宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

70年代のヒミツを、賑わいを、クリエイティブディレクターのBOSSが語ります。
歌やCMやマンガやお笑いが、タメにもなれば、ダメにもなった、素敵なあの時代。
昭和の宝箱を、そっと開けてのぞいてください。




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薔薇の鎖

西城秀樹の訃報から、2カ月が過ぎた。葬儀の報道もされたし、追悼番組もあったのに、なぜかまだピンと来ない。自分の青春が引きちぎられる様な気がして、信じたくないのかもしれない。たとえば、高校時代。映画「愛と誠」の太賀 誠(たいがまこと)役に応募したことがある。1次審査をなんとか通過していよいよ本選へ、という段階で、すでに主役が決まったと通知を受けたのだ。そりゃあ、合格するとは思ってもなかったけれど、なんで途中で決定??と憤ったのを憶えている。その主役が、なんと西城秀樹だった。唖然としたけれど、勝てるはずもない相手なだけに、悔しさは微塵もなかった。1974年の、それが青春の思い出。その年にヒットした曲が、写真のレコジャケ「薔薇の鎖」だった。アイドルという存在ではあったけれど、どこかロックを感じさせる、マイクスタンドを蹴り上げる派手なアクションがカッコよかった。その年からずっと、誠 役を競ったライバルとして、秀樹はボクの中で生き続けている。そう、勝手ながら。そして、それはこれからも、きっと、ずっと・・。

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よろしく哀愁

今、男性アイドルと言えば誰が思い浮かぶだろう? セクシーゾーン ? Hey! Say! JUMP ? それともやっぱり 嵐? そこで、気づくのはみんな団体だということ。次々とアイドルを排出し続けるジャニーズも、SMAPあたりからそんな風潮になりつつある。アイドルと言えば、かつては強烈な個性を放つ、ただ独りの存在だったはずなのに。昭和の男性アイドルと言えば、歴代ジャニーズの中でも断トツに異彩を放っていた、やはり郷ひろみだ。写真のレコジャケは、1974年10枚目のシングルで、テレ朝系のドラマ「ちょっとしあわせ」の主題歌でもある「よろしく哀愁」。当時のあの声、あの横顔は、まさにインターセックスの象徴でもあった。それこそが男性アイドルの本質と言うと、ちょっと言い過ぎだろうか。♪友だちと恋人の境を決めた以上 もう泣くのも平気 よろしく哀愁♪という才媛 安井かずみのセンテンスと一緒に歳を重ねてゆくようなアイドルは、もう世の中に出てこないのか・・。どこか寂しい気持ちでテレビを観ていたら、とうに還暦を過ぎた郷ひろみが派手な衣裳で登場してきた。さすがは郷ひろみ。彼の職業は、きっとずっとアイドルなのだ。

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ユーミン

1972年、「返事はいらない」という1枚のレコードで、後のスーパースターはデビューを果たす。実は、たった300枚しか売れなかったらしく、その曲を知ったのは私もアルバムの中だった。それが、翌年に発表された写真のLP「ひこうき雲」なのだ。もちろんユーミンのファーストアルバム。初めて聴いた時、特に「ひこうき雲」にはドキッとした。歌謡曲ではなく、フォークでもないから、ニューミュージックというジャンルで表現されたほど、音楽的にも新しかったのだけれど、いちばん新しいと思えたのは、その透明感だったような気がする。このアルバムに収録された曲のタイトルを挙げただけでも、「ひこうき雲」「返事はいらない」の他に、「きっと言える」や「ベルベット・イースター」など、何か今までとは違う価値観がそこにキラキラしていた。このアルバムの帯に書かれている「魔女か、スーパーレディか ! 新感覚派・荒井由実登場。」というコピーも、あながち嘘ではない。続くセカンドアルバム「MISSLIM」の「海を見ていた午後」という曲には、山手のドルフィンという実在のカフェが出てくる。歌詞の中にドキュメントを入れるというのも、当時は新鮮なセンスだったし、ユーミンならではのアイディアだったのだろう。♪ソーダ水の中を 貨物船がとおる♪ その余韻に浸ろうと、実際ドルフィンに通った人も多かったと聞く。あの頃、近くにあったら私も通ったかもしれないなあ。

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