宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ) -36ページ目

宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

$昭和を話そう、BOSSのブログ。-宇宙エース

憶えている人はどれだけいるだろうか? フジテレビ系で放送されたアニメ「宇宙エース」の武器の名前を・・。1965年だから、もう48年前になる。ガム状のエネルギー源を補給して、口からふわあーっとふくらませた輪っかが、宇宙エースの武器なのだ。その輪っかに乗って、確か空も飛んでいた。当時の提供スポンサーがカネボウ(ハリス)だったので、フーセンガムのイメージをPRしたかったのだろう。みごとな作戦にまんまと乗せられて、ハリスのフーセンガムをアゴが痛くなるほど噛んでいたのをよく憶えている。しかし、そんなアイディアがよく浮かんだものだ。原作は吉田竜夫。タツノコプロはその後、「マッハGoGoGo」や「ハクション大魔王」、「ガッチャマン」などの名作を生みだし、アニメオタク黎明期のある意味神様的な存在になっていった。フーセンガムで作った輪っかを投げて敵を倒すなんて、なんとも罪がない。そんな優しさがタツノコプロのお家芸だったのだろう。武器の名前は、シルバーリングである。まだテレビがシロクロの時代だったので、シルバーリングという武器のシルバーの輝きを、私は見たことはないけれど。

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$昭和を話そう、BOSSのブログ。-ひょっこりひょうたん島

♪波をちゃぷちゃぷ ちゃぷちゃぷ かきわけて (ちゃぷちゃぷちゃぷ) 雲をすいすいすいすい追い抜いて (すいすいすい) ♪ この「ひょっこりひょうたん島」の主題歌を歌う時、誰もが括弧内の(ちゃぷちゃぷちゃぷ)という合いの手を感情込めて歌いたがる。私もそうである。それはともかく、この人形劇こそ、私が初めて目にしたミュージカルだった。もちろん、あの頃はミュージカルを観ていたなんて思わなかったけれど、ストーリーとは別に展開される歌の意味を、子供ながらに感覚で理解しようとしていたのだろう。ライオンがしゃべり、殺し屋のようなガンマンがいて、魔女が登場したかと思うと、海賊まで歌い出す。1964年から5年間、NHKが放送したこの人形劇の人気のヒミツは、子供の世界がキチンとあったというところかもしれない。子供の目で大人を見ると、大統領もライオンも海賊も殺し屋もそんなに違いはなかったはずだ。丁度「ひょっこりひょうたん島」が終了した70年頃から、時代は科学と経済の隆盛期。大人の世界観だけが、社会を支配し始めたような気がする。口先だけの大人たちは、ひょうたん島にもいた。今の政治家にもたくさんいるけれど、子供達の視線でもう一度、大事な世界を見つめられたらいいなと思う。

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$昭和を話そう、BOSSのブログ。-フラッシャー付自転車

時は、1970年少し前。こんな自転車に颯爽とまたがる姿を、私もワクワクしながら夢見ていた。写真の広告は、マンガ雑誌によく掲載されていた、富士自転車のエスパトロン5。「赤い血潮のフラッシャー」といういさましいキャッチコピーでもわかるように、光が流れる方向指示器付きの自転車なのだ。ただし、方向指示器とは呼ばずにフラッシャーと名乗った所が凄かった。5段階変速ギア付き、セミドロップハンドル、流れるフラッシャー・・・買ってもらった友達のこの自慢のスペックに男子はもう興奮。次は自分の番だと親にせがんだのを思い出す。富士の他なら、ブリジストン、ナショナル、ミヤタ、マルイシといったメーカーが人気で、当時の価格で約50,000円。もはや子供のおもちゃではない。なかなか買ってはもらえないがゆえに、少年の羨望の的だった。まだ、仮面ライダーがTVに登場する前だったにもかかわらず、あんなにも迫力の自転車が流行ったのは不思議だ。 だけれど、「バイバイ」と別れた友達のフラッシャーの光の流れに、希望の色が見えたような気もする。未来への道筋を、あの頃、あのフラッシャーが指示してくれたのかもしれない。

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