Excel 「カメラ」機能

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初期設定のままではリボンに現れていないのであまり知られていない機能ですが、Excelには「カメラ」という機能があります。

シート上の指定セル範囲を図として取り込み、それを別のセルやシートに貼り付けることができます。
これだけですと「スクリーンショット」と同じようですが、元の指定セル範囲に変更を加えると、貼り付けた図の内容も変更されるというところがユニークです。

早速試してみましょう。
「カメラ」機能をメニューに追加します。
リボンに追加してもよいですが、簡単に試すためクイックアクセスツールバーに追加してみます。
[クイックアクセスツールバーのユーザー設定]から [その他のコマンド]をクリックします。
現れた「Excelのオプション」画面の「コマンドの選択」を「リボンにないコマンド」とし、コマンドリストから「カメラ」を選択して画面中央の「追加」をクリック、「OK」をクリックします。
これで、クイックアクセスツールバーに「カメラ」が追加されました。(下図)

 

シート上のセル範囲、この例ではセル範囲 A1~D8 を選択し、「カメラ」ボタンをクリックします、(下図)

 

セル範囲の外周が破線で囲まれ、ポインターをシート上に持ってくると「+」形状に変わります。
シート上の任意の場所でクリックすると、そこに図として貼り付けられます。(下図)

 

貼り付けられたものは図ですので、その位置やサイズは自由に変更できます。
注意深く見ると、数式バーには「=$A$1:$D$8」と表記されています。
つまり、この貼り付けられた図に元のセル範囲の内容がリンクされているような状態になっています。

リンクしていることを確かめてみましょう。
表中の A4セルを「だいこん」に、B4セルを「200」に、A4と B4セルの塗りつぶしの色を薄いオレンジ色に変更すると、貼り付けられた図も自動的に変更されます。(下図)

 

上記もしたように、この貼り付けられた図は位置やサイズは自由に変更できます。
例えば、別の報告用のシートに移動したければ、この図を [切り取り]、報告用シート上で [貼り付け]すればよいです。
また、図周辺のハンドルをドラッグしてサイズを変更できます。
図の上で右クリックし [サイズとプロパティ]を選択すると、画面右側に「図の書式設定」ダイアログが現れ、ここでも詳細な設定ができます。
 

面白い「カメラ」機能ですが、標準機能で同じようなことをするには、貼り付けのオプションを使います。
シート上のセル範囲を選択し [コピー]し、貼り付ける場所で [貼り付け]のオプションから [その他の貼り付けオプション]-[リンクされた図]をクリックします。(下図)

 

これで同様に貼り付けられます。(下図)

 

細かくは、元のセル範囲で塗りつぶされていないセルについては、[リンクされた図]で貼り付けられても背景が透明となっています。

なお、[リンクされた図]については、「Excel [リンクされた図]で貼り付ける」記事でご紹介しています。