Word・Excel・PowerPointで図やテキストボックスなどをグループ化して扱うことはよく行われます。
PowerPoint 図形や画像をグループ化」記事でもグループ化の方法をご紹介していますが、その最後に注意点として、テキストボックスを含んでグループ化された図を拡大・縮小してもそのフォントサイズは変更されないことを付記しておきました。

以下、PowerPointの画面でご説明しますが、Wordでも Excelでも同様です。

図形とテキストボックスとを含んでグループ化した図を縮小しても、テキストボックス内の文字列のサイズは変わりません。(下図)

 

できれば、拡大・縮小したときに図形と同じくテキストボックスの文字も拡大・縮小してほしいですね。

全体に拡大・縮小したいときは、1つの“図”に変換します。
グループ化した図を選択し [コピー]します。
それを貼り付けるとき、[図]を選択します。
その後、拡大・縮小したときは、テキストボックス内の文字列のサイズも一緒に拡大・縮小します。(下図)

 

この方法の最大の欠点は、個々のオブジェクトの再編集ができないことです。
つまり、後でテキストボックスのサイズや色・位置などを変更することはできません。

もうひとつの欠点は、図として固定されたので、拡大していくとその解像度に応じて徐々に周辺にギザギザが現れたりボケ始めます。

このギザギザやボケを少なくする方法もご紹介しておきます。
グループ化した図を選択し [コピー]します。
[貼り付け]のオプションで [形式を選択して貼り付け]を選択します。
現れた「形式を選択して貼り付け」ダイアログにおいて「貼り付ける形式」として「図(拡張メタファイル)」または「図(Windowsメタファイル)」を選択して「OK」します。(下図)

 

貼り付けられた図を拡大してみてもギザギザやボケは出てきません。
現在使われている文字フォントも、その多くはビットマップ形式ではなくアウトライン化されたベクタフォントなので、文字もギザギザやボケは発生しません。

「Windowsメタファイル」形式は、Windows初期から使われてきた、ベクトル情報とビットマップ情報のどちらも保存できるファイル形式です。
ベクタ画像形式で描画される図形などは拡大・縮小してもギザギザやボケは発生しません。
ビットマップ画像も含めることができますが、こちらは拡大・縮小するとギザギザやボケは起き得ます。

「拡張メタファイル」形式は、「Windowsメタファイル」を改良したものです。
「Windowsメタファイル」が 16ビット形式であるのに対し、「拡張メタファイル」は 32ビット形式で格納されます。
高度なグラフィック機能をサポートし拡張に優れているそうで、どちらの形式か迷う場合は「拡張メタファイル」形式を選択しておけば良いようです。

なお、上図のダイアログにおいて「画像(SVG)」を選択しても同様な効果が得られます。
「SVG」については「SVG形式の画像とは?」記事でご紹介しましたが、やはりベクタ画像形式をサポートしています。

また、今回は「メタファイル」について簡単にご紹介しましたが、機会を見てもう少し詳細にお話する予定です。