生存者バイアスに注意 | 『売れプロ!』ブログ -「売れる」「稼げる」中小企業診断士に-

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こんにちは。売れプロ12期生の飯野裕司です。

私はラーメンが大好物なのですが、先日に「2023年度のラーメン店の閉店が過去最多だった(東京商工リサーチ調査)」というニュースがありました。

円安やウクライナ情勢などを背景とした原材料価格や光熱費の上昇、人手不足に伴う人件費高騰など、急激なコスト上昇に見舞われていることなども背景にありますが、倒産原因としては「販売不振」が最多となっています。ラーメン業界も多くのノウハウが蓄積されているはずですが、なぜ販売不振に陥る店舗が多いのかを考えてみたいと思います。

 

皆さんは「生存者バイアス(生存バイアス)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

一般的に、企業経営では成功事例に注目することが多いですが、生存者バイアスとは、そうした成功事例(生存者)ばかりを分析し、失敗した事例を無視することにより、誤った結論を導く傾向のことを指します。

 

冒頭に記載したラーメン業界について考えると、近年のラーメンブームの影響で多くの新規店舗がオープンしていますが、実際には約半数が開店後1年以内に閉店すると言われています。もちろん成功しているラーメン店も多々ありますが、それらの成功事例ばかりに注目してしまうと判断を見誤る可能性があります。実際に成功していくためには成功店舗の戦略を参考にするだけでなく、失敗した店舗の事例から学ぶことも非常に重要です。

例えば、閉店した店舗の立地やメニュー、価格設定などを分析することで、自店舗の改善点を見つけることができます。また、顧客のニーズや市場の動向を、失敗例も含めて定期的に調査し、柔軟にメニューやサービスを調整することも、成功につながる鍵となります。

ラーメンの価格設定においては「1杯1,000円が限界」という、いわゆる「1,000円の壁」があると言われますが、近年はインバウンドの増加もあり、潮流は変化しているとも言われています。正しい分析をせず、コスト高をカバーする魅力を提供できないラーメン店は、生き残りが難しい時代です。

 

生存者バイアスを回避するためには、複数の視点からの分析が重要です。成功だけでなく、失敗した事例も考慮に入れることで、よりバランスの取れた結論を導き出すことができます。失敗した企業の事例研究を通じて、なぜその企業が失敗したのか、どのような教訓が得られるのかを理解することが重要です。

「成功の影には多くの失敗もある」という正しい視点を持った上で、業界や競合の分析をする際は、失敗事例にも注目するようにしてみましょう。

 

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