バレエ・リュス~その魅力のすべて

「Viet Nam からやって来た彼女とは十年来の付き合い」
バレエ・リュス (Ballets Russes) は 「ロシアのバレエ団」の意
「良き時代」を意味するベル・エポックの頃
1910年代 華やかなりしパリに「奇跡的に」存在したバレエ団
何が奇跡的であるのか?
芳賀直子著 『バレエ・リュス その魅力のすべて』(国書刊行会)の書き出しはこうだ
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飛んだまま降りて来なかったといわれる跳躍力のニジンスキーが舞い、ピカソ、ローランサンが美術、コクトーが台本、シャネルが衣装をデザイン制作、ストラヴィンスキー、サティが新曲を書き下したバレエ団、バレエ・リュス。
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こんな風に書かれては 続きを期待して読まない訳にはいかない(笑)
19世紀末から20世紀初頭 世界的なアートの中心地であったフランスならではの絢爛さ
もし その場にいて 劇場の開幕ベルを聞いたなら・・・
そんなことを想像するだけでも深い妄想の世界へとダイヴできそうです(笑)

「ひょっとして、その背中・・・」
綺羅星の如きスタッフやダンサーも「奇跡的」な訳ですが
カンパニー自体の成り立ちも当時としては特殊なものであったようだ
セルジュ・ディアギレフという一個人によって率いられた点もそう
それ故の資金的な不安定等もあったが 縛られず 独立・独創的な作品造りに繋がったとも
確かに その作品は 現在のモダン・バレエの源流を形作るものであった
*
ただ いつも思うことながら
他のアートが 文学であれ 音楽 絵画であれ その作品が生まれた形で
もしくは それに近い形で 今も触れられるものも少なくないのに比べて
舞台芸術 特に作品と肉体とが不即不離のバレエや舞踏などは
仕方の無いこととは言え 「果敢ないもの」であると つくづく思う
肉体をもって描かれたものは 肉体とともに滅んでゆく
それゆえに 希少で美しいとも 言えるのでしょうけれど
その点からも 「バレエ・リュス」の存在を身近に知る 感じる機会は少なかったのですが
本書によって 細かな事実はどうあれ 当時の様子を想像するカギを得られたような
読み物としても面白く書かれており この年代の風俗・アートにご興味のある方にもお勧めです

「舞台写真 衣装などの挿絵も豊富です」
人物的にも かなり面白いディアギレフのエピソードを少し紹介すると・・・
ディアギレフは芸術において常に一流 最高のものを求めたためいつも貧乏
それでも どんなにリハーサルが押して時間が無くても 公演前にはホテルで着替え
タキシード 胸にはペチュニアやカーネーションの花を挿して登場
香水はゲランのミツコを愛用 恋人はバレエ団のスター・ダンサー(同性ねw)
そして 恋人との別れとともに バレエ団の主役も変わっていったそうな(笑)
これは今でも 現代の劇団なんかでもありますけどね
飛んで落ちて来なかった伝説のワツラフ・ニジンスキーも 別の女性と結婚してクビに^^
それでも ディアギレフは「天才を集める天才」でバレエ団を盛り立てたといいます
そして バレエ団は第一次大戦の荒波は乗り越えたものの
1929年のディアギレフの死後 ほどなくして20年の歴史を閉じるのです
本書には
「バレエ・リュス」は
「ディアギレフという個人によってのみ存続可能で」「誰一人その跡を継げなかった」
そう 記されています

「見ちゃダメ」
そう 前かがみのワケは ホックが外れていたんですね なかなかセクシーな彼女です^^
ちなみに ニジンスキーの名前は バレエに少し興味のある方ならご存知でしょう
しかし バレエに関心が無くても 競馬好きの方は耳にしたことがあるかも知れません
競馬はロマン^^ 血脈のゲームでもありますが
20世紀において まさに世紀を代表する「ノーザンダンサー」と言う傑出した種牡馬がいました
その産駒成績は圧倒的で その子・孫がまた 競走馬のみならず種牡馬としても成功して
そのため 「ノーザンダンサー“系”」 と呼ばれる一大血脈になりました
日本にもその産駒 「ノーザンテースト」が輸入され大成功を収めています
輸入元の社台ファームはこれで一大スタリオンとなりました その後はサンデーも当てて(笑)
そういったことから 「ノーザンダンサー」の名前からの想起 イメージされて
その子供たちには バレエ 舞踏手 劇場名 などに因んだ名前が多い という訳なのです
ワツラフ・ニジンスキーもそう 他にも リファール ヌレイエフ
サドラーズウェルズ(劇場) ダンシングブレーヴ フェアリーキング なんて馬名も
血とともに名前も流れてゆく 興味深いものです
日本の場合は命名に際して 安易な馬主の冠号(屋号のようなもの)付加や
規則による文字数制限などが その興味を削いでしまっているように感じられて残念です
確かドイツでは母親の名前の頭文字を引き継ぐというルールがあったような
と
何の話かわからなくなったところで おしまいです^^
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「大雪になる」 なんて言われたから なんだかお休み気分
でも 休みじゃないんですよね~(泣) しかも雨・・・か?
Nijinsky 1912-L'Après-midi d'un Faune (ニジンスキー「牧神の午後」)
憲法改正~船はいずこへ

Jack より King を望む
凝った造りの窓は
十字架のようであり羅針盤のようにも見え
横浜 「開港記念館」 にて
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来たる7月の参院選挙で衆院選のような与党(+維新?)大勝となれば
自民党の「党是」である「憲法改正」も現実味を帯びてくるだろう
現在 自民党から出されている憲法改正草案(全文PDF Q&APDF)は 非常に問題点が多いと考える
それは国防軍創設や九条二項の削除など比較的語られているもののみならず
基本的人権に関する規定や表現の自由 公共の福祉の概念にも及ぶ
憲法改正や国防軍の創設への賛否に関わらず
この草案は 誰しもが選挙前に必ず目を通しておくべきものだと思います
↓こちらのサイトで 現行の条文と自民党案を見比べながらご覧いただけます
自民党 日本国憲法改正草案対照表 2012版
法律の条文など難しいばかりでつまんない・・・などと仰らずに ぜひ^^
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まずはご覧いただくことが何よりだと思いますが 私の感じるところを少しだけ
例えば 現行の「日本国憲法 前文」には以下のような文章があります
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に 除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
完全には重なりませんが これに当たる部分を自民党案から抜き出すと
我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する。
日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。
我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、ここに、この憲法を制定する。
上記リンクの草案Q&Aには 今回の草案のポイントとして
「日本にふさわしい憲法改正草案とするため、翻訳調の言い回しや天賦人権説に基づく規定振りを全面的に見直しました。」
と記されてあります(天賦人権説云々 まあ堂々とこの文章載せちゃうのもビックリですが)
私には「翻訳調」以前に 目指すべき理念が内向き・懐古的で矮小なものになった印象を受けます
「気概を持って」などの表現も憲法前文には大変違和感を感じます
「世界」を語らず 「経済成長」を語るのは 黄昏た国の「現実」指向といったところでしょうか
しかし 憲法とは国の目指すべき崇高な理念が自由・平等・平和とともに語られるべきものです
国の形 未来の礎となるのがが憲法だとするならば 私たちは今その方向性を問われています
その選択によって 得られるもの 失うもの ・・・
現行憲法 第十章は 「最高法規」について書かれています その第九十七条
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
自民党草案ではこの条項全文が削除されています
第十二条にある通り
「自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。」のです
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また自民党草案では 実際の改正手続きの要件も変えようとしています
「憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成」 が必要な現行規定を
「過半数」での議決と引き下げた上で
「この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。」
と定められた国民投票の規定を
「有効投票の過半数の賛成」 に変えています
これが何を意味するのか?
「過半数」の定義には諸説ありますが「有効投票の」と明記されれば
「反対」の意思表示としての 「棄権」や「白票」 すらあり得なくなると言うこと
単に権利を 「棄てる」 ことにしかならないのです
先の衆院選のように 投票率が下がればどうなるかは・・・
法案を通し易くする工夫より 投票率を上げる努力が先だと思いますけどね
でも
じわり じわり と 来ますね
もう今や 「無関心」でいたり「あきらめ」ている場合でも無いのです
これら以外にも問題箇所は山積みです
さあ 草案読んで 選挙に備えましょう(笑)
「 Virtual Insanity 」 Jamiroquai
* Of this virtual insanity, we're livin in. Has got to change, yeah Things, will never be the same.
