Windows 11の標準アプリ「ペイント」が、9/26 あるいは先月の OS更新の際に「レイヤー」機能が追加され、さらに「背景の削除」も出来るようになりました。
今回はこれらについて見てみます。

「ペイント」アプリを起動すると、下図のような画面が開きます。

 

メニューの構成に大きな変化はないものの、まず気付くのが、描画領域(キャンバス)が画面の中央に配置されるようになりました。
これにより、キャンバスの上下左右、どの方向からでも画像サイズを変更することができます。
キャンバスの左上が座標の 0,0 であることに変わりありませんが、画面上部および左側に見えるルーラーも、マイナスの座標も表示されています。

今回の更新の目玉はやはり「レイヤー」機能でしょう。
従来、ペイントの描画エリアに図形や文字などを描き入れ、それの選択を解除してから改めて編集しようとしても個別に選択ができませんでした。
そのため、やり直すには「元に戻す」をクリックして再び描き直すという作業をしなければなりませんでした。
オブジェクトごとに違うレイヤーに配置すれば、後からでも個別に編集しなおしたり、表示する順番を変更したりできるようになります。

それでは「レイヤー」機能を試してみましょう。
まず、[ファイル]-[開く]で 1枚の写真画像を挿入してみます。
もし、画像が大きければ、ズームスライダーの左側にある「ウィンドウに合わせる」ボタンを押せば文字通りウィンドウに合わせて縮小表示されます。
あるいは、その右隣のプルダウンメニューでズーム倍率を選択します。
なお、この操作は表示倍率を変更しているだけなので、画像サイズには影響していません。
画像サイズを変更したければ、[イメージ]-[サイズ変更と傾斜]から行います。

そして、[レイヤー]ボタンを押すと、画面右側にレイヤー編集枠が現れます。(下図)

 

この写真について「背景の削除」を施してみます。
[イメージ]-[背景の削除]ボタンをクリックすると、背景(この画像では空の部分)が透明化されます。
次に、透明化された背景を埋めてみます。
レイヤー編集枠にある「+」ボタンを押して 1枚レイヤーを追加し、そのレイヤーで薄い黄で塗りつぶします。
写真が隠れた状態になったので、追加したレイヤーをドラッグして写真レイヤーの下に移動します。(下図)

 

もう 1つレイヤーを追加してイラストを貼ってみます。
[ファイル]-[キャンバスにインポート]-[ファイルから]をクリックし、イラスト画像を挿入します。
イラスト画像のサイズや位置を適当に調整し配置します。(下図)

 

それでは最後に、もう 1つレイヤーを追加して文字を描き入れてみます。
適当な色を選択し、[ツール]-[テキスト]をクリックして文字列を描き入れます。
フォントやフォントサイズ、位置などを調整し配置します。(下図)

 

このように、重ね合わせる個々の画像を別々のレイヤーに置けば、例えばイラスト画像の配置を変えたり別のイラストに替えたりすることも容易にできます。

なお、編集した画像を [名前を付けて保存]すると、下図の確認メッセージが現れます。

 

つまり、PNGやJPEGなどの画像形式で保存をすると 1枚の画像として保存され、改めてそのファイルをペイントで開いてもレイヤー情報は失われた普通の画像になりますので、レイヤー編集はできなくなりますというメッセージです。
ただし、保存をした後も、ペイントアプリを閉じないでいる間はレイヤー機能は有効です。