今回は Excelでのいろいろな機能や関数などを使って「九九表」を作ってみます。
下図のような表を用意しました。
この B2~J10セル範囲の各セルに 縦(A2~A9セル)と横(B1~J1セル)とを掛けた値を表示しようという訳です。
これにはいくつか方法が考えられます。
思いつくままに 4つだけご紹介します。
(1) オートフィルを使う
「オートフィル」については「Excel オートフィル(1)」「Excel オートフィル(2)」でご紹介しています。
① B2セルに「1」、B3に「2」、C2に「2」、C3に「4」と入力する
② B2~C3セル範囲を選択し、J3セルまでオートフィルする
③ 選択したまま、J10セルまでオートフィルする
(2) 複合参照を使う
「複合参照」については「Excel 相対参照・絶対参照」でご紹介しています。
① B2セルに「=$A2*B$1」と入力する
② B2セルを J10セルまでコピーする
ここでは、コピーの代わりにオートフィルしてもよいですね。
(3) 関数を使う
以下で使用する「ROW」関数「COLUMN」関数はこの連載ではまだご紹介していませんが、「ROW」関数はそのセルの行番号を、「COLUMN」関数はそのセルの列番号を(数値で)返す関数です。
① B2セルに「=(ROW()-1)*(COLUMN()-1)」と入力する
② B2セルを J10セルまでコピーする
ここでも、コピーの代わりにオートフィルしてもよいです。
(4) 配列数式を使う
「配列数式」もまだご紹介していませんが、数式や関数の引数に「配列」を指定し、配列の各要素に対する複数の計算を一度に実行するものです。
① B2~J10セル範囲を選択する
② 数式バーに「=」を入力、A2~A10セル範囲を選択、「*」を入力、B1~J1セル範囲を選択し
③ [Ctrl]+[Shift]+[Enter]キーを押す
このとき、数式は「{=A2:A10*B1:J1}」となっています。
結果的に、いずれの方法によっても下図のように「九九表」ができたと思います。
このように、Excelでは 1つの値を導く方法が複数用意されています。
どの方法が良いかは一概に決められません。
この程度の大きさの表なら、暗算しながら直接に数値を入力しても課題はこなせます。
でも、A列や 1行めの数値が他の数値に変わる、あるいは表の大きさがもっと大きくなるなどの可能性があるなら、その都度 手入力する方法は早々に止めるべきです。
とは言え、すべての方法を知り尽くす必要はありません。
当面は、あなたが使える方法を確実なものとし、ミスしないで値を導くスキルを磨くことをお薦めします。