色彩心理診断士という仕事をしていると、ときどき大変重い人生の側面を見ることがあります。
診断を受けに来る方は、具体的な悩みを抱えていらっしゃるケースが数多くあります。
悩みがあるからこそ、解決の糸口として色彩心理診断を選ばれるのですが、中には軽い気持ちで診断を受けたにもかかわらず、実は自分が大きな問題を抱えていることに後で気づく、というパターンもあります。
悩みがあるからこそ、解決の糸口として色彩心理診断を選ばれるのですが、中には軽い気持ちで診断を受けたにもかかわらず、実は自分が大きな問題を抱えていることに後で気づく、というパターンもあります。
色診断は、好きな色、嫌いな色を選び、ただ配置するだけではありません。
作業のひとつひとつが、自分の心の中をのぞくプロセスで、自分の感情を見つめ直す作業です。
そのために、自分が封じ込めてきた思いや感情を、色彩心理診断によって改めて意識する、ということも起こり得るのです。
今から10数年前に診断させていただいた34歳の主婦、和美さん(仮名)の場合は、色診断によって自分の本当の気持ちに気づいた、顕著な例でした。
和美さんが、色彩心理診断を受けたいと思ったのは、友人から話を聞いたことがきっかけです。
自分も診断を受けてみて、場合によっては自分も色彩心理を学びたい……というお気持ちを持って、私のところに訪ねてこられました。
和美さんご一家は、商社にお勤めの4歳年上のご主人、小学校2年生のお嬢さん、お姑さん、お舅さんの5人家族。結婚して10年めの専業主婦ということでした。
「私、あまり悩みがないんです。申し訳ないくらいに、のんびりしている毎日で……。
在宅で何か資格でも取ろうかな、と思っていたところに、この色彩心理診断の話を友達から聞いたんです。
在宅で何か資格でも取ろうかな、と思っていたところに、この色彩心理診断の話を友達から聞いたんです。
人間が浅いせいかなー。こういう人の心に深く関わっていくお仕事に、すごく惹かれるものがあるんです」
和美さんは大変明るく、よくしゃべり、よく笑う方でした。
お話によると、夫婦関係、家族関係も極めて良好で、経済的な不安もなく、お嬢さんもあまり手がかからない、良い子だということでした。
「近所のママ友に、いつも羨ましがられるんですよね。貴方は悩みがなくていいよねって。
お姑さんもお舅さんとも、うまくいってるし……」
お姑さんもお舅さんとも、うまくいってるし……」
私は色彩心理診断を学びたい……という和美さんのために、簡単な色の個性について説明をしながら診断をスタートさせました。
診断は「いろいろ試してみたい」彼女の希望で、フルコースとなりました。
最初は15色による単色の診断、次に2色の組み合わせによる「ペアカラー診断」、最後に500枚近くの色カードを使う「基本診断」です。
色彩心理診断は、フルコースで行うと大変時間がかかります。
「基本診断」だけでも2時間は当たり前ですが、他の診断も加えると3時間は悠に超えます。
ですので、クライアント(被験者)は大変疲れるものですが、和美さんの場合はまったく疲れを見せず、色を選ぶ間中、話して笑って……の連続でした。
診断の過程で、私が不思議に思い始めたのは、「ペアカラー診断」から「基本診断」に移るあたりでした。
15色による診断では、和美さんがおっしゃっていた通り、社交的で悩みが少なく、さまざまなことに興味を持つキャラクターが前面に出ていました。
ですが、次の「ペアカラー診断」では、かなり「クセのある結果」となり、彼女の語る「自分評」とのずれが見えてきたのです。
さらに、この違和感がハッキリしてきたのは、「基本診断」からでした。
和美さんの「基本診断」結果では、のんびりして社交的な性格どころか、「閉じ込められ、鬱屈した自分」がいて、それが固い核となって中心部にドンと居座っていたのです。
(次号に続く・10/13更新予定)
(次号に続く・10/13更新予定)
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