何十年たっても覚えている授業 その2(2大政党も説明できる交通論) | 『売れプロ!』ブログ -「売れる」「稼げる」中小企業診断士に-

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みなさん こんにちはあるいはこんばんは。

売れプロ12期生の岡部亮一郎です。
 
私は学生時代に大学で経営学を学んでいました。
学校で受けた授業はほとんど忘れているにもかかわらず、何十年たっても覚えている授業があります。前回(11月)は「ホーソン実験」の話を紹介しました。
今回はその2として「交通論」の授業の話をしたいと思います。

■「交通論」とは
交通論とは、一般的には交通事業の現状を理解して、望ましい交通を作り出すための政策や交通産業の諸要素を学ぶ学問です。
私も、授業を受ける前の「交通論」の印象は、その名前から、自動車の渋滞理論や、宅配便がどのルートを通ると効率がよいかという内容だと思っていました。
実際に授業受けてみるとその予想は覆されて、交通論のモデルを用いたポジショニングとシェア獲得の話でした。

■駅のホーム上の弁当屋モデル
交通論の授業で最も印象に残っているのは「駅のホーム上の弁当屋モデル」です。

駅のホームにある弁当屋さんをイメージしてください。
長い駅のホームに、最初は1軒だけ弁当屋(競合店)があります。


 

あなたは、このホームにどこかの弁当屋を出店して、できるだけ多くの売上(シェア)を獲得したいと考えています。
前提は以下の2つです。
①競合と自社は弁当の品質も値段も同じです。
②ホームのお客様は近い場所のお店で弁当を買います。

まずは、競合店とは程度距離を置いた場所にお店を出してみましょう。

 

すると自社と競合のシェアは、同じくらいです。もちろんこの場所も悪くないのですが、良く前提を思い出してください。
「お客様は近い場所のお店で弁当を買う」のです。するともっとシェアを取れる場所があることに気づきませんか?
そうです、この一直線のホームで、もっともシェアが取れるのは、「競合の隣」なのです。



■2大政党の政策が似てくることも説明できる交通論
授業はここでは終わりません。

教授は「政治の世界もこのモデルで説明できる」と説きました。
政治の世界、とくに2大政党が強い国では、その2つの党の政策や方針がほとんど似てくる状況が起きます。
有権者にとっても見れば、「どっちに投票しても同じじゃないか」となります。
ですが、この2大政党の現象もさきほどの「ホーム上の弁当屋モデル」で説明が付くのです。

仮に、「民主党」「共和党」の2大政党で例え話をします。

左右の位置は「政策」、獲得するのはシェアではなく、「選挙の得票」とします。
最初は「民主党」「共和党」ともその政策には違いがあり、「選挙の得票」も同じくらいです。

 

 

ここで、「共和党」は気づきます。「選挙の得票」を増やすためには、「政策」を左に寄せて、「民主党の隣にすれば良い」と。
その結果、「共和党」は選挙で圧勝します。

 


次の選挙で、「民主党」は巻き返しに動きます。「政策」を右に寄せて、奪われた「選挙の得票」を取り返そうとします。


 

それらが複数回繰り返された結果として、「民主党」と「共和党」は真ん中でくっついて、「政策」はかなり似通ってくるものになるです。


最近色々な国で、政策が極端で奇抜な小さな政党が出てきていますが、これも「ホーム上の弁当屋モデル」で説明が付きます。
小さな政党が、真ん中の2大政党に近い「政策」を掲げると、大政党の政策変更によって、票を奪われてしまいます。
なので、小さな政党は左右どちらかの端に振り切った極端な「政策」掲げて、徐々に支持者を増やしていく戦略を取るのです。


 

 

この「ホーム上の弁当屋モデル」は単純ですが面白いモデルです。
皆さんの仕事や会社の戦略でも、この交通論のモデルで説明ができそうな場面はありませんか?
最後までご拝読ありがとうございました。

 

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