騒動が起こる前に彼と二人で訪れた英国統治時代夏の首都、「シムラ」。
現在はヒマチャル・プラデシュ州の州都であり、インド有数の避暑地でもある。
人間の身体は出来事と
それにまつわる感情の変化に、
常に作用と反作用を繰り返している。
例えば謂れのない誹謗中傷を受けると、
くやしい!!って気持ちが起きて、
怒り心頭、肩が強張り、胃がムカムカして、
口からは火を吹きそうな、熱く浅い息。
執着した様に、起きた出来事や、
相手の一言一言、頭から離れなくなる。
気を紛らわせるために誰かに話したり、
買い物に行ったりするけれど、
また傷つけられるのが怖くて落ち着かず、
何も信じられない様な気分にまで落ち込む。
太古の昔から、人間は生きて行くために、
恐怖の感情と、それにまつわる身体反応で、
狩猟生活や戦闘などを生き延びて来た。
これらの心身の反応は "Fight or freight response"
「戦うか逃げるか反応」と言われ、
怒りで身体が震えたり、
恐怖で腰が抜けたり、
またはドーパミンが急上昇し、
筋肉に血流が終結するため、
カッとなって殴りあいになったりする、らしい。
(詳細は以下で)
Wikipedia出典
怒り狂うヒンドゥ教の女神カーリー。まぁ私は憤ったとしても全面には戦わず、
180度方向転換してさっさと逃げます
そんな感情の大きな波を越えた今朝。
ぐったりだけれど、清清しいような、
前途多難だけれど、行き先が見えたような、
爽やかな日差しと風を感じている。
何はともあれ、良かったのは、
一緒に暮らし始めて約半年たって、
初めて彼のお母さんにお会いできたこと。
親戚一同が猛反対の中、唯一お義母さんは、
外国人でも私を何とか理解してくれて、
気に入ってくれたみたいだということ、
救われたような、祈るような気持ちでいる。
バススタンドの売店の甘~いふわふわコーヒー。ミルクと一緒に上からカップの中に
何度も落とし込むとこの泡立ち!この後私たちは難を逃れるため長距離バスでデリーへ。
あまりに強引で一方的な親戚側のやり方に、
恐怖と、怒りと、許せないというプライドで、
昨日だけは一日、
「信じること」がとても難しく思えた。
私が一生をかけても手に入れたかったもの、
簡単に奪われたくないと、
今までの様々な思いが甦って、
怒りの化学反応を何倍にもしていた。。。
私たち人間は多くの貴重な時間を、
過去と未来の回想に費やしていて、
今を大切にすることが少ないと言われる。
ヨガは今、ここにある自分の心身を司る鍛錬。
プラーナというエネルギーを、
プラナヤーマという様々な呼吸法や
ヨガのアーサナ(ポーズ)によって取り込み、
不要なものを放出してバランスを取る。
今、ここにない不安や怒りに心を奪われて、
大切な自分を見失うことのない様、
否定的なエネルギーを手放させてくれる。
ヨガを通してそんなことを少し理解し始めたせいか、
乗り越えられるかもしれないという希望、
はるか遠くに少しだけ見える。
プラナヤーマの呼吸法は、ヨガのポーズと共にとても大切な鍛錬の1つ。
ここまで理解するまで、長かった私。
でも、インド友人たちの中でも、
強く輝く目をした友人たち、そして彼も、
「信じるだけでいいよ、大丈夫!」って
何度も何度も励ましてくれている。
昨日の夜は近所の彼の幼なじみ2人の部屋で、
故郷の村から遊びに来ていたもう1人の親友を加え、
男子は何だか盛り上がり、新年以来のウィスキーで乾杯、
たくさん話し、笑いながら皆でカレーを囲んで食べた。
皆、私たちの結婚がようやく認められそうなことを、
自分の事の様に喜んでくれて感激している様だった。
気心の知れた仲間と一緒に手作りカレーを分け合って食べると、
喜びも悲しみも分け合える絆が生まれる、気がします。
北インドの農村出身の若者たちにとって、
恋愛結婚は、新しい世代の革命なのだろう。
本当の意味での自立と冒険の始まりのような、
一足早く勝利を祝うかの様な、
4畳半?程の部屋でのささやかな宴。
話は尽きず、笑い声が絶えず、
バハリ語(北インドはヒマチャル・プラデシュ州西部の方言)で
ほとんど聞き取れなくても、
私もとってもとっても、嬉しかったのです。
4月4日は9日間に及ぶヒンドゥ教のお祭り「ナヴラトリ」の最終日。
この朝、大家さんから近所の女子に特製の「パニプーリ」が振舞われました。
4月4日からこの8日の夜まで、
この5日間の間に起こった事は、
一生忘れられないかもしれない。
北インドならではのお家事情、
結婚事情を反映してるとは言え、
私にとっては衝撃の事ばかりでした。
その話はまた次回、できると良いな。。。
常識の概念は吹き飛びますが、
少なくとも乗り越えられなくはないこと、
勇気を持ってお伝えできればと思います。
(過ぎてしまえばただのドタバタ劇ですが)
おまけアパートのキッチンに遊びに来たゲッコー君
幸運を運んできてくれると良いな