こんにちは、佐野みずきです。
私は過去、多くのお子さんの色診断を行ってきました。ご両親がお子さんとうまくコミュニケーションが取れない場合。また、お子さんの能力を測りかねている場合などに、色診断がその仲介役を果たすことがあります。
「小学2年生の息子なのですが、とても難しい性格で、いつも何かにイライラしています。言葉があまり達者ではないので、いったい何が気に入らないのか、私達にはよくわからないんです」
このお子さんの場合は、人見知りが激しく、最初は私と目を合わせることもなく、口もほとんどきいてくれませんでした。ところが色診断が始まると、500枚近くの色カードに興味津々、夢中で手に取り、並べ始めたのです。
また、色彩に関する大人顔負けの繊細な感性も見せてくれました。たとえば、緑を選ぶ場合も、色の微妙な違いにこだわり、自分の納得のいくイメージになるまで飽くことなく並べ替えるのです。ご両親のお話から、いつも落ち着きがなく、集中力に欠けるお子さんのような印象を持っていましたので、これは意外な発見でした。
約30分後、同じくらいの年齢のお子さんでは考えられないほどの時間をかけ、彼の色カードの配置が終わりました。その配置ではっきりわかったのは、インプットとアウトプットのバランスの悪さでした、つまり、感受性の豊かさ故に、彼の頭の中には多くの情報が流れ込むのに、それに伴う感情を、うまく外に吐き出せないでいるのです。
彼を戸惑わせ、悩ましていた原因は、大人並みの成熟した感性が、小学2年生の体に宿っていたということでした。社会の中での身の処し方や、自分の感情を表現する語彙は年齢相応ですので、それではバランスのとりようがありません。同時に、配置されたカードには、虚弱体質からくる体の慢性的な不調も現れていました。爽快感、健康感のない体調では、日常生活に、さらに負荷がかかってしまいます。
私は彼の診断結果をご両親に伝え、できる限り体調が良くなるよう、日常生活に気をつけるようにお願いしました。インプットとアウトプットのバランスの悪さは、成長と共に整えられてくるので問題はありません。ですが、大人になるまでの長い間、当の本人は、苦しみ続けることになりますので、それがねじ曲がった方向に向かわないよう、できる限り自己表現ができる環境に身を置いてはどうかと提案をしました。
色診断を行った当時、小学校2年生だった彼は今年大学を卒業し、社会人になりました。色診断を体験して以降、ピアノを習い始めた彼は、憧れだったレコード会社に就職。自身が演奏家の道に進むのではなく、アーティストたちのマネージメントやプロデュースを行うのが夢なのだと語ってくれました。
「自分の中にある爆発的なエネルギーが、やがて作品という形となって出てくる。そのプロセスに触れるような仕事ができれば最高です!」
佐野みずき公式サイト http://www.rays.cx
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