● まぁ 日本では無理やろなぁ ・・・ | 大阪ミナミの山小屋(別館)だより

大阪ミナミの山小屋(別館)だより

大阪ミナミの避難小屋 ろっぢ・・・
山と自転車と日本酒が好きな小屋番がお待ちしています。

ちょっと覗いてみようという方、
090-3493-7868 へご予約・お問い合わせください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「脱炭素」「コロナ対策」で鉄道復権、

英国が廃線復活へ

 

オルタナ 2021年1月30日(土)

12時40分配信

 

 

ニューキャッスル近くに立つ北東イングランドの地方再生シンボル「北の天使」像

 

 

2035年までにハイブリッド車を含むエンジン車の販売を全面禁止する英国が、50年前に廃線になった鉄道2路線を2025年までに復活させるため、合計7億9400万ポンド ( 約1130億円 ) の予算配分を決めた。新型コロナで3度目のロックダウンが続く同国ではリモートワークも定着しつつあり、生活費が安い郊外の人口増見込みも廃線復活の追い風になった。 ( ロンドン=冨久岡ナヲ )

 

英国では1960年代後半に全国的な鉄道網の見直しが行われ、多くの路線が廃線となった。しかし脱炭素化を目指す英国政府は、数年前から自家用車よりも環境に負荷が少ない鉄道の効果的な再運用について検討を進めてきた。

 

その一端として、廃線ルートを蘇らせようとする動きがスタートしてはいたが、コロナ禍によるさまざまな要素が追い風となり実現への速度が急に早まった。

 

その要素の一つは廃線復活プロジェクトが、コロナで大きな打撃を受けた雇用を回復するためのサステナブルな開発事業の一つと目されたことだ。また、英国ではロックダウンが続く中リモートワーク勤務が定着しつつある。このため不動産価格も生活費も安い郊外エリアへの移住が盛んになり、鉄道路線が復活した場合の採算見通しが上向きとなったことも挙げられる。

 

今回予算配分が決まった路線は1カ所。一つは北東イングランドのノーザンバランド・ラインで、1964年に廃線となったニューキャッスルとアッシングトンを結ぶルートが復活する予定だ。

 

 

1969年頃のアッシングトン。石炭を積みだす貨物車や列車が出入りする賑やかな町だった

 

 

すでに確保していた予算の増額という形での配分に、地元自治体では2024年の開通に自信がついたと語っている。ニューキャッスルは、炭鉱や造船業などの衰退によって長らく停滞していた北東イングランドにおける経済再生の要となる都市だ。

 

英国政府が2020年秋に発表した 「 グリーン産業革命 」 が掲げる脱炭素化への取り組みにも含まれる 「 鉄道網の整備 」 によって、都市と周辺の町村をサステナブルに繋ぐという計画は首都圏からの移住先を模索する人々からも注目を浴びている。

 

 

 

 

 

 

■ 廃線復活で1500人の雇用創出へ

 

もう一つはオクスフォードとケンブリッジという、有名大学を擁する2つの街をダイレクトに結ぶイースト・ウェスト・レイル。どちらからもロンドンへは特急で直行できるが、直線距離にして107キロ離れた2つの街の間を電車で移動しようとすると現状ではとても不便だ。大回りして他社線間を乗り継ぎしなくてはならない。

 

時間だけでなく費用も車とは比較にならないほどかかり、しかも環境に負荷を与えているとしてこの路線の復活は長らく望まれていた。2016年に一部分が開通しており、今回の予算配分で新しい駅の建設を含む次のフェーズを2025年までに完了できる運びとなった。

 

 

 

 

イースト・ウェスト・レイルの廃線復活プロジェクトは直接的に1500人の雇用を創出するが、それだけではなく周辺のエリアに研究、開発とイノベーション施設のクラスター作りを目指す 「 ケンブリッジーオックスフォード・アーク 」 構想にとっても非常に重要なグリーンインフラとなる。

 

 

 

 

 

コロナによる移住ブームも重なりこれから住宅需要の増加が見込まれ、地元への経済効果は2025年の部分開通でも110億ポンド ( 約1.6兆円 ) と試算されている。プロジェクトは単に路線を復元するだけでなく、周辺の自然や野生動物の住環境保全などにも配慮がなされている。

 

 

 

 

 

 

そして現在の予定ではまず環境対応型の低排気ディーゼル車両を走らせ、将来は電動に変えていく計画だが、水素電池などの技術が急速に進歩していることから見直しの声が挙がり、初めから電気車両を導入することを検討中だ。イースト・ウェスト・レイル全線開通は2030年の予定。

 

今回選ばれた2カ所は、さらに全国にある廃線ルートの再活用見直しにつながるパイロットケースと目されている。英国での短距離移動は自動車に偏よるが、欧州では短かい距離なら飛行機ではなく鉄道を使おうという機運も高まっている。環境に配慮しながらも経済効果を損なわない移動手段、として鉄道が再び注目されていることは興味深い。