一疋の青猫 -89ページ目

「エビータ」初日


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東京・自由劇場 「 エビータ 」初日観劇


初日は マチネのみの 一回公演

週末 降り続いた雨に 傘を差しての入場も

終演後 劇場を出た時には 青空が広がっていた

* * *

アルゼンチンの 伝説的女性 エヴァ・ペロンの

短かくも 激しい 半生を描いた この作品

病に斃れる晩年はともかく

全編を通して 演じる役者「自身」の「老い」を

感じさせられた舞台であった ・・・声が出ない

舞台には 当たり役なんてこともあり 芝居の内容によっては

役者が齢を重ねる事で 役に深みが出ることもあるだろう

しかし ミュージカルで 声が出ないというのは

残酷な観客の 視線ではなくとも 痛々しくある

再演が多く 再見の機会も多い ミュージカルは

過去の自分との 比較も余儀なくされる

ある意味 まさに 舞台 ならでは

生身の身体を 見せられるのだ

* * *

作品自体は 元々大好きで

やはり ウェバーの曲は 素晴らしいと思う

人気が出れば 期間延長 外れれば 公演中止

ミュージカルならではの 興行形式 役者の交代も 楽しみの内

・・・そうやって観るものかもしれないが

今回 四季には 珍しく ダブル・キャストの スケジュールが公開されている

役者の出来を 把握しての事かも知れない

思いがけないと言うか やはり と言うか

一回性 そして 生身の身体で構成されるのが 舞台

これが 舞台なのだとも 感じさせられた

* * *

とある 舞台演出家の 言葉を


舞台芸術は、その表現の生命を、生成と同時に消滅していくところにおいている。またその素材を、生きた人間とするところで成り立たせる。いわばわれわれの生の〈宇宙=永遠〉の中の〈一瞬〉に対する抗いを基底とした表現形式ではないだろうか。

それによって何を得ようとするのか。若干の気おくれが働くが、それは〈存在の味〉だと私は答えようとしている。

* * *

存在の味

舞台の森をさ迷って

手にした果実は 時に酸っぱく 時に熟れすぎている

めぐり合わせでもある

けれど

嗅覚と味覚を 鍛えておくことは

きっと 大事だろう

* * *

水たまりを 避けながら 帰り道

気持ちは とても 軽かった

それは もちろん

雨が上がっていたから だけでは無い

やはり

歌は いいものだと 感じるのです






「 EVITA - Buenos Aires 」  Patti LuPone















ミライノスガタ


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こんな風景を眺めると


なぜだか 懐かしさのような 感情が沸く


壁の色は落ち 木材は朽ち果て 金属も錆びを浮かべている


足元を雑草が覆い 壁を蔓が這い登り 木々は解き放たれた


そして 廃屋や より人工的な建物


コンクリート造のビルなどであれば なお一層だが


古びた 無機質な建造物に 自然が絡みついてゆく様は


ひとつの未来の 世界の姿を のぞき見るようでもある


終末戦争後 カタストロフィー後の 世界


文明が滅びた後 その がれきを緑が覆い 新しい世界の 再生を告げる


誰も知りえぬ 未来ではあるが そんな 何かが 「終わったあとの世界」


こういう 「世界観」に 私たちは わりと昔から 慣れ親しんできたように思う


思えば 子供の頃から 特にマニアック と言う訳でなくとも


マンガやテレビアニメ 本 映画の中では


そんな 未来像の方が むしろ ごく 当たり前だったような気もする


宮崎駿のアニメ 漂流教室 猿の惑星・・・


未来人は 汚染物質により容姿が変わっていたり 猿の奴隷になったりしてたけど(笑)


そこは 暗く 悲惨で 破滅的なばかりでは無く


どこか ユートピア的な 明るい未来像としても 描かれていた


高度な巨大文明技術を失い 人間が減り(!) 自然と調和した世界


未来を想像することが 希望を 語るものだとすれば


現在の社会の 陸続きの延長線上によりも


一旦 すべてを壊し すべてを失ってしまった方が


「希望の未来」に リアリティがある ということか




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そんな 妄想交じりに 眺めていた廃屋に


寄り添うように伸びて そして その背丈は 屋根をも越した 一本の木


よくよく見れば 「カポック」の名で 売られている 観葉植物


今ではありふれて 観賞樹としては あまり気の利いた 樹種とも言えないが


あまりの大きさ 立派さに それとは 気が付かなかった


その高さは ゆうに5メートルを超えているだろう


自然は逞しく 終末戦争も サードインパクト(笑)も 関係なく


生命の樹を 伸ばしておりました^^


みなさんは どんな未来を 想像しますか?



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「 未来は霧の中に 」  松任谷由実

※ 私は13 初恋失くして もう 恋はみんな同じ・・・


あわくしろくかがやく


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色が 消え去ったあと


明暗と


濃淡で


現れた世界は


目の前を往く 臆病な猫の仕業


柔かく 前足が 床に触れ


音も無く


跳ねて


黄昏の 扉の隙間の向こうへ 隠れてしまうと


闇の分だけ


残された光が まぶしく 浮かび上がる


繊細に


けれど


ふくよかに






「 全て光 」  TOKYO No.1 SOUL SET + 原田郁子