どうしたら人は動くのか | 『売れプロ!』ブログ -「売れる」「稼げる」中小企業診断士に-

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皆様、こんにちは。
売れプロ12期生の伊東裕司(いとうゆうじ)と申します。
今回は、どうしたら人は動くのか、について考えてみたいと思います。

私は、現在、中小企業診断士として独立していますが、かつては損害保険会社の社員として21年間勤務していました。
会社員時代も、診断士となった今も、共通したテーマがあります。
それは、どうしたら人は動くのか、です。

損害保険会社の社員は、自ら企業をアテンドすることもありますが、担当する保険代理店さんの信頼を得て、代理店さんの提案力や販売力を伸ばすことが大切な仕事です。
診断士は、中小企業の経営者や従業員の信頼を得て、提案したことを実践いただき、成果につなげていただくことが仕事です。
いずれも、私の言動が人に影響を与えて、相手に動いてもらうことが必要な仕事になります。

そのため、以前から、そのようなテーマの書籍を好んでよく読んでいました。
デール・カーネギーの『人を動かす』、ロバート・B・チャルディーニの『影響力の武器』は、何度も読み返して、そのエッセンスを身につけようと努力しました。

最近では、行動経済学がこの分野で注目を集めています。
一般的な経済学では、人間は経済人として、常に合理的な行動をするという前提で語られていました。
行動経済学では、心理学と経済学が融合し、様々なシーンにおける行動分析を基に、人間は時に非合理的な行動をするという前提で語られます。

ビジネスの世界で経済活動を行うのは、まぎれもない人間です。
人間の行動の積み重ねが経済を動かしていますので、心理学や行動経済学などから人の行動メカニズムを学び、それを実践に活かすことで、相手によい影響を与え、結果として人を動かすことが大切と考えます。

その中でも、私がテーマとしているのは、「ロジックとサイコロジー」です。
つまり、「論理的であり、かつ、相手の感情を動かす」ということです。

具体的なシーンで考えてみます。
お客様・クライアントから、あなたは相談を受けました。
どうやら困っている様子ですが、うまく言葉が出てこないようで、まごまごしています。
このような人への対応として、何と声をかけますか。

この場合、「お困りごとはどのようなことでしょうか。私が解決させていただきます」と言うよりも、「お困りごとは何でしょう。お手伝いさせてください」と言うほうが、相手に受け入れられる可能性が高いと思われます。

前者では、「困りごとの特定」+「解決というゴールの提示」を行っていますが、いずれも論理的な側面からのアプローチです。
後者では、「困りごとの特定」+「相手の感情に寄り添う」という、論理面と感情面の両方からアプローチしています。

まごついている人は、感情が先行してしまい、論理的な思考がうまくできていない状態ですので、相手の感情面をくみ取ることが大切です。

そうすることにより、相談者は安心して心を開き、問題解決へと一歩前に進むことができるようになります。

デール・カーネギーは、『人を動かす』の原著の中で、“a feeling of importance” というキーワードを何度も用いて、相手に重要感を与えることの大切さを説いています。
相手の存在・状態を尊重するような配慮が大切であると、私は解釈しています。

また、ロバート・B・チャルディーニは、『影響力の武器』の中で、好意を抱く本質の1つは類似性である、とも述べています。
感情が先行してしまう相手の状態に対して、それを受けとめることで、自分も相手と同じように感情面を理解できる人であると、示すことができると考えます。

さらに、行動経済学では、「アフェクト」といい、人の判断基準は「思考」よりも、「感情」による影響が強いという研究結果があります。
相手に好意を持たれることで、その後の問題解決がスムーズにいく可能性が高まるということです。

このように、先の例では、たった一言違うだけですが、まったく違う効果を生み出すことが分かります。
論理的、かつ、感情面を理解することで、人を動かし、スムーズに問題解決に導くことができるようになります。

逆に、相手が論理的な思考状態の場合は、それを受けとめ、主として論理的なアプローチで対応するほうがよいということもあり得ます。

経営コンサルタントの先生方も、論理と感情の両方の大切さを説いている方がいらっしゃいます。
もちろん、青木先生からも売れプロ講義で教えて頂きました。

マッキンゼーやボストン・コンサルティング・グループで活躍された経営コンサルタント・経営学者の名和高司氏は、著書『コンサルを超える問題解決と価値創造の全技法』の中で、「真理より心理」、「ひとりひとりの意思に訴え、感情に訴え、動機づけていくことが必要」と述べています。
アクセンチュアやローランド・ベルガーで活躍された遠藤功氏は、著書『戦略コンサルタント』の中で、「方向性を定めるのはIQ、変革に向かわせるにはEQが必要」と述べています。

中小企業診断士は、様々なタイプのお客様・クライアントから、様々なシチュエーションで相談を受けます。
そして、相手の置かれた状況に配慮し、論理面においても、感情面においても、相手のお役に立てる診断士が望まれます。

ですから、私は今後とも、論理的なアプローチと、感情面のアプローチの両方を磨いていき、人を動かすことができる診断士になりたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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