効果的に部下を育成するには | 『売れプロ!』ブログ -「売れる」「稼げる」中小企業診断士に-

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皆様、こんにちは。売れプロ12期生 中小企業診断士の尾崎友和です。

現代の企業において、マネジャーには様々な問題・課題がのしかかっていますが、中でも最も深刻な問題の一つは「部下が育ちにくいこと」と言われています。では、効果的に部下を育てるにはどうしたらよいか、考えてみたいと思います。

 

1.部下育成の基礎理論

部下育成の基礎理論は、専門的には様々な議論があるようですが、人材開発研究の専門家である立教大学・中原淳教授は、「経験軸」と「ピープル軸」の2つが重要であると述べています。すなわち、業務経験の内容・質と、人の関わりが大きな役割を果たしているということです。以下、詳しく見ていきます。

 

2.経験軸

「経験軸」とは、「部下を育成するためには、実際のリアルな現場での業務経験が最も重要である」という考え方です。では、どのような業務経験が必要なのでしょうか。人の経験を3つに分けますと以下の通りとなります。

 ①「コンフォートゾーンの経験」:現在の能力でできる経験

 ②「ストレッチゾーンの経験」:ちょっと無理をすれば何とかこなせる経験

 ③「パニックゾーンの経験」:難度が高すぎて強い不安やプレッシャーを感じる経験

 

まず、①の「コンフォートゾーンの経験」は、慣れている仕事やプレッシャーの無い業務で、それほど苦労なくできてしまいますので、部下はあまり成長しません。

 

逆に、③の「パニックゾーンの経験」は、失敗するリスクが高く強い不安やプレッシャーを感じるような業務経験で、悪いことばかりが頭をよぎり、本来の能力を発揮できなくなることから、こちらも成長しないようです。

 

そして、②の「ストレッチゾーンの経験」を与えると、多少の不安はあるけれど、それよりもレベルの高い仕事を遂行できるワクワク感や、成長している実感が上回り、頑張ることができますので、成長に繋がっていくようです。つまり、簡単すぎず、難しすぎず、ちょっと背伸びをすればできる業務が人を成長させるということです。

 

3.ピープル軸

続いて「ピープル軸」とは、「人が業務の中で成長するのは、職場の人たちから様々な関わりを得られたときである」という考え方です。職場の中で「人と人との関わりの量」や「人間関係の質」が良ければ良いほど、人は様々な気づきを得て成長するきっかけを持ちます。中原教授の研究によれば、職場で人が育つためには、次の3つの支援が必要とのことです。

 ①「業務支援」:いわゆるOJTの項目、教える、助言すること

 ②「内省支援」:振り返りを促してあげること、客観的な意見を言って、気づかせる

 ③「精神支援」:励まし、褒めること、感情のケアをすること

 

まず、①の「業務支援」とは、専門知識やスキル、情報などを教えることや助言することです。一方的な情報の提示に近い概念です。

 

続いて②の「内省支援」とは、客観的な意見を伝えたり、俯瞰的な視点や新たな視点を提供したりして、本人の気づきを促す支援です。すなわち、上司や同僚から自分の気づかない点や盲点となる指摘を受け、行動や認知の在り方を振り返ることです。

 

そして、③の「精神支援」とは、励ましたり、褒めたりすることで、部下の自己効力感や自尊心を高めることです。

人が育つためには、これら3つの支援を上司や先輩などからバランスよく受けることが大切とのことです。

 

4.まとめ

上記をまとめますと、部下を育成するには「経験軸」と「ピープル軸」の両面から育成環境を整えることが重要で、それはすなわち、部下を「ストレッチゾーン」に入るような業務経験を与え、「業務支援」、「内省支援」、「精神支援」を得られるような育成機会を提供すれば、部下は育つということです。

 

皆様の部下や同僚の育成にお役立ていただければ幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

【参考図書】

「フィードバック入門」中原淳著(PHPビジネス新書)

 

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