「中年の危機」に陥った、ごく普通の50代男性が、3日・2週間・1ヶ月の3段階で人生をやり直す、潜在意識活用システム 真「幸せの時間」

「中年の危機」に陥った、ごく普通の50代男性が、3日・2週間・1ヶ月の3段階で人生をやり直す、潜在意識活用システム 真「幸せの時間」

潜在意識の働きで、あなたは「スーパーなあなた」になるのです。そのための素材・方法も実はあなたの手元にすでに多くあります。ここでは、あなたがそれを見出し、活用するお手伝いをいたします。胎児(あなた)は、胎児(あなた)の夢により進化します。

懐中温泉です、

 

歴史シミュレーションその41

 

 

一方、安土城では、信長もまた地図を

見ていた。


彼にとって境界は、謙信とは少し違う。

 

「織田の天下は、
 

近江・美濃・尾張・伊勢・山城・大和・

河内・和泉・摂津――
 

 

この“芯”をどこまで厚くできるかで決まる」

 

信長は、近江を指で押さえる。

 

「北陸が上杉に傾いてもよい。


 中国が毛利に寄ってもよい。


 だが、畿内を裂かれてはならぬ。

 

 境界は、
 相手を完全に消し去る線ではなく、
 

こちらが“ここから先は絶対に譲らぬ”

と決める線だ」

 

重臣たちが聞いている前で、信長は

続けた。

 

「ゆえに、
 織田にとっての境界は、
 

越前・若狭・近江の三国だけではない。

 

 むしろ、
 京を中心とした

畿内の秩序を守れるか

どうかが、真の境界になる」

 

彼の目は、北の上杉ではなく、


南の本願寺と西の毛利、


そして内側で揺れる公家や寺社の方を

向いていた。

 

帯をめぐる小競り合い

 

境界帯では、小さな衝突が絶えなかった。

 

越前の城下では、
上杉に従うべきか、

織田に残るべきか、
土豪たちが毎日のように顔色を

うかがっている。

 

若狭の港では、
海運の税をどちらに

払うかで商人たちが

迷った。

 


近江の道では、
上杉の使者と織田の使者が、


同じ宿に泊まることすらあった。

 

「境界とは、
 ただの線ではない。


 人々の迷いそのものでもある」

 

謙信はそう言い、
一つひとつの城と村に、


「上杉の法」を少しずつ浸透させて

いった。

 

信長もまた、
近江・山城の要所に兵を置き、


楽市や関銭の調整で人々を

繋ぎ止めようとする。

 

どちらが完全に勝つというより、


どちらが「人の流れを止めずに

自分の秩序へ組み込めるか」を

競っているようだった。

 

二分された天下の静かな怖さ

 

境界帯は、戦場ではない。


だが、戦場よりも息苦しい。

 

村人は、
明日どちらの旗が立つかを気にして

眠る。

 

商人は、昨日まで安全だった道が、


今日は課税の対象になるかも

しれないと考える。

 

僧は、どちらの勢力に祈願を頼む

べきかを測る。

 

「天下二分とは、
 

見た目の陣の話だけではない。

 


 人々の暮らしの選択が、
 

毎日少しずつ二つに分かれていく

ことでもある」

 

謙信は、春日山でそう呟いた。

 

その言葉は、上杉家中の者だけでなく、


この時代の空気そのものをよく

言い表していた。

 

第二十三話 公家が見る二人の天下人

 

京の朝は、相変わらず静かだった。

 


しかし、その静けさは、
もはや「一人の天下人に

従う安心」

ではなく、「複数の力を見比べねば

ならぬ緊張」を含んでいた。

 

御所の一角に集う公家たちは、


それぞれが別の顔をして座っている。

 


ある者は織田寄り。
ある者は上杉寄り。

 


ある者は毛利や本願寺にも目配せを

していた。

 

近衛家の手紙、二つの顔

 

この頃、公家のあいだでよく話題に

上るのは、


「信長は怖いが、秩序は作る」


「謙信は厳しいが、筋を通す」


という対照だった。

 

一人の公家が、扇子で口元を隠しながら

言った。

 

「織田信長は、
 怖い。


 だが、
 怖いからこそ、
 

都の乱れを速く収める。

 

 公家にとっては、
実に扱いづらいが、
 

金も持ち、兵も持ち、
 

何より『今ある権威』を壊す力がある」

 

別の公家が、それに応じる。

 

「上杉謙信は、
さらに扱いづらい。

 


 だが、
彼は『今ある権威』を一度壊すため

ではなく、古い秩序を立て直すために

動いているように見える。

 

 足利将軍家を掲げ、
 

仏法・正法を尊び、
 

越後や関東で“国のかたち”を

作っている」

 

「どちらが朝廷にとって得か」

その問いに、誰も即答しない。

 

 

ご精読ありがとうございました。

 

懐中温泉