一疋の青猫 -52ページ目

秋の日はうすくして


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秋の日は うすくして

衣に透けり

秋の日は

みえざるごとく とほくして

思ひのかげを うごかせり


( 「秋の日はうすくして」 大手拓次 )



* * *


穏やかでやわらかな秋の日は

むしろ それ故に

いつの間にか 心の襞までも

沁み込むように 射し込むのかも知れません

ふと

気付けば

秋の只中に その身あるように




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春の愁い 秋にもの思う悲しみ

穏やかで美しい季節が廻ったと言うのに

ひとは 何ゆえ 思い煩うのでしょうね


春愁秋思


大手拓次の詩に ふと思い浮かんだ この言葉は

白居易の漢詩「陵園妾」をその出自としています



* * *


  「陵園妾」     「陵園の妾」

  憐幽閉也      幽閉を憐れむなり

  顔色如花命如葉  顔色は花の如く 命は葉の如し
  命如葉薄將奈何  命は葉の如く薄し 将に奈何せん
  一奉寢宮年月多  一たび寝宮に奉じてより年月多し
  春愁秋思知何限  春愁秋思 知らず何の限りぞ
  靑絲髮落叢鬢疎  青糸の髪は落ちて叢鬢疎らに
  紅玉膚銷繋裙縵  紅玉の膚は銷きえて繋裙縵し
  憶昔宮中被妬猜  憶ふ昔 宮中に妬猜せられ
  因讒得罪配陵來  讒に因つて罪を得え 陵に配せられ来りしを
  老母啼呼趁車別  老母は啼呼して車を趁ひて別れ
  中官監送鏁門迴  中官は監送して門を鏁じて迴る



大意としては

その美しさ故か 嫉妬から讒言(悪意をもって告げ口されること)され

宮中に幽閉されることとなった宮女の悲歎が歌われています

春の愁い 秋の悲しみに どれほど暮れたことであろうか と

*

「春愁」と「秋思」

合わせて 今では

いつも どこか 心に巣食い続ける 悲しみや悩みの意にも・・・




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先日


訪れた 山下公園は

海からの風が冷たいほどで

目の前の台船に載せられたクレーンは

週末に迫ったトライアスロン大会の準備のようでした



ずっと


海を見つめている

赤い靴の女の子は

前日の雨のせいか

抱えた両手いっぱいに 水を湛えていました







誰でしょう


どんぐりみっつ と 鍵いっぽん






「 秋の気配 」  オフコース

※去年の秋に続いて・・・二度目になりますが





※漢詩の白文及び書き下し文は、水垣久氏「雁の玉梓」より転載させて頂きました。





秋ですからね。


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夏 と 秋



すれ違う空

その向こうは やっぱり 青くて・・・



*  *  *



最近


一部のご親切な方から


「なにか辛いことがあるのか」

「失恋でもしたのか」


といった

ご心配の言葉を頂戴しております

ありがとうございます


けれども元来

人生とは辛く厳しいものであり

男とは重き荷を背負うて

ひとり耐えねばならぬ

孤独な存在と心得ておりますので

当たり前のことと


ましてや

オンナなど








いえいえ


今は

そんな

強がりもやめておきましょう

舞い散る木の葉にも

ナミダすることが許された



それが



秋ですからね





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もしも





この時

この傍らに

愛する人が共にいたならば

その手を握りしめ 奪い去って

南回りの外国航路の客船で旅立つでしょう



もしも



不幸にして

その船が氷山にぶつかってしまい

氷の海へと投げ出されることとなったなら

私は手際よく浮かんでいる木片か何かを見つけて

彼女を乗っけるでしょう



そして



凍える彼女を励まし勇気づけ

氷川丸にしておけばよかったなどとの 後悔は微塵も見せず

その手を取って

出会えたことに 感謝の言葉を述べるでしょう



やがて



いよいよ

その時となったら

静かに眼を閉じて

愛に抱かれながら

私は深い海へと沈んでゆくでしょう







ああ


妄想に涙



*



もし みなさんが

救命ボートに乗っていたなら

ひと言

「 助けに行こうよ 」



言って下さいね^^


*


今日は 何故か いつの間にか タイタニック


*


悲しい時は 悲しいだけ 悲しんでみる


もう


秋ですからね







「 TITANIC 」


Winning that ticket was the best thing
that ever happened to me
It brought me to you.
And I'm thankful for that, Rose.
I'm thankful.

船の切符は僕の人生で最高の贈り物だった
君に会えたからね
今も感謝でいっぱいだ
ほんとだよ




「 Il Mio Cuore Va 」  Sarah Brightman



雨の夜に


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「 一雨毎に秋になるのだ 」


もしも


この雨が


*


永遠に 降り続くのだとしたら


最期に見た あの お天気の空を


閉じた瞼に 隅々まで描きたい


忘れないように




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夜半に目覚めても 雨音はそのままで


仄暗い空は 切れかけた蛍光灯のように


時折 瞬いては 木々の影を映した


*


寝返りを打てば 頬に冷たく 心地よくて


時化た夜の海で 揺れる小舟のよう


再び 目を閉じれば 深く 静かに


海に溶ける雨粒のように






「 Beautiful Love 」   Sophie Milman