妄想たぬき物語
むかしむかし あるところに おじいさんとおばあさんといっぴきのたむきが すんでいました
{ある時たぬきは、なぜおじいさんとおばあさんは人間でもないぼくにこんなに優しくしてくれるのだろうと思いました。それからというのも、寝ても覚めても考えるのはそのことばかり。そして、もしかしたらおじいさんとおばあさんは、ぼくを親切にして食事を与え、大きく太らせた後に食べるつもりなのではないかと思いはじめたのです。
そう考えると、今まで大切に育てられてきたすべての辻褄が合うような気がしました。そして、もしかしたら、あのあじいさんとおばあさんは、おじいさんおばあさんではなく、ただの食肉業者のおじさんとおばさんなのではないか?ある会社のワンマン社長の方針で、たぬきを食肉として利用することになった。たぬきの肉なんて考えられないんだけど、社長の発言は絶大なので拒否することはできない。そこで、社員の中から選ばれたのが今のおじいさんとおばあさん。二人は、老夫婦であることを演じることになった。そして、我らたぬきをなるべくストレスのないように育てあげる。丸々と太った頃にはどこからともなくトラックがやってきて、それに乗ったが最後、もう二度と外の世界を見ることはできなくなる。「もうだめだ。ぼくに未来なんてないんだ。」とたぬきは嘆き悲しみました。}
ふたりといっぴきは、いつまでもしあわせにくらしましたとさ。







