会計事務所の一日 -17ページ目

「会計処理の方法」は、一定の基準に基づいたものである必要があります。


この「一定の基準」がなければ、「会計処理の方法」が正しかったのかどうかの検証ができません。


結果として作成される「財務諸表等が適正であること」を担保することもできません。


この基準を「会計基準」と呼んでいます。


通常、会計処理は「企業会計原則」に基づいて行われます

もちろん、一定部分について法律の規定はありますが、この原則に基づく部分が大きいのが現状です。


「企業会計原則」とは、一般に公正妥当と認められる会計処理の方法を集約したものです。

現在では、空文化している部分が多いという指摘もあります。


しかしながら、「会計基準」の重要性については疑う余地はありません。


以前登場した「中小企業の会計に関する指針」も、「会計基準」に他なりません












「会計処理の方法により、財務諸表は変わる」というテーマの続きです。


今回は、費用=経費についてです。


「会社計算規則」に、「償却すべき資産については、(中略)相当の償却をしなければならない。」という規定があります。


ここでは、どのように償却をすればよいのかについては規定していません

「相当」であれば良いわけです。「相当」とは、「適正」という意味です。


償却すべき資産の代表的なものに、減価償却資産があります。

減価償却資産とは、建物、機械装置、車両運搬具、工具、器具備品などです。


どのように減価償却をするのかについては、二つのことが問題になります。

第一点は、償却の方法です。

定額法なのか、定率法なのか、その他の方法なのかを選択することになります。

もう一点は、何年にわたって償却するのかという償却期間の問題です。

この償却の期間を耐用年数といったりもします。


この償却の方法や償却期間は、会社が適切と思う方法を選定することになります。


ちなみに、税法では「法定耐用年数」というものを設けているとともに、償却方法についても規定しています。

ただし、ここでは税法の問題は無視して進めます。


例えば、A社とB社がそれぞれ300万円の備品を取得したとします。


償却の方法は両社とも定額法を選定しました。

ただし、A社は、償却期間を3年、B社は償却期間を5年とした場合です。


A社のケースはこうなります。

減価償却費は300万円÷3年=100万と計算され、損益計算書に減価償却費100万円が計上されます。

貸借対照表には、器具が200万円(=300万円-100万円)計上されることになります。


一方、B社のケースはこうなります。

減価償却費は300万円÷5年=60万円と計算され、損益計算書に減価償却費60万円が計上されます。

貸借対照表には、器具が240万円(=300万円-60万円)計上されることになります。


どちらかが正しくて、どちらかが間違った「会計処理」を行っているということにはなりません。


A社は耐用年数を3年、B社は耐用年数を5年と見積もったわけです。

合理的な基準で見積もったのであり、それぞれの会社にとって「適正」であれば問題はありません。


非常に単純な例ですが、「会計処理の方法」により財務諸表は、異なってきます。

しかも、いずれも適正な財務諸表です。


一点付け加えておきます。

「それぞれの財務諸表が適正である」ということを、どう担保するのかという問題は残ります。

つまり、「会計処理の方法が適正だったのかどうか」という問題です。




「どんな会計処理を行うかにより、財務諸表は変わる」というテーマの続きです。


「どんな会計処理を行うか」を「会計処理の方法」と言い換えました。

今後は、「会計処理の方法」という用語を用いることにします。


この「会計処理の方法」にはルールがあることについて、前回触れました。

このルールを「会計基準」と呼びます。


詳細については触れませんが、この「会計基準」は国や地域によっても異なります。

「それでは困る」ということで、国際的な会計基準に統一しようという方向へ向かっています。


話を元に戻します。

簡単な具体例を、あげてみます。


売上についての「会計処理の方法」です。

在庫商品A(売価100万円、原価60万円)を売り上げた場合について、考えてみます。

いつ、売上計上するかという会計処理です。

商品を出荷したときなのか、商品が顧客に届き検収が終わったときなのか。

前者を「出荷基準」、後者を「検収基準」といいます。


結論は、どちらでも構いません。

その会社が選択した「会計処理の方法」に従います。

ただし、A商品については「出荷基準」、別の商品については「検収基準」という会計処理は原則的には認められません。


商品Aを出荷したときの会計処理はこうなります。


「出荷基準」では、「損益計算書」に売上100万円、売上原価に60万円が計上され、「貸借対照表」に売掛金100万円が計上されることになります。


「検収基準」では、会計処理をこの時点では行いません。

会計処理を行うのは、顧客の検収が終わった時点です。


この取引が、決算期末当日の取引であれば、会計処理の方法について「出荷基準」と「検収基準」のどちらを会社が選択しているのかにより、財務諸表は異なることになります。


ここで、「損益計算書」と「貸借対照表」という書類が登場しました。これらについては、別の機会に取り上げます。


次は、「費用=経費」についての具体例についてみてみたいと思います。




どんな会計処理を行うかにより、財務諸表は変わることもあるのです。

前回、こう書きました。


「どんな会計処理を行うか」とは「会計処理の方法」と言い換えたほうが適切でしょう。


「会計処理の方法」には、ルールがあります

どんな会計処理をしても良いということではありません。


極端な例を挙げてみます。


A商品を、ある会社に100万円で売ったことにしました。

つまり、「架空売上」として会計処理した場合です。


会計処理は、取引の事実に基づいて行わなければなりません。

従って、このような会計処理は認められません。


当たり前といえば、当たり前のお話しです。


前回、疑問だった「会計処理を工夫すれば、どんな財務諸表=決算書も作成することができるのではないか。」という点は、解決です。

いかに会計処理を工夫するといっても、取引の事実に基づかないものは認められません。


ただし、「どんな会計処理を行うかによって、財務諸表が変わる」という点は、事実です。


もう少し詳しく、見て行くことにしましょう。





上手に融資を受けることと、会計処理とは関係があるのでしょうか。


答えは当然のことながら「関係ある」です。


会計処理を行った結果として、会社の財務諸表が作成されます。


この財務諸表から、貸し手側=金融機関は多くの情報を得ることができます。


ですから、借入れの申込に当たっては、金融機関は必ず「財務諸表=決算書の提出」を求めてきます。


この点については既に触れたとおりです。


財務諸表は結果であり、会計処理はその過程です。


過程により、結果も変わってきます。


どんな会計処理を行うかにより、財務諸表が変わることもあるのです。


ここでひとつの疑問が浮上します。


「会計処理を工夫すれば、どんな財務諸表=決算書も作成できるのではないか」という点です。


この点については、もう少し丁寧に見てゆく必要がありそうです。





「上手な融資の受け方」というテーマを何回か続けました。


ところが、「会計処理」については、ほとんど触れていませんでした。


ここが、ある意味では肝になる部分です。


今後、「会計」についても簡単に触れて行きたいと思います。


難解なイメージをお持ちかもしれませんが、仕組みがわかればそうでもないのです。


「会社の家計簿」のようなものですから。


「家計簿をつけたことがない」という方でも、問題はありません。


その気にさえなれば、簡単にできることです。












今回は、「実効金利」について触れたいと思います。


最近では、死語になってしまったのかもしれませんけれど。


実際に簡単な計算をしてみます。


1億円の融資が実行されましたが、そのうちの2000万円を定期預金にして欲しい」と融資した金融機関から頼まれたと仮定します。


借入金利が5%、定期預金金利が1%とします。


実際に使えるお金は、1億円-2000万円=8000万円です。


次に、支払う利息と受け取る利息の計算をします。


支払う利息は、1億円×5%=500万円です。


受け取る利息は、2000万円×1%=20万円です。


支払う利息から受け取る利息を差し引くと480万円です。


つまり、「実際に使えるお金は8000万円でそれに対する利息は480万円」ということになります。


金利は、480万円÷8000万円ですから、6%ということになります。


これが「実効金利」という考え方です。


以前は、融資したお金の一部を預金として拘束する取引が当たり前のように行われていました。


現在も一部には見受けられますが、公然と預金として拘束することはできないのが現状です。


独占禁止法」違反の疑いもあり、「公正取引委員会」の目も光っています。


ただ、いろいろと奥が深いのがこの部分かもしれません。


金融機関の幹部の方とお話をすると、このあたりが微妙です。

「相手を知る」というステップの続きです。


相手=金融機関です。


ということは、「金融機関との上手な付き合い方」といったほうが適切かもしれません。


まず、日頃から金融機関との情報交換は欠かせません。


担当者レベル、支店長レベルの両方です。


ある銀行でのことです。


私の個人的な用事で行ったのですが、支店長に見つかってしまったことがあります。


支店長室へ案内され、少しだけお話をすることになりました。


話題は、あるお客様のことです。


支店長から、「金利交渉が非常に厳しい会社さんですね。」


それに対して、私。

「支店長、金利に関心のないお客様に融資をしたいと思いますか。」


支店長のそれに対する回答は、当然「融資したくない」です。


ただ、そのお客様も配慮に欠けていたことがあったのです。


そこを、支店長もお願いしたかったのだと思います。








「改正貸金業法」の完全施行について、何回か触れてきました。


どうやら、総量規制についての誤解があるようです


まずはこちらです。→「貸金業法Q&A」


「総量規制の対象となる貸付け」についての説明があります。


要点だけを拾っておきます。


住宅ローンや自動車ローンは、総量規制の適用除外です。


法人向けの貸付けは総量規制の対象外となっています。

  また、個人事業者については、一定の手続きを行い、一定の要件を満たせば、借入が可能です。


クレジットカードを使用したキャッシングについては、総量規制の対象となります。

  クレジットカードを使ったショッピングは、貸金業法の規制の対象外です。


特に、法人や個人事業者に誤解が多いようですのでご注意ください

繰り返しになりますが、法人については、総量規制の対象外です。

個人事業者についても、借入れが可能な場合もあります。


ただし、高金利であることには間違いありませんから、借入に際しては「返済計画をキチンとしておくこと」が大切です。



財務省・国税庁は10月1日、「相続又は贈与等に係る生命保険契約に基づく年金の税務上の取り扱いの変更等の方向性について」を公表しました。


これを受け、「所得税と相続税の二重課税問題」について、国税庁から本日付でその具体的な還付等の手続きが公表されています。


詳細はこちらです。→「国税庁ホームページ」


納めすぎの所得税のうち5年超の分についても、来年の通常国会で法改正が審議され、還付される見込みです。


所得税については、これで一定の結論をみたことになります。


さて、そこで問題となるのは、「5年超の納めすぎた個人住民税はどうなるのか」です。


所得税が減れば、住民税も減ることになります。


こちらについての対応は、公表されていません。


住民税は、国民健康保険料の算定などいろいろなことに使われています。


普通に考えれば、所得税の還付を受けることができれば、住民税の還付も受けられるはずですし、国民健康保険料もその可能性があることになります


現段階では、この点がはっきりわかりません。


今後も注目しておく必要があります。


余計なお世話かと思いますが、一言付け加えておきます。


還付を受けるつもりで手続きをしたにもかかわらず、逆に追徴されるケースも出てくると思われます。