表データの同じ項目に全角文字と半角文字が混在していると、検索や数式操作などによっては期待した動作ができないといったことも起きます。
最近の Excelでは、全角で数字を入力すると自動的に半角に直してくれるようになりましたが、CSV形式で送られてきたデータをインポートしたり、Webページからコピペやスクレイピングして入力したりすると、全角・半角が混在することがあります。

その後の処理を考えると、データの数字部分は全角・半角を統一したほうがよろしいでしょう。
私は英数字は半角で統一するようにしています。

また、もうひとつ厄介な問題がフォントです。
Excel フォント」記事でもお話しましたが、フォントによっては数字などが半角であるか全角であるか区別しづらいものもあります。
「HG丸ゴシックM-PRO」で半角数字を入力すると全角のように見えますし、「MS Pゴシック」で全角数字を入力しても半角のように見えます。

さて、Excelで半角と全角を変換する関数は「JIS」関数と「ASC」関数があります。
「JIS」関数が全角に変換し、「ASC」関数が半角に変換します。

下図の表データについて試してみます。

 

この表データのうち薄緑色に塗りつぶされているセルは、数字やハイフンが全角で入力されています。
電話番号、郵便番号のように、数字部分の桁数や形式が不統一であれば見つけることも容易ですが、住所の番地のように市区町村名が漢字(全角)で続く数字部分が半角・全角が混在していると見過ごしてしまうことも出てきます。
数字だけでなく「-」(ハイフン)も全角・半角が混在している表データもよく見かけます。

まず「電話番号」列について数字や「-」を半角に統一してみます。
E列の前に 1列挿入し、E2セルに「=ASC(F2)」と入力し、下方までコピー(オートフィル)します。(下図)

 

これで、E5、E8セルは数字もハイフンも半角に変換され、この列全体が同じ形式になりました。
データを固定するため、E2セル以下のデータを [コピー]し、そのまま [値貼り付け]します。
不要になった F列は削除します。

同様に、「郵便番号」「住所1」も数字やハイフンを半角に変換します。
ところで、「住所2」列について同様に「ASC」関数で
変換すると全角カタカナも半角カタカナに変換されてしまいます。(下図)

 

これに対応するため、少し工夫が必要です。

「住所2」列のデータが振り仮名付きかそうでないかを確認します。
(振り仮名が振られていなければこの操作は必要ありません。)
上図の「住所2」列のデータをすべて選択し、[フォント]-[フリガナの表示]をクリックして振り仮名を表示してみます。
振り仮名が振られているデータがあることが確認出来たら [フリガナの表示]をクリックして振り仮名を非表示に戻します。
そして、元の「住所2」列のデータをすべて選択し [コピー]し、別の空いている列に [値と数値の書式 貼り付け]します。
この操作で振り仮名が削除されたデータとなります。

次に、振り仮名が削除された「住所2」データを「ASC」関数で数字もカタカナも半角にします。
そして、それらを [コピー]し、そのまま [値貼り付け]します。
最後に、変換先の H列に「PHONETIC」関数で半角カタカナを全角に戻します。
変換先データを固定するため、それらをすべて選択し [コピー]し、そのまま [値貼り付け]します。
そして、不要になった列は削除します。

いかがでしょうか。
基本的に、半角・全角の変換には「ASC」「JIS」関数で行いますが、日本語特有の半角カタカナの扱いに「PHONETIC」関数を使いました。