管理会計導入のポイント3 | 『売れプロ!』ブログ -「売れる」「稼げる」中小企業診断士に-

『売れプロ!』ブログ -「売れる」「稼げる」中小企業診断士に-

東京都中小企業診断士協会中央支部認定マスターコース『売れる!人気プロ研修講師コンサルタント養成講座』について情報発信しています!
塾長&講師は全国各地で年間203日講師登壇を誇る『あお先生』こと青木公司です。ぜひ門をたたいてください!

※にほんブログ村ランキング参加中です!1日1回、皆様の温かいポチをお願いします!

にほんブログ村 士業ブログ 中小企業診断士へ にほんブログ村

 

こんにちは、中小企業診断士の平井浩です。
前回は予実管理の6ステップのうち、前半の3ステップまで記述いたしました。今回は引き続き予実管理の具体的な内容の後半部分について書かせていただきます。

■予実管理のステップ
予実管理には、大きく次の6段階があります。
1)    中期経営計画の設定・把握
2)    単年度の予算数値の設定
3)    予算数値達成のためのアクション、KPIとスケジュールの設定
4)    期中での定期的な予実分析と課題把握
5)    課題解決のための打ち手の決定
6)    PDCAの実施
今回は4以降の説明をいたします。

■期中での定期的な予実分析と課題把握
中期経営計画や単年度予算を作成するにあたり、前提となる環境や経営資源、戦略、ストーリーが想定されています。その前提条件に変化があった場合、当然ながら違った実際の経営成績にも影響が出てきます。計画とのずれを把握するために定期的に予算と実績を比較し、分析していきます。分析するにあたって注意点が大きく二つあります。
一つ目は主観的な分析ではなく、数字に基づいた客観的な分析をするようにしましょう、という点です。
主観的な分析では、そのときの企業の状況や分析する人物の感情により内容が左右されてしまうため、適切な分析が行えません。営業実績が予算に未達だったとして、その原因を曖昧な要素にあると分析してしまうと、課題把握が曖昧になってしまいます。こうならないように、結果につながるアクションに関してKPIを設定していたわけです。予実分析で出てきた差異をKPIに落とし込み、課題を把握することが重要になります。
二つ目の注意点は、細かい差異の分析が目的にならないようにする、ということです。予算と実績を項目別に比較した際に、ぴったり一致している項目は珍しいでしょう。少しくらいは差異があるのが普通です。この細かい差異ばかりに目を向けていると予実管理の目的が見えなくなってしまいます。あくまで現状を把握し、改善策を考えるために予実差異分析をやっています。予実差異の分析は手段でしかないので、インパクトの小さい差異にこだわるのは、あまり意味がありません。また偶発的な要素が原因で実績が上下に動いた場合、そのイベントにこだわった分析は再現性が低く、今後に活かせる可能性が高いとは言えません。このように分析そのものを目的としない姿勢が大切です。
課題を把握する際のこつは、細かい数字にこだわるというよりは、差異が大きい箇所から「そもそも予算に問題があったのか?」や「予算を達成できなかった理由は何か?」について深掘りし問題点を洗い出していき、会社にとって重要な課題は何かについて優先順位をつけていくことです。KPIが有力なヒントになります。

■課題解決のための打ち手の決定
前ステップで課題を見つけたら、次はその解決のための打ち手の決定になります。多くの課題が出てしまった場合には、全ての課題に対して対策を立てるのは難しいかもしれません。そこで、会社にとって重要な課題から順に手をつけていきましょう。緊急度や重要性、金額インパクトを基準に判断するケースが多いでしょう。この際に、解決しやすい課題から手を付ける、という意思決定をすることもあり得ますが、目先の課題ばかりに手を付けるやり方はあまりお勧めできません。本質的な問題への対処は先送りにすべきではありません。解決する課題が決まったら、対策については、まずはあらゆる視点から多く出していきつつ、1番効果が高いと判断したものに絞って実行することをおすすめします。この時にも打ち手の進捗を計測するKPIを設定しておくことが大切になります。

■PDCAの実施
最後に、課題への対策を実行していきます。せっかく予実管理で課題を洗い出し、対策を考えても実行しなければ意味がありません。全ての対策を実行するのは難しいかもしれませんが、優先順位を決めて対策を実行し、対策を行なった結果を次の月に検証するというサイクルを繰り返すことが大切です。課題を放置したままにすると、時間の経過とともに問題が拡大し、取り返しのつかないことになってしまうこともあるかもしれません。毎月、予実管理を行い、問題点や改善点についてすぐに気がつき、対策を実行することで、すぐに問題を取り除いていくことが大切です。PDCAサイクルを回していく段階です。前ステップで打ち手の進捗を計測するKPIの設定について説明しましたが、PDCAサイクルを有効に機能させるために必要になります。KPIは何か問題が見つかった場合に、何が悪かったのかを見極めえる羅針盤になります。

■まとめ
今回は予実管理のステップの第4ステップから第6ステップまでについて書きました。予実管理のより良い実践に資すれば幸いです。

※にほんブログ村ランキング参加中です!1日1回、皆様の温かいポチをお願いします!

 

にほんブログ村 士業ブログ 中小企業診断士へ にほんブログ村