品川猿の告白 ~村上春樹「一人称単数」より~ | こひなたブログ

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言葉でしか伝えられないことがある。言葉では伝えられないことがある。その両方を大切にしていきたい。

こんにちは。毎日危険な暑さが続きますね💦

 

美容院で初めて縮毛矯正してきました。

(毎日汗だくで駅に着く頃には爆発してるので)

 

私の場合、自宅でも職場(←じゃ読めないけど)でもない

3rd place で読書をするのが好きです。

そんな、髪のくせ毛が真っ直ぐになる間、読んだ一節。

素敵だったのでご紹介させてください。

 

品川猿の告白です。

 

「私は考えるのですが、愛と言うのは、我々がこうして生き続けていくために欠かすことのできない燃料であります。

その愛はいつか終わるかもしれません。あるいはうまく結実しないかもしれません。

しかしたとえ愛は消えても、愛がかなわなくても、

自分が誰かを愛した、確かに恋したという記憶をそのまま抱き続けることはできます。

それもまた、我々にとっての貴重な熱源となります。

もしそのような熱源を持たなければ、

人の心は―そしてまた猿の心も―

酷寒の不毛の荒野となり果ててしまうでしょう。

その大地には日がな陽光も差さず、安寧という草花も、希望という樹木も育ちはしないでしょう。」