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こんにちは。売れプロ12期生の飯野裕司です。
本日は「行動経済学」を紹介致します。
「経済学」と聞くと難しそうな印象を受けるかもしれませんが、行動経済学はこれまでの伝統的な経済学に「心理学」を足し合わせた、比較的新しい学問です。
実はこの行動経済学はグーグルやアマゾンなどの世界的企業も注目しており、多くの企業が「行動経済学チーム」を設立するなどして、自社のビジネスに取り入れ始めています。
その理由が何なのか、具体例も用いながら解説致します。
1.なぜ多くの企業が行動経済学を取り入れているのか
自社がBtoB企業であれ、BtoC企業であれ、自社で働く社員や顧客は全員「人間」です。
そして、経済活動とは「人間の行動」の積み重ねによって成り立つものであり、「人間の行動」を理解することはビジネスの成功にも直結します。
分かりやすい人間の行動例として、「極端の回避」というものがあります。
例えば、自社が飲食店を経営している場合、単価の安いAランチと単価の高いBランチを提供していて、なかなかBランチの売上が伸びない時に、簡単にBランチの売上を上げる方法があることをご存知でしょうか。
それは、「Bランチより単価の高いCランチをメニューに加えること(ABCの3択にすること)」です。
実は人間の心理として、2択の場合にはどちらにするか迷う人が多いものの、「3択になると真ん中の選択肢を選びやすい」という傾向があります。
鰻重のメニュー等を「松竹梅」にする店が多いのは、こうした理由からです。
真ん中の選択肢に「利益率の高い商品(売りたい商品)」を置くことで、簡単に利益率の向上を図ることが出来るのです。
このような「人がどのように考え、行動するのか」を、「実験で証明された人間のセオリー」として理論化したものが行動経済学であり、世界の名だたる企業が取り入れている理由が分かるのではないでしょうか。
2.行動経済学の代表的な理論
(1)プロスペクト理論
行動経済学にはノーベル経済学賞を受賞している研究結果が複数あり、その1つがダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーが提唱した「プロスペクト理論」です。
この理論は「損失回避性」とも言われ、「人は損失(リスク)を過大に評価する傾向がある」というものです。
例えば、①絶対に100万円がもらえる権利と、②50%の確率で200万円がもらえる権利、のどちらかが手に入るとしたら、多くの人は①を選択します。
どちらも期待値は同じ100万円ですが、「もらえる金額が0円になるリスク」を回避する人が多いためです。
この理論をビジネスに活用する場合、例えば、売りたい商品に「残りわずか」といった表示をすることで、来店客に「今の機会を逃したら、買えなくなるかもしれない」というリスクを感じさせることによって、購買促進を図ることが出来ます。
(2)ナッジ理論
同じくノーベル経済学賞を受賞した理論に、リチャード・セイラーが提唱した「ナッジ理論」があります。
「ナッジ」とは「ヒジで軽く小突くように、自発的に望ましい行動を選択するように促す」という意味です。
例えば、スーパーやコンビニのレジ前の床には、整列用のマークがある場合が多いです。多くの人が無意識にこのマークに沿って並ぶことで、適切な間隔で並ぶように誘導されています。
この理論をビジネスに活用している例として、「デフォルト(初期設定)を変える」というものがあります。
例えば、オンラインショッピングを利用した場合、購入時に「メルマガを受信する」という選択肢に最初からチェックが入っていて、メルマガを受信したくないと思えば、チェックを外す必要があるケースがあります。
これは「人間は情報や選択肢が多いと、あまり深く考えない」という心理的傾向から、サイト側が選ばせたい「メルマガを受信する」という設定をデフォルトにして、顧客を誘導している事例です。
このように、我々の周りには、知らず知らずの内に心を掴まれ、誘導されている事例が多数あります。
行動経済学は、こうした身近な事例を用いながら、「どうすれば顧客の心を掴むことが出来るか」ということを楽しみながら学ぶことが出来るので、ぜひ書籍などで学んでみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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