇で座って
しかも自分で打っていたと
してもとくに何の問題もない
とされた、ゆるやかな頃ですね。
通路には必ずパチンコ玉が
落ちており、また
子どもの目線は低いので
容易に見つけ、拾うことができました。
10個も拾ってきて、それを
打っていけば、チューリップ
も開くので玉がジャラジャラと
出てきます。
私が高校に入り、身長を伸ばした
のは、これまでに繰り返し
お話したように進化の強力な動機付けが
あったからです。
そして、その際に滋養として
下支えとなったのは、
平素のご飯と、父親がパチンコの
景品でとってきたチョコレートです。
ちょうど身長をのばそうという時期に
父親のパチンコ運が良好で、
紙袋一杯の板チョコを幾枚も食べて
私は着実に身長を伸ばしていったのです。
横にはいかず縦に伸びるように
チョコレートからの影響が
用いられたのは幸いでした。
私の身体はしたがって、
明治のミルクチョコレートや
ガーナチョコレートなどの
板チョコでできているのです。
私は、どうも自分の行動など
詰めが甘いと思うところが
あります。
これは、どうやら、
このチョコレートで
身体をつくった、ということが
遠因のようです。
どこか、甘いんですよね。
さて、パチンコ屋では、
景気づけというか、回転をよくするために
サービス・タイムとして
玉の出をよくする時間があります。
その時には
音楽として「軍艦マーチ」を
かけるのが通例です。
私としても、幼少時から
父親とパチンコ屋に出入り
していますので、この曲は
深く意識に潜在しています。
そのため、一時は通学時、
脳裏にこの「軍艦マーチ」
を流して歩いていました。
その時には、
さすがに友人達から
「おい、どうしたんだ?」と
心配されたりしたものです。
下駄を履いて中和させたのは
そうしたことも
あったからです。
つい先頃まで、「軍艦マーチ」で
歩いて、それを下駄をはくことで
辛うじて中和させている男が
「クリスマスの集い」を開催する
男女5名ずつ
自宅の2階の畳敷きの自室で
隣の妹の部屋はふすまで
仕切られているのでその日は
ふすまを外し、妹は追い出します。
父親のパチンコの景品である
板チョコを食べながら、
少しは進化してハイドンの交響曲100番「軍隊」を
流しつつ、計画を立てます。
流す音楽は、なんといっても
オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団
のマーチ特集が皮切りだ。
これを流して、
自分の気持ちを鼓舞するのだ。
メンデルスゾーンの「結婚行進曲」
も入っているから笑いがとれるぞ。
その後、世の中には
クリスマス・ソングがあるのだ
ということに気づき、多少は集めました。
が、
やはり基本は、
私の歩行を助けてきた曲になります。
二拍子か、アップテンポの四拍子が
多いですね。
ああ、そういえば、舞曲集も
集めていたのでした。
初期のレコード選集に
ハチャトゥリアンの
激しく短かい舞曲
「剣の舞]が入っていたからです。
かくして一応
三拍子の世界にも
気づき始めていたのです。
これには仮称久保君の影響もあ
ったはずです。
彼は、たまたま真っ直ぐ前に進む
踊りを踊っていただけ
だったのです。
彼は決してテクテク
歩いていたのでは
ありませんでした。
ズンチャッチャ、
と歩いていた
あるいはたまたま
前に進んでいくワルツを
踊っていたのです。
ときにはジルバや
ルンバを。
あなたも、たまたま
前に進むワルツを
踊ってみませんか。
文字通りステップですが、
1
ワルツを脳裏で流す
2
その曲に合わせながら、
前へ、前へと進む
3
ズンチャッチャ、
ズンチャッチャ
楽しいですよ。
ご精読ありがとうございます。
懐中温泉
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