「エビータ」初日

東京・自由劇場 「 エビータ 」初日観劇
初日は マチネのみの 一回公演
週末 降り続いた雨に 傘を差しての入場も
終演後 劇場を出た時には 青空が広がっていた
* * *
アルゼンチンの 伝説的女性 エヴァ・ペロンの
短かくも 激しい 半生を描いた この作品
病に斃れる晩年はともかく
全編を通して 演じる役者「自身」の「老い」を
感じさせられた舞台であった ・・・声が出ない
舞台には 当たり役なんてこともあり 芝居の内容によっては
役者が齢を重ねる事で 役に深みが出ることもあるだろう
しかし ミュージカルで 声が出ないというのは
残酷な観客の 視線ではなくとも 痛々しくある
再演が多く 再見の機会も多い ミュージカルは
過去の自分との 比較も余儀なくされる
ある意味 まさに 舞台 ならでは
生身の身体を 見せられるのだ
* * *
作品自体は 元々大好きで
やはり ウェバーの曲は 素晴らしいと思う
人気が出れば 期間延長 外れれば 公演中止
ミュージカルならではの 興行形式 役者の交代も 楽しみの内
・・・そうやって観るものかもしれないが
今回 四季には 珍しく ダブル・キャストの スケジュールが公開されている
役者の出来を 把握しての事かも知れない
思いがけないと言うか やはり と言うか
一回性 そして 生身の身体で構成されるのが 舞台
これが 舞台なのだとも 感じさせられた
* * *
とある 舞台演出家の 言葉を
舞台芸術は、その表現の生命を、生成と同時に消滅していくところにおいている。またその素材を、生きた人間とするところで成り立たせる。いわばわれわれの生の〈宇宙=永遠〉の中の〈一瞬〉に対する抗いを基底とした表現形式ではないだろうか。
それによって何を得ようとするのか。若干の気おくれが働くが、それは〈存在の味〉だと私は答えようとしている。
* * *
存在の味
舞台の森をさ迷って
手にした果実は 時に酸っぱく 時に熟れすぎている
めぐり合わせでもある
けれど
嗅覚と味覚を 鍛えておくことは
きっと 大事だろう
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水たまりを 避けながら 帰り道
気持ちは とても 軽かった
それは もちろん
雨が上がっていたから だけでは無い
やはり
歌は いいものだと 感じるのです
「 EVITA - Buenos Aires 」 Patti LuPone