もらえなくても、ココロにおいしい。チロルチョコ | 宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

チロルチョコ

昨日はバレンタインデー。もう、すっかり縁のない日になってしまったものだから、近頃は自分で買っている。GODIVA(ゴディバ)のような外国モノから、不二家のハート型まで、これまでずいぶん食べてきて思うこと。ちょっと哀しいけれど、もらっても買っても、チョコのおいしさは変わらない。ただ、ココロにおいしいチョコは、私の場合たったひとつ。遠い遠い昔、チョコレートはホントに眩しかった。グリコアーモンドチョコレートも、森永ハイクラウンも、高価過ぎて子供には手が出なかったし、不二家のパラソルチョコだって、贅沢だった。そんな時代に、初めて自由に買えたチョコレートが、写真のチロルチョコだったのだ。" 10円あったら、チロルチョコ。"というキャッチフレーズ。チョコの中にヌガーを入れることで原価を抑えて子供価格を実現したに違いない。その1コ10円のチロルの有り難さを、何度噛みしめたことだろう。大人になった今なら、どんなチョコも手に入る。どんなチョコだって、味わえる。だけど、あの時のチロルチョコにはかなわない。ココロにおいしいというのは、きっとそれが幸せの味に近いんだと、今ならわかる。チョコだけに、少し甘い話ではあるけれど・・。

人気ブログランキングへ