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田渕秀隆の公式ブログ

パフォーマンス向上には身体の使い方が不可欠です。あなたの癖・間違った使い方を指摘し、「使える身体」に導きます♪また使える身体になると身体は綺麗になります!

今日のバスケ指導では一部の子供に10センチへの拘りを伝えた。




小学生はパスが通ればとりあえずOKって感覚がありますが、それは違う。パスは次のプレーが最もしやすい、その一点以外は全てパスミスです。つまり10センチのズレは大きなミス。

小学生なんだから…って言う人もいるかと思いますが、コントロールは小学生から出来ます。スピードは体に合わせて速くなるが、パスのコントロールは意識と感覚なんで小さい時から高い意識と高い要求で良いと思う。
これを成し遂げるには、それこそ無駄な練習が必要。
繰り返し繰り返し無駄な練習をする。

例えば体育館で壁に向かってパス練習をする。その時に壁にある一つのシミにパスを当てる。距離•体勢•パスの種類を様々に変えて、そのシミに当て続ける。

他人が見たら、そこまで拘って徹底して練習しているとは思えない、一見無駄な練習。これが簡単に上手くなる人と普通の人との差。

世界で戦える人はこんな思考で練習してるのが当たり前なんです。

前回の予告通り、皮膚感覚について。
もちろん、触られたとかが分かる皮膚感覚ではありません。アスリートが言う所の所謂皮膚感覚です。

空気感を読むや流れを読む、予期せぬプレーをも想定しているというものを総括して皮膚感覚って言いますね。

これは非常に大切なんですが、目に見えるものではないので蔑ろにされがちですし、それをどのように鍛えるかなどはほとんど指導されないと思います。

これこそ無駄の積み重ねしかありません。練習のいかなる時もそのプレーについて予想•予測•仮定をし答え合わせをし、その根拠を説明する。この作業をやり込む事で、プレーからその答えを思考を経由せずに導くことが出来る様になります。
これが皮膚感覚です。

言えば、その人の努力だけでプロにも負けない皮膚感覚は手に入ります。もっと言えば普通のプロなんか屁みたいなくらい身にもつきます。

ただ、この作業は脳が大変疲れます。練習は肉体的に疲れます。その上、脳まで疲れるので本当にヘトヘトになります。

根気よく続けると肉体的スキルより確実に身に付く技術ですので是非やって欲しいものです。

因みに天性で何となく出来ちゃう人は沢山いますが、努力して身に付けた人には確実に負けます。これは絶対です。

私は天性派から努力派に変えたのでよくわかります。

「効率的な練習」や「最短でのレベルアップ」をうたう指導者やチーム、またそれを望む父兄がいますが、私はそれに良さも魅力も全く感じません。まぁ、時間的な制約を打破するための効率性は理解出来ますが効率良く上達するっていうのは反対です。

練習は一見無駄に見える、思える事に意味や成長がある。そう信じてます。
一見無駄に見える、つまり本当は意味があるんだけど突き詰めているからこそ他人にはわからない。この積み重ねが練習。言い換えると無駄の積み重ねこそが練習。

この様な練習を重ねた人は厚みや深さがある。この厚みや深さはその競技に対する知識や修正能力となって表れます。

本当に無駄なんじゃなく、一見無駄に見える練習。これが指導者の腕。私はそう信じてます。

次は無駄の積み重ねから得る所謂「皮膚感覚」について。