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京都雲龍院 寺庭婦人のブログ

京都東山泉涌寺別院 雲龍院でのちょっとした出来事を皆さんに大公開!

「寺庭婦人」である私がblogを始めました。「寺庭婦人」とは「じていふじん」と読みお寺の奥さんの事です。私なりに雲龍院を徒然なるまま ご紹介いたします。

6月30日は 暑い夏を前にして半年分の穢れを祓う 「夏越の祓」。今日は僧籍と神職を併せ持つ石野さんがお祓いに来て下さり 「大変な疫病が流行っていますから」と…  いつもより丁寧に祝詞をあげて下さいました。
思い返せば大混乱の半年でしたが、自粛のお陰で普段ならば手を出せない仕事にも着手出来たという利点もありました。
 寺宝物や古書の調査をして頂ける機会も数回あり、専門家の視線で仏様を調べて頂いたり…    
善通寺の先生方の調査では 先師の書き留めた教義や作法が紐解かれ 同じ法流どうしで共有出来るチャンスに恵まれたのは嬉しい事でした。熱い研究や整理は数日間に亘りなされ、お帰りの日に 若い尼僧さんが お薦めのご本をプレゼントして下さいました。ページを開くと  雲龍院を詠んだ 素敵な句が書かれた紙が挟み込まれており、疫病の穢れが全て祓われたような 清々しい気持ちになったのでした。

 木漏れ陽の きらきら光る金縁に
   さやけし龍の 鳴く声ぞする


  麗かな 光濯ぐや 茸座に
   諸仏 腰掛け 天仰ぐ庭


明日 7月1日から お抹茶の提供を再開致します。

6月27日に 雲龍院の開山 (初代住職)   竹巌聖皐(ちくがん しょうこう)上人の法要が行われました。
4月の如法写経会はコロナ自粛により こぢんまりと家人だけで写経をしたのですが… 「さて、開山忌は?」とかなり頭を悩ませた住職でしたが、一般の参列はご案内をせずに行なうという決断となりました。
泉涌寺は法要の多いお寺ですが、自受法楽で僧侶のみのお勤めが多く 今回は その形式で という事でした。
雲龍院の開基は室町時代。「一体 何回忌に当るのかしら?」と興味深々で計算する娘…。「618回忌!?」 
俄然 張り切り度が増して 「霊供膳は何を作ろうかしら?」「職衆の方の茶器は何を使おうかしら?」と わくわくドキドキ その日を迎え… 梅雨の晴れ間で 木々の緑が輝く中を 長老猊下をはじめ 山内寺院の皆様が参集され  11時に法要が始まりました。
いつもの開山忌ならば お献茶のお点前が行われるのですが、こちらも今年は無しに。ただ、お抹茶とお菓子は こっそり お供えして 「コロナで中止していた お抹茶の提供をそろそろ開始しようかと…。こんな感じで如何でしょうか?」と ちゃっかりお伺いを立ててみる私。
ありがたいお経が爽やかな空気と共に境内を渡り、開山さま御像の横顔が静かに微笑まれたような気がしたのでした。










梅雨の真っ只中…  紫陽花が美しく、 苔の瑞々しい景色に癒されます。
ただ、この季節はクモの巣が張られることが多く 朝 境内中を確認しに回っても昼間には新しく建築されている状態で 格闘の毎日…。寺庭婦人が 弁慶の如く ホウキを振り回しておりましても どうぞ 怖がらないで下さいませ。
さて、6月27日( 土 ) は開山忌法要につき、拝観・お写経は出来ませんので 重ねてご了承願います。








近畿は昨日 梅雨入りをしたようで 今日は朝から しっとりとした一日。
実は自粛で拝観中止の間に 庭師さんが苔を入れて下さり、[ 大輪の間 ] からの景色がより美しくなりました。露に濡れた瑞々しい杉苔に心が癒されて 瞑想席でうっとりと… クチナシの花も所々咲いていて ほのかに良い香りが漂い、 皆さん 雨の雲龍院を満喫されているご様子でした。
念願が叶って今春から京都に転勤となり 帰って来た娘は 雲龍院の広報担当としてお休みの日には写真撮影に余念がないようで…。数日前には「特に心を惹かれる被写体は無かったわ。」と呟いておりましたが 梅雨の潤いのある 艶やか景色を是非撮っておいてほしいと…業務連絡でお願いしたい母なのでした。

  ↓6月8日ごろ 撮影




  ↓ 5月25日ごろ 撮影







自粛生活から徐々に日常が取り戻されつつありますが、気がつけば もはや6月…。今年の半分が あっという間に終わってしまいそうです。
5月初旬に 見事に咲いていたシャクナゲが公開出来ませんでしたので、今更ですが画像でご披露させて頂きます。







この季節…葉っぱや椎の木の花がたくさん落ちて 掃除三昧の日々…。参道をエンジンブロアーで吹き飛ばすのが日課の息子は 清める後から次々落葉していくので  毎日 涙目で奮闘しておりました。
ところで 昨夜は自粛が解除後、 初めての勉強会がありました。想像以上に出席率が良く、皆さん 勉強がしたくて うずうずされていたご様子。いつもにも増して白熱した授業が繰り広げられたようでした。
その後、皆さまをお見送りに門前まで出ると 息子が「落ち葉との戦いも一応 収束したみたいだよね。こっちも第2波は勘弁してほしいよな…」とぽつり。 薄らと雲の掛かった ストロベリームーンに世の安穏を願い 静謐な気持ちで見上げた 住職と息子と私なのでした。





緊急事態宣言が全面的に解除されました。まだまだ用心しなければいけませんが、取り敢えず正常な生活に向かえたことで少しホッとしております。

雲龍院は明日 5月26日(火) から拝観を再開致します。

拝観       9時〜4時半 受付止め(5時閉門)
お写経 9時〜3時 受付止め
  恐れ入りますが、お抹茶はもうしばらく中止させて頂きます。



  ↑  5/5「悟りの間」より 石楠花 

緊急事態宣言が延長されました。いま少し、自粛の日々が続きます。
伴いまして、雲龍院の拝観開始も見合わせる事になりましたので ご了承願います。
西国薬師霊場会である四十九のお寺が11時に一斉にお参りする「コロナ収束祈願法要」も明日で4日目…最終日となります。
薬師如来は仏様界のお医者さま、脇侍の月光菩薩・日光菩薩は看護師さんのお役目でいらっしゃいますので、コロナ収束と共に 医療従事の方々への感謝をも込めて 私も写経させて頂いておりました。
法要初日はYoutube (ユーチューブ) でのライブ放送が行われ、雲龍院での様子が同時中継されました。このように近代的な法要は初めてだった事と、KBS ( 京都テレビ ) のニュース取材もお受けしましたので大変に緊張致しましたが、滞りなく 厳かに執り行なわれたのでした。
法要の前後では 新薬師寺さんを中心にして中継寺院の紹介や仏様をリモート参拝する事が出来るようになっておりました。テレビの前で 立派な仏様方に手を合わせながら「 自粛が解除されたら 是非ともお礼参りに伺わなければ!」と楽しみを ちゃっかりと増やす私…。
さて、雲龍院のお薬師様は… 「あれ? スイカがお供えしてある! 夏場に撮影した昔の映像かしら?」と呟くと 横で息子が 「住職が昨日 嬉しそうに スイカを買って来ていたよ。季節の先取りじゃないの?」と。 時代の最先端を行く取り組みに お供え選びにも力が入っていた住職なのでした。













新型コロナウイルスの蔓延で 皆様方のご心労は如何ばかりかと按じております。
雲龍院のご本尊、お薬師如来様は人々の心と身体の病を治して下さる仏様。 新型コロナウイルス終息の祈りは 毎日行われておりますが この度 西国薬師霊場会の寺院が団結して 5月2日〜5日 の4日間、毎日11時から「コロナ終息祈願」を厳修する事になりました。
本来ならば 各ご住職様方が参集されてするべき法要なのですが このような情勢でもあり薬師如来様をお祀りする49ケ寺のお寺が心を一つにして より強い念を込めて 同時刻に それぞれのお寺でお経を唱えます。
そして この祈りはただ単に僧侶のみが行うのみならず「一般の方々と僧侶が共に祈りを捧げる場」でもなければならない! ということで、祈願初日の様子を インターネット上の動画サイト Youtube  でライブ放送するそうです。
ライブ放送は新薬師寺で行われますが、同時放映として数カ寺… 雲龍院での様子も映る予定です。
このような時期であるからこそ、救いを求めて参拝したい思いをお持ちの方も多いと思いますが、今は堪えどころ! 画面に映された薬師如来様に向かって(現場にいる)僧侶と (画面を見る)皆様方が 手を合わせ、同時に「般若心経」と「ご真言」を唱えて 新型コロナウイルスの終息を祈願致しましょう。

日時 2020年5月2日(土) 10:00〜12:30
  一斉特別祈願は11:00より
 [ LIVE 配信 URL ]



全国に緊急事態宣言が出された事により、雲龍院も拝観・お写経は中止致しております。

目に見えない 小さな小さなウイルスで ここまで大騒ぎになってしまうなんて・・・。お花見もお祭りもレジャーもお預けとなり ひたすら自粛で縮こまる日々ですが、 美しく咲く花々、鳥のさえずりに心が癒されます。自然界の中で人間は少し横暴になっていたのかもしれません。 ゆったりとした時間の中で自分を見つめ直し、 仏様に早い終息を祈念すると共に 今 出来るお寺の仕事に勤しんでみようと思っております。

考えてみれば [外出を控えましょう!] なんていつものこと。特別拝観の頃には一か月近く境内の外に出ることが無い事もざらで・・・。自粛のプロの私としては おサルやイノシシが出没する 緊急事態の緊張感で臨む覚悟ではあります。

朝、ため息 交じりで拝観中止の公報文を清書していた住職。

 緊急事熊宣言

  4月17日から5月6日まで

  拝観を中止します。

        雲龍院

緊急事熊・・・  緊急事くま  って 何なのぉぉ〜 !?

春の のどかな山に 緊迫した絶叫が響いた雲龍院だったのでした。