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こんにちは。中小企業診断士兼マーケターの池沢卓浩（いけざわたかひろ）です。
経営資源の限られる中小企業がマーケティング戦略で成果をあげるためには、顧客を深く理解し、顧客に対して的確にアプローチすることが重要です。そのための手法の１つに、ペルソナの作成があります。今回は、ペルソナの作り方とその活用方法について、中小企業診断士兼マーケターの視点から、そのポイントを解説していきます。
ペルソナとは？
ペルソナとは、商品・サービス提供のターゲットとなる顧客を、あたかも実在するような具体的な人物像として描写したものを指します。ペルソナを設定することは、企業が提供する商品・サービスに関するマーケティング戦略を、ターゲットにとって一層魅力的な内容へブラッシュアップすることに役立ちます。具体的には、そのペルソナの視点から「どのようなニーズ・不満を持っているのか」「どのような商品を求めているのか」「どのようにコミュニケーションしたら商品を知ってもらい、興味を持ってもらうことができるのか」「どのように販売したら購入してもらい、リピートさせることができるのか」を考えることが可能となります。また、企業内においては、従業員同士が共通のペルソナを認識することにより、企業内の機能別戦略（商品戦略、コミュニケーション戦略、販売戦略等）のベクトルを統合することが可能になります。ペルソナの構成要素に決まりはありませんが、一般的には、性別・年齢・職業・所得・家族構成といったデモグラフィック情報に加えて、趣味嗜好・価値観・購買時の重視点といった心理や行動特性に関するサイコグラフィック情報を合わせて作成していきます。
ペルソナの作り方
まず最初に、過去から現在までの顧客データや市場調査データを分析しましょう。顧客属性に関するデータを保有していれば、それらを活用し、顧客の性別・年代・職業・所得・家族構成等のデモグラフィック情報に共通の特徴がないかを探します。また、顧客へのインタビューやアンケートも重要です。顧客と直接会話をすることは、属性データからだけでは読み取れない、顧客の趣味嗜好・価値観・購買時の重視点等のサイコグラフィック情報に関する深い洞察を得ることに役立ちます。これらの顧客データやインタビューで得た情報は、ペルソナを作成する上での材料となります。
顧客データやインタビューから得た情報を整理した後は、これらの情報を組み合わせて、具体的な人物像を描写していきます。性年代、職業、趣味、家族構成、趣味嗜好、価値観等、細かな情報を組み合わせてペルソナを作り上げます。作成したペルソナには、名前と外見イメージを与えることをおすすめします。これにより、ペルソナが抽象的なものではなく、リアルで具体的な存在として捉えやすくなります。
活用のポイント
作成したペルソナに基づき、具体化した顧客層に重点を置いた一貫性あるマーケティング活動を行います。
１．商品・サービスの開発
ペルソナのニーズに基づいて、商品・サービスを開発します。ペルソナのニーズに対して最適であるように開発された商品・サービスの市場投入は、ペルソナに近い顧客層からの支持を獲得し、牽いては商品・サービスの競争力を高めることに繋がります。
２．コミュニケーション戦略
ペルソナに合わせてコミュニケーション戦略を構築します。どういったメッセージを用いるか、どういった媒体で伝えるか等、ペルソナにとってコミュニケーション最適化を図ることで、その効果を最大化・効率化することが可能です。
３．販売戦略
ペルソナに合わせて販路を構築し、ペルソナにとって魅力的な販促施策を行います。ペルソナはこの商品・サービスをどこで購入するのか、どういった販促施策があると購買を後押しされるのかを考え、実行することにより、狙った顧客層に対して商品・サービスを販売することが可能となります。
以上、ペルソナの作り方と活用のポイントについてまとめました。ペルソナの作成は、顧客との深い関係を築くための重要なステップです。顧客の個別のニーズや期待に焦点を当て、それに基づいた効果的なマーケティング戦略を展開することは、経営資源が限られる中小企業の成功に対して大いに貢献すると考えます。是非、ペルソナの作成と活用を通じて、顧客との絆を深め、事業の発展につなげていきましょう。
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