そして龍子も行ってきた。
一見、奇想天外だったり大胆だったり時代の先をゆく人は
大抵、基本や王道はできてるもんだってこと。
正統的な日本画や屏風絵をみて
そりゃそうだよな、と思った。
そうしてそういう人は大抵、ユーモラスなものや小さい身近なものも、愛らしく描くことができるのだ。
何でも出来るから、さらに一歩先にいけるのよね。
うらやましい。
大作以外の作品も見れてとても良かった。
好きなのは「羽衣」。
戦時中にヤップ島の女性が、腰蓑を脱ぎ捨てて海に入るのを、天女の羽衣伝説に見立てて描いたものだけど、とても楽しげで躍動的。
ゴーギャンじゃん、とも思ったが
戦時中の日本人に、黒い肌と健康美あふれる肉体をもつ南国の女性が「天女」に見えたというところが
画家の魂の自由さや、異国への憧れや敬虔さなんかが想像出来て
心地よい。
当時、「会場芸術」と揶揄された、ということは知識としてあったけどピンと来なかった。
現代の私たちにとっては、美術館で作品を見ること、会場に足を運ぶことのほうがスタンダードだから。
でも、説明書きの
「この後掛け軸にもできない大きなものを作ってどうしようというのだ」という批判をうけた、という一文を見て
そうだ、書画にせよ屏風にせよ、個人の室内で楽しむことを前提につくられ発展してきた分野なのよねと再確認。
勉強不足ですなーーー
きっと茶道とか、そっちにも深く深くつながってる。
ここね、展覧会の度に、老舗の和菓子屋さんに作品由来のオリジナルお菓子を作ってもらって出してるんだよーーー
隣でこのメニューみてた女性客も、連れの男性に
「これが毎回楽しみなのっっっ」
なーんて云ってました。
あたしも楽しみだよ。