Q毎に事業計画を見直しているのですが、そのときに自分の
頭の中身を整理する意味を込めて事業環境の変化についても
まとめています。
この「Web2.0とネット広告」ってかなりいまさらな感じもするけれど
とりあえず今後のトレンドを押さえておくためにもメモ書きです。。
Web2.0とは情報の量と質の変化である。情報発信コストが
劇的に下がることでブログなどネット上の情報量が劇的に
増加する一方で、RSSのようにテキスト情報に意味データが
付加された形で質の高い情報が流通するようになった。
このような背景のなか、ユーザーにとっては劇的に増え続ける
情報の中から自分の欲しい情報を適切に見つける『検索
エンジン』の重要性が高まり、それとセットで検索連動型
広告市場が驚異的なスピードで成長している。
また検索連動型広告では、従来の純広のようにメディア側が
広告の単価を決めるわけでもなく、アフィリエイト広告のように
クライアント側が広告の単価を決めるわけでもなく、広告の
表示順序を企業によるオークション方式とクリック率を組み合わた
最大値とすることで、出稿企業側に価格決定権を持たつつも
クライアント間での競争状況を作り出し、市場が拡大すれば
するほど広告を単価を大幅に上がるようになった。
検索キーワードの多様性とクエリー数の拡大がイコール検索
連動型広告市場の在庫に当たるわけだが、情報が増え続けて
いくなか検索エンジンへの依存も高まり、結果として検索連動型
広告も伸び続けている。
そして更にこれらの広告在庫を、直接コンテンツとマッチさせる形で
表示することにより新たなネット広告市場を作ったのがGoogleの
アドセンスである。増え続ける情報サイトがある一方でなかなか
そういった小さなメディアでは広告主を自分で見つけるのは難しく、
収益化できなかったが、それが単にソースを貼るだけで自動的に
コンテンツにマッチした広告が表示されるようになった。
ニッチ過ぎて収益化できなかった大多数のWebページを収益化する
手段を提供したのである。これによって個人(特にエンジニア)の
創造性を発揮しやすい環境が整い、有力な個人メディアや
SEOスパム、新サービスなどが続々と生まれる背景にもなっている。
さてもう一度これらの動きを振返ってみると実は、Googleは
検索エンジンの会社ではなく、爆発的に増えていく小さな
媒体(テール媒体)に対して収益化を提供するだけではなく、
予算の小さな広告主(テール広告主)に対して広告手段を
提供している広告マーケットプレイス会社とも言える。
つまり、Web2.0という環境変化が起こるまで、今までの広告主と
メディアの関係は、大クライアント(ヘッド広告主)に対して
広告代理店による人海戦術で大メディア(ヘッド媒体)・中堅
メディア(ボディ媒体)の広告を販売していくモデルであった。
既存のテレビ業界、新聞業界等の4マス媒体も同様のモデルである。
このようなモデルにおいては代理店はメディアの広告枠を買い切ったり
することで囲い込み、それが競争優位性になることが出来た。
それがWeb2.0という環境変化が起き、Googleのような広告マーケット
プレイスが出現することによって、小さなメディアと小さな広告主を
テクノロジーで直接結びつけることが可能となった(広告における
テールtoテール取引モデル)。またそれだけではなく、テール広告主に
対してヘッド媒体やボディ媒体への出稿さえも可能にしたり、ヘッド
広告主がテール媒体に出稿するこも可能にしている。
これによってヘッド媒体・ボディ媒体とテール媒体との間にあった
見えない壁が無くなり、結果として更にマーケットプレイスを活性化させ、
クリック単価を上げるという相乗効果が生まれている。
Googleやオーバチュアなどの検索エンジン会社は、検索エンジン会社ではなく
広告プラットフォーム会社への明らかにその立ち位置を変化させてきている。
【5年前】(Web2.0以前)
ヘッド媒体 ←広告代理店→ ヘッド広告主
ボディ媒体 ←広告代理店→ ボディ広告主
=====================(見えない壁)============
テール媒体 ←アフィリエイトASP→ テール広告主
【現在】(Web2.0以後)
ヘッド媒体 ←広告代理店・マーケットプレイス→ ヘッド広告主
ボディ媒体 ←広告代理店・マーケットプレイス→ ボディ広告主
テール媒体 ←マーケットプレイス→ テール広告主
これらのトレンドを一歩引いてみると、ネット広告市場は、ヘッドtoヘッドでの
広告販売モデルから、広告プラットフォーム(リスティング広告、コンテンツマッチ、
アドネットワーク、アフィリエイトネットワーク、行動ターゲティングネットワーク)に
よるテールtoテール取引モデルへの移行が加速している。
実際、ヘッド媒体であるヤフーでさえヤフードメイン内での純広ビジネスが
既にQoQでは伸びていない。そのため彼らは行動ターゲティングのように
ヤフードメイン外のメディアをアドネットワーク化することで新たな成長機会を
見つけようとしている。また楽天も対ヤフーを意識したポータル戦略から、
自社のデータベースのAPIを積極的に公開し従来の囲い込み戦略から
緩やかな囲い込み戦略へと移行しつつある。最近のドリコムへの出資も
こういった意図が見え隠れする。
ボディ媒体やテール媒体についての考察はまたいずれ。
■今日の名言
「今日の一は、明日の二にまさる。」
(ベンジャミン・フランクリン)