売れプロ5期生の松岡信也です。
前回に引き続き、プロジェクトマネジメントの話題です。
今回はその中でも「スコープマネジメント」についてお話しします。
1.スコープとは
そもそもスコープとは何でしょうか?
イメージで言うと、範囲、対象、契約範囲、作業範囲のような意味となります。
プロジェクト推進上では、非常に重要な要素です。
私がビジネスで初めてスコープという言葉を聞いたのは、2000年代になってからです。
付き合いのあった外資系ソフトベンダーの方が、契約交渉時にスコープという言葉を頻繁に使っていました。
日本にPMBOKガイドが普及し始めた頃から、日本でもスコープという言葉が普通に使われるようになりました。
2.WBSとは
スコープマネジメントの中に、WBS(Work Breakdown Structure)という考え方があります。
作業を分解して列挙し、抜け漏れをなくし、WBSごとに役割分担を明確にする手法です。
なお、「S」は「Structure」の頭文字なので、階層化構造になっている必要があります。
WBSが計画時にしっかりできているプロジェクトは、成功する確率が高いと言えます。
3.スコープ+リスクマネジメントの事例
スコープに関連した私のマネジメント事例を紹介します。
プロジェクト開始前(商談時)に、ITシステム構築の提案書をお客様に提出します。
プロジェクト開始後に、要件定義、基本設計と工程が進むうちに、当初提案した要件(内容、スコープ)が変わっていくことがよくあります。
途中の成果物である要件定義書や基本設計書でスコープを合意すれば、普通は問題ありません。
ところが、ある厳しいお客様を担当している際に、お客様トップより「提案書に書かれていることを実現してもらわないと困る」というクレームを受けたことがあります。
それ以来、私は一度提出した提案書の内容(スコープ)が変わるたびに、プロジェクト開始後にも関わらず提案書を必ず改版し、お客様と合意することを習慣づけています。
やり過ぎかもしれませんが、スコープの定義やスコープの変更に細心の注意を払うことが、プロジェクトマネージャに求められるスキルのひとつだと信じています。
今日はこのあたりで。
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