事業性評価について、今一度考えてみる。 | 『売れプロ!』ブログ -「売れる」「稼げる」中小企業診断士に-

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 みなさんこんにちは。売れプロ12期生の印南(いんなみ)です。  

  

 つい先日、他の金融機関の諸先輩の方とご一緒になり、事業性評価についての考えを聞かせて頂く機会がありました。 

 

 その方から、最近事業性評価という言葉を耳にするが、私の時代では事業性評価を行うことは当たり前のことで、それを改めて口にしていることにとても違和感を覚えるとのことでした。 

 

 私が金融機関に身を置いた時代は預金が低金利に突入した時代で、様々な金融商品、サービスが金融機関で取り扱えるようになり、私も国債や投資信託を一生懸命販売していました。 

 

 融資業務については導入機械の購入額の範囲内なのかとか、いつ使うのかとか、融資の目的ばかり上司に聞かれて、その企業の特徴や強み等は聞かれたことはありません。 

 

 この頃の日本の経済成長率は1968年をピークに緩やかに減退しており、2009年から2022年までの平均成長率は約0.8%と低成長を続けていた時代であり、融資を受けてまで積極的に設備投資を行い、事業を拡大しようという考えの企業は少なく、運転資金を借りる方が非常に多かったことを覚えております。 

 

 今思い返すと、この頃から既に金融機関内部では『なぜ貸すのか』、ではなく『いかに貸すのか』との考え方に変わり、貸すための大義名分のみを求め、業績悪化を貸増や条件変更でごまかし、事業性評価をないがしろにしていたと思います。 

 

 結果として、業績の悪化した企業のほとんどが金融債務の返済に耐えられず、社会から姿を消し、これまで諸先輩たちが蓄積した貸出ノウハウや見抜く力も衰え、本来果たすべき金融機能が果たせないまま、日本経済の発展を妨げていたのではないでしょうか。 

 

 金融庁は、令和5年8月にコロナ融資の返済が本格化する中で『挑戦する中小企業応援パッケージ』を打ち出し、官民金融機関での経営改善・再生支援の取組状況等をきめ細かくフォローする体制を打ち出しました。

 

 ①将来の挑戦に向けたコロナ資金繰り支援

 ②挑戦する中小企業の経営改善・再生支援の強化

 

 この流れを受け、金融機関ではこれまで手付かずであった再生フェーズでの支援体制を拡充しており、最近ではファンド会社と共同出資した地域再生ファンドを創設したというニュースをよく目にします。 

 

 中小企業診断士としても、この金融機関がたどってきた末路を教訓にし、支援を受ける為だけの経営改善計画書策定ではいつかはこの社会から淘汰されてしまいます。

 

 適切な事業性評価の下、窮境要因を割り出し、そのうえで効果的なアクションプランを提案する。一朝一夕でできるモノではありませんが、日々研鑽を積むことで実現するものだと私は思います。

 

 今回は以上になります。ここまでお読み頂きありがとうございました。 

 

 

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