
♪おっかの上、ひっなげしの花で・・♪と、いきなりハイキーから始まるこの歌がヒットしたのは1972年。群雄割拠の芸能界に、アグネスチャンはまるで妖精のように登場した。その素朴さと可憐な歌声の前に、もはや理性は通用しなかったのだろう。ファンと言わず、大人と言わず、誰もが一緒になって♪おっかの上・・♪と真似てしまったのである。可愛かった。それくらいの魅力が、あの頃のアグネスにはあったのだ。写真左は、そんな人気絶頂期に玩具のポピーから発売された「スター人形ポピーちゃん」の雑誌広告。真理ちゃんの人形とともに、アグネスの人形も大きく宣伝されている。確かにアグネスは人形に向いているアイドルだった。この「スター人形」は、今で言えばフィギュアの走り。当時はまだ男子は買わなかったけれど、もう少し似させていたら売れていたかもしれない。73年「妖精の詩」、「草原の輝き」、74年「ポケットいっぱいの秘密」と続いた、あの甘酸っぱいようなヒット曲の記憶。思うに、案外アグネスがアキバ系アイドルの最初だったと言えなくもないような・・。少なくとも、当時の芸能界で白いスクールソックスがいちばん似合う少女だった。
