3日前のわんこ咬傷（こうしょう）事故。一番深手を負った少年のご両親と電話で話しました。
少ししんどい内容です。争いが苦手な方は読まない方が良いかもしれません。
お母さんは無難な話をされるのですが、途中で交代したお父さんはやや攻め（責め）気味。前回のモンスターおばちゃんもそうだったけど、「細かい経緯とかはええのよ」というスタンス。なので事故発生の状況にも原因にも無頓着。「うちの息子が、あんたの犬に咬まれた」という一点に集中して攻めてくる。
そういう作戦なのか？
更に「子供達が色んな悪さをするというのは良くあることだと理解している」と言う。話の雰囲気から「子供達の悪さをお咎めするのはナンセンスだ」と流してしまうつもりらしい。「犬が咬むのも良くある話」とのことだが、これに関しては飼い主が補償のみならず示談金も払うのが当然と思っているらしい。
面倒くさい方のパターンだ。治療費の窓口負担分は僕が自腹で補償すると約束したのだが、「それだけ？」としつこく何度も質問してくる。
「それだけ？ とはどう意味ですか？」
と尋ねると「治療実費を払って本件を全て終わらせるつもりか？」と聞いてきたので「はい。そのつもりです」と答えた。「示談金とか払うつもりはないのか？」と尋ねられ「示談金については考えておりません」と答えた。
「そしたら、今後は警察を交えて話をすることになるね」と啖呵を切られた。要するに示談金要求を飲まないと被害届を提出するぞ、そしたらお前は犯罪者（正確には事故加害者）として警察の尋問を受けることになるぞ、という脅しだ。
こういった、「警察を呼ぶぞ」という脅迫が20-30年くらい前に流行ったので、警察は利用されない為に「民事不介入」の鉄則を貫いている。
但し飼い犬が人を咬んだ場合（今回のように意図的でもなければうっかりミスでもない場合）は過失傷害罪（刑法第209条１項。1000円～30万円以下の罰金刑・科料）の刑事責任が問われることになる。刑事事件ならば警察の所管だ。示談金に応じなかった（治療費は支払った）場合の被害届は受理・執行されるのだろうか？
僕は静かに回答した。「警察にご相談なさるのであれば、それに応じて真摯に対応致します。あなたは現場も見てないし事故の経緯もどうでも良いと仰っていますが、既に警察は経緯を含めて全て把握されています」「私としては今回の件についてはまだモヤモヤしたものを感じておりまして、しかしお子さん達の将来も考えて、もし親御さん達が子供達を教育指導していただけるということならばそこに期待し、コトを大袈裟にはしたくなかったのですが、親御さんに期待出来ないのであれば止むを得ず、公的機関による指導監督などの道を模索せざるを得ず、誠に残念ですがその相談に行くことになります。そんなモヤモヤを抱えています。」
この説明だけで僕から警察に被害届を出すことは伝わっただろう。どの条文を持ち出すかは伝えていない。量刑の部分だけ抜粋すると「五十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」となる。
※ちなみに動物愛護法第四十四条第2頂ではありません。その場合は一年以下の懲役又は百万円以下の罰金なんだけど。
少年の場合は家庭裁判所を経て児童相談所の管理下に置かれることになる。ある時は在宅管理、ある時は施設内管理。
もし親御さんが激昂して「ちゃんと（被害者側が提示した）示談金要求に応じないと、お前の生活が無茶苦茶になるぞ」と発言した場合は、この親御さんには更に刑法222条における脅迫罪（2年以下の懲役または30万円以下の罰金）。更に害悪の告知によって無理やり（僕の被害届に対して）示談を成立させ（て被害届を取り下げさせ）ようとした場合は上記の脅迫罪は強要罪（3年以下の懲役）に変わります（刑法233条）。強要罪には罰金はありません。お父さんは即ブタ箱行きね。
2つの被害届を調査して、お互いに示談に至らなかった場合は（僕も罰を受けるが）相手側へのダメージが遥かに大きい。（罰金以上の刑を受けた者はその旨を履歴書等に掲載しなければならない）
法と『良心』によって罪を判断出来るのは裁判官と検察官（不起訴にする権限を持っている）だけだ、残りの公権力は行政訴訟法によって「決められた法令に従う」ことだけが強く求められている。
僕ね、法律論争で目くじらを立てるのは大嫌いです。何よりも平穏な日々を早く取り戻してウツの療養とボランティアに戻りたい。
親（保護者）がきちんと子供を叱ってくれればそれで丸く収めたかったのですよ。ところが治療実費を超えて示談金（いわゆる迷惑料）を親が請求して来るのって、それが正しいのかどうか確かめたいです。
僕の方が迷惑を受けたんですけど(´・ω・｀)。
ボランティア活動を全否定されたままだし。
そして、モンスター達の言い分が正義ならば、この少年達の迷惑行為にお墨付きを与えることになってしまい、今後別の市民が同様の事故・事件に巻き込まれてしまう。