宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ) -38ページ目

宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

$昭和を話そう、BOSSのブログ。-アース殺虫剤

今や、ケータイのauでもおなじみとなった星飛雄馬が、かつて主役をはっていた広告こそ写真の「ハイアース」なのだ。ハイアースの広告と言えば、水原弘のホーロー看板の方が圧倒的に有名だけれど、本当は星飛雄馬の方が古い。ではなぜ、星飛雄馬だったのか・・1968年から日テレ系で放送されたアニメ「巨人の星」のスポンサーが大塚グループ(大塚製薬)だったからである。当時、大塚グループの傘下にあったアース製薬の社名はそこにはなく、広告には堂々と大塚製薬と表示されている。高度成長期の時代にあって、企業も紆余曲折だったのだろう。水原弘の看板の頃(1970年)からは、「大塚グループ・アース製薬」とアースの名が入っているのだ。大塚グループのボンカレーは大塚食品、オロナイン軟膏は大塚製薬で、オロナミンCは大塚化学で製造しているけれど大塚製薬と、ややこしい。でもあの時代、大塚グループ提供のテレビ番組はたくさんあって、暮らしを豊かにしてくれた。昭和の夏の風物詩だったハイアースは、アースジェットと名を変えて、今も販売されている。「ハイアースは、殺虫剤の大リーグボール。」まさに、昭和の、不滅のコピーなのだ。

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$昭和を話そう、BOSSのブログ。-麻丘めぐみ

1972年、「芽ばえ」でデビュー。ちょっと鼻にかかった歌声とお姫様カットで一躍脚光を浴びたアイドルと言えば・・ ? なんて、クイズにもならない。その年の最優秀新人賞を受賞した、麻丘めぐみである。けれど、写真の広告に登場している麻丘めぐみは一体何をPRしているのだろう? 答えは、「アンドロメダの石」なのだ。時代のトップアイドルが出演する広告にしては、地味過ぎる。と言うよりも、完全にうさん臭い商品なのである。今思えば不思議だけれど、昭和のこの時代にはこんな商品があふれていた。「人の心を映す鏡」とか「未来を透視できるメガネ」とか、当時のマンガ雑誌にはそんな広告がたくさん掲載され、思春期の心を釘付けにしていた・・。73年、「わたしの彼は左きき」の大ヒットによって、左きき用品が飛ぶように売れたという実績もあってか、この摩訶不思議な商品に麻丘めぐみが起用されたのかもしれない。「ふたりの愛と幸せを運ぶ、魔力の石」というコピーが、なんとも不気味だ。アイドルの恥ずかしい過去は、恥ずかしい昭和でもある。「あなたも10センチ背が伸びる」という広告を思い出すたび、なぜか切なくなるのは私だけではないだろう。

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$昭和を話そう、BOSSのブログ。-ふりむかないで。

♪泣いているのか 笑っているのか うしろ姿のステキなあなた・・♪ の歌いだしで始まるこの曲は、ハニーナイツの「ふりむかないで」。そう、知ってる人は知っている1970年代初頭に流れたシャンプーのCMソングなのだ。写真のレコジャケ(イラスト)の様に、「ちょっと振り向いてください」と全国の道行く美女に声をかけて振り向かせるCM。その映像が実にリアルで、私の街にもあの撮影隊(CM)が来るんじゃないかと、あの頃は本気で思っていたっけ・・。初めて使ったシャンプーは憶えていないけれど、初めて名前を意識したシャンプーは、確かにこの「エメロン」だった。♪ポプラ並木にちらつく雪が あなたの足を急がせるのか しばれる道が 気にかかるのか・・待って欲しいな 札幌の人♪ の歌詞が流れた「札幌バージョン」のCMの女性に惹かれて、ついついエメロン派になっていった自分がそこにいた。それにしてもハニーナイツの甘い歌声といい、「ふりむかないで。」のコピーといい、あの時代は広告にしてやられることが実に多かった。ふりむけば、甘く切ない、そしてステキな昭和なのだ。

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