9月16日、厚生労働省から令和3年の人口動態統計(確定数)の概況が発表されました。

 

 令和3年は令和2年に比べて、人口が大きく減少していたので、その主因はなんであるのかとても気になっています。死亡者数と死因順位トップ10位を過去5年間のデータと比較してみました。

 

過去記事:厚生労働省 人口動態統計12月速報

 

 詳細は上のバナーリンクから確認い頂くとして、気になった箇所を書いてみます。

 

令和3年(2021)

死亡者数=1,439,856人  
  男 =738,141人
  女 =701,715人
 

死因順位トップ10
 1.悪性新生物<腫瘍>(がん)  381,505人 (26,50%)
 2.心疾患1)          214,710人  (14.92%)
 3.老衰            152,027人  (10.56%)
 4.脳血管疾患         104,595人  (  7.26%)
 5.肺炎            73,194人 (  5.08%)
 6.誤嚥性肺炎         49,488人 (  3.44%)
 7.不慮の事故         38,355人 (  2.66%)
 8.腎不全           28,688人 (  1.99%)
 9.アルツハイマー病      22,960人 (  1.59%)
10.血管性等の認知症1)     22,343人 (  1.55%)
※()は総死亡者数との比

 

がん、心疾患、老衰、脳血管疾患 合計=852,837人(59.23%)
がん、心疾患、老衰       合計=748,242人(51.97%)
がん、心疾患、脳血管疾患    合計=637,810人(44.30%)
 

その他の特殊目的用コード(Sars-cov2)

[新型コロナウイルス感染症]
総数=16,784人 (1.166%) 
男 =9,743人
女 =7,041人

自殺 
総数=20,291人  (1.41%)
男 =13,508人 
女 =  6,783人
 

※()は総死亡者数との比

 

 

死因順位上位10位の前年と過去5年間の平均値との比較

1)「心疾患」は「心疾患(高血圧性を除く)」、「血管性等の認知症」は「血管性及び詳細不明の認知症」である。

※総人口は各年の「諸率の算出に用いた人口」より

 

誤嚥性肺炎

食べ物や飲み物、あるいは唾液などを飲み込むことを嚥下(えんげ)といいます。健康な人であれば、嚥下すると口から食道を通って胃に入っていきます。しかし嚥下機能が低下すると、食べ物などが口から気管に入ってしまいます。これが誤嚥(ごえん)です。誤嚥性肺炎は、細菌が唾液や食べ物などと一緒に誤嚥され、気管支や肺に入ることで発症する疾患です。

 

血管性認知症

血管性認知症は、脳血管障害(脳卒中)によって起こる認知症のことをいいます。脳卒中には、脳血管が詰まって起こる脳梗塞や、脳血管が破綻して生じる脳出血などがあります。

血管性認知症には、小さな梗塞や出血を繰り返す多発性の脳卒中(多発性脳梗塞)によって起こるものや、単発の脳梗塞であっても認知機能にとって重要な部位(戦略的部位)の障害によって起こるものなど、さまざまな種類があります。
戦略的部位に脳卒中を起こして認知症を示すものを「戦略的脳卒中」と呼び、脳の視床(ししょう)や尾状核(びじょうかく)という部位に起こった脳卒中などがよく知られています。

 

 

 

過去5年間のデータ

※空白はその年に項目が無かったため。

※年により順が入れ違っているため、数値と順番が異なる年があります。

 

死因としては、がんがダントツ1位で年々増え続けています。

心疾患、脳血管疾患も増えているようです。

 

自殺は年によってはトップ10に入っている年もあり、随分と多いと感じます。対して、コロナ死はやはり少ない感じです。コロナ死については報告基準に問題があると思いますので、実際にはもっと少ないと思われます。

 

気になったこととしては、心疾患が前年より9,114人、5年平均より9,835人増えていること。人は死ぬからには何かしら原因があると思いますので、老衰が大きく増えている原因はなんだろうということ。

 

厚労省の死亡診断書記入マニュアルによると、「 ④ 死因としての「老衰」は、高齢者で他に記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死の場合のみ用います。(P8)」とあります。

 

マイナビDOCTOR:日本人の死因第3位になった「老衰」の定義は意外に難しい

 

アルツハイマー病が平成29年に約144%一気に増え、その後増え続けていることも気になりました。

 

 

 

過去記事もご覧ください。