いよいよ8月10日から海旅Camp2018が始まります。
(海旅Camp2018開催期間:8月10日〜16日)

今回は改めて、海旅Campをおさらいしてみます。

■海旅Campは保養キャンプ
保養とは?「こどもローテーション保養・避難者データベース」より引用
「多くの地域の人々の生活に影響を与えた、原発事故による放射性物質の飛散。保養とは、そうした放射能の不安を抱えることになった方々が、休日などを活用して居住地から一時的に距離をとり、放射能に関する不安から解放される時間を確保して心身の疲れを癒そうとする、一連の行動の事です。
保養によって、ある程度健康が守られることは広く認知されており、医学的にも、放射能の影響が少ない地域での一定期間の滞在が、免疫力を大きく高める効果があることが知られています。
そしてもう一つの効果は、心理面での負担軽減です。原発事故後、外遊びや自然体験の機会を奪われた子どもたちにとって、屋外でのびのびと遊べる時間が得られることは、かけがえのない体験となります。
更に、保養の機会は大人たちにとっても大きな癒しとなります。同じ立場の人々との人間関係を広げながら、不安を語り合い、情報交換をし、心身を休めることができます。 子どもたちの成長に最大の影響を与えるのが、親を中心とした周囲の大人たちの精神的な安定であることを鑑みれば、これには本当に大きな意義があるといえるでしょう。」
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海旅Campは、2011年の福島第一原発事故後、関東・東北に暮らしながら放射能から子供を守りたいと願う親子との交流から、「保養」の取り組みとしてスタートしました。
ゆたかな自然の中でのびのび遊び、健康に配慮したごはんをみなで作って食べる保養という取り組みは、そんな日々の緊張をときほぐし、体も心も元気にするという想いを元に、2012年から毎年、岐阜県八百津町の山間部で、参加者スタッフ含めて60名〜80名ほどで海旅Campを開催し続けています。
◎海旅Campの考える保養の意義:
https://ameblo.jp/umitabicamp/entry-11760697555.html
□海旅Campが大事にしていること
・自然の中で思いっきり遊ぶ
森と川に囲まれた大自然の中で、
一日中遊ぶことで心も体も開放され、
免疫力も高まります。
・大人も子どもになる保養
キャンプ中はルールや決まりをなるべく作らず、
日頃の疲れをとってゆっくり過ごします。
・垣根を越えたつながりづくり
住んでいる地域や、スタッフと参加者の垣根も越えて、
キャンプ以外の時も会えるような仲間づくりをしています。
・助け合って生きていく
子どもも大人も一緒になって、食事作りや洗濯など、
日々の生活をみなで協力し合っています。
・健康をつくる力をつける
免疫力を高める料理の方法や味噌づくり、
マッサージや心身のケアについて、
お互いの持っている知恵を持ち寄って学び合います。
・保養を文化に!
私たちは『海旅Camp』だけでなく、全国の保養の取り組みが、
地域や立場を越えた支え合いの中で続いていくことを願っています。
●海旅Camp参加者の声
※海旅ブログ:参加者の声をまとめた記事
https://ameblo.jp/umitabicamp/entry-11760753958.html※海旅Camp2016 参加者の声~ ぞうたえみこさん
https://ameblo.jp/umitabicamp/entry-12191830995.html※海旅Camp2016参加者の声~サカイユージさんより
https://ameblo.jp/umitabicamp/entry-12197688304.html海旅Campが開催される場所は、岐阜県の山間部、周囲を自然林と川や滝に囲まれた(携帯の電波もほぼ入らないような)民宿「五宝の滝」と山小屋「山なんや」です。


日々の暮らしは、、、
・すべて自炊による三食とおやつによる食事と食器洗い
(時には流しそうめんやスイカ割り)
・ボランティアスタッフと参加者の協働による洗濯や掃除や布団干し
・川遊びや山遊び
・時たまやってくるミュージシャンや大道芸人によるパフォーマンスを楽しむ
・ボランティアスタッフや参加者の持っている一芸(木工、足裏マッサージなど)のシェア
・放射能について思っていること、体験していることを聞き合う時間
・陰陽五行や漢方、マクロビオティックについての勉強会
・みそ作りやはちみつ作り
・希望者で行く温泉(銭湯)
・タイミングがあった時は花火大会やマリンスポーツなどのお出かけ(これも希望者)
などによって成り立っています。
■海旅Campの歩み
海旅Campは、放射能から子どもを守りたいという思いを持つ人達なら誰でも参加できる(先着順)形で福島県内のみならず、千葉、埼玉、栃木、山形、東京など、主に東北、関東に住む親子を招いてきています。
参加者の規模や、開催期間については、毎年の予算によって決定しているので、毎年「何人を何日間呼べるかはわからない」という中で企画を進めています。
そして今までは、毎年40人~60人の親子を招いて1週間の共同生活をしてきました。
2012年 6家族 約40名

2013年 9家族と子ども達 41名

2014年 10家族と子ども達 43名

2015年 12家族と子ども達 41名

2016年 7家族と子ども達 31名

2017年 12家族と子ども達 35名

■参加者もスタッフも多種多様
海旅Campの参加者もボランティアスタッフも、住んでいる場所も考え方もライフスタイルもバラバラですから当初は共同生活というよりはごった煮のカオス状態でしたが、年々、「価値観の違う者同士がどのようにお互いを認めあって暮らしていくか」を学びあい、今では「大きな家族」のような暮らしが実現しています。
そして、「様々な個性を持つ大人と子どもがどのように共に暮らしていけるか」を実践の中で学んでいくことが、大きな意味での「保養」になるし、これからの未来を作っていく支えになるということを実感しています。


■プログラムで縛らないこと。合言葉は「お好きにどうぞ」
当初は、「こんな事をしてあげたら子どもが喜ぶのでは」という想いから、いろいろなプログラムを用意して、タイトなスケジュールのキャンプを運営していたこともあります。
しかし、プログラムやルールよりも、それぞれがのびのびと、自由に過ごすこと自体が「保養」になるということに、回を重ねるごとに皆で気づいていきました。
そして、大事なことは「暮らしを共有すること」だという気づきと共に、炊事や洗濯、食事といった「生活の中の基本的な営み」だけは共有しながら、それ以外のプログラムはすべて自由参加にしています。
「こんな事をやろうと思うんだけど、一緒にやりたい人は一緒にやろう」という緩やかな呼びかけをするような形にしています。


食器洗いや食事も、参加者スタッフ問わず関われるようにした結果、合成洗剤を使わない食器の洗い方を、皆で実践できるようになりました。

大人が作ったプログラムで子どもを縛りたくないので、基本的に一日中、コンセプトは「お好きにどうぞ」のフリースタイル。
大人より子どものほうが打ち解けるのが早いので、世代を越えて勝手に遊びだします。ほとんどの子たちが飽きることなく毎日川遊びしています。

川や木や虫や草など、都会になくて田舎にあるものが多くの子達にとって栄養になっているようです。遊びまくって汗かきまくって、熱出して一回寝込むくらいが、デトックスにはちょうどいいみたいです(独断)


朝ごはんは(好きに寝ててほしいので)起きた人から自由に食べるスタイル。昼と夜は全員で顔を合わせて「いただきます」をします。

ご飯を食べる前には、「どんな食材がどこから来て、誰がどんなふうに調理したか」を話してから皆んなで「いただきます」をします。

「この場が支援によって成り立っている」という事を伝えているからか、海旅Campではまったく残飯が出ません。

食事は毎回、好きな人が作るスタイル。
海旅Campでは「放射能対策になる食事」にこだわってメニューを考えています。
キャンプ中に作る料理は「ここだけのものではなく、日々の生活の中でも取り入れてほしい」という思いを込めて、時にはレシピを印刷して配ったり、「料理教室的」な形で場を作ったりもしています。
メニューはスタッフで考えますが、調理をする時は大人も子どももスタッフも参加者も混ざり合って作っています。

このスタイルを確立するまでに何年もかかりましたが、最初に垣根を壊してくれたの参加者男子諸君でした。


彼らの中には「手伝っている」という概念もなかったようで、とても自然にキッチンに立ってくれて、その事で調理スタッフ女子たちがかなり癒やされておりました。

彼らの多くは、最初は好奇心から火の起こし方や擂鉢の使い方やスモークの作り方を、僕たちスタッフから学んでいきます。

そしてその後は、「自分の作ったものを皆んなが食べて喜んでくれている」という体験を経ていきます。


皆で暮らすという事の中で大切な「自分のためだけでなく、誰かの為に料理する」ということを、感覚的に掴んでいってくれているような気がします。

このことも、大きく見て、これからの子どもたちのための「保養の文化づくり」の土台になっていくのではないかと思っています。

食事作りのミーティングは毎日こまめに行います。

陰陽五行、マクロビオティックなどを踏まえて、スタッフ一人ひとりが一年かけて考えてきた「被ばく対策になる料理」を持ち寄り合ってメニューを練ります。
このミーティングにも小中学生が参加していたりします。
ここでは、僕たちの考え方や被ばくや放射能についても包み隠さず話します。
■海旅みそづくり
キャンプの途中では、自由参加のみそ作りを行っています。

みんなで作ったみそは、各家庭に持ち帰られます。
「家に帰ってもキャンプで作った味噌がある」という感覚が「わたしはひとりではない」という感覚を育てると思っています。

作った味噌の半分ほどは、翌年のキャンプのために保管されます。
みんなで作った味噌が、翌年のキャンプでの日々の味噌汁や料理に使われるわけです。

■保養の文化を作っていく
これは私たち海旅Campに限ったことではないと思いますが、保養という取り組み自体が、手探りでやっているという実感が大きいです。
そして、一緒に保養キャンプを過ごす事以外の方法で「保養の大切さ」を伝えることの難しさに、日々頭を抱えていることも事実です。
しかし同時に、そのようなチャレンジを続けている人たちが、全国、もっと言えば世界中に存在しているという事実も実感しています。
放射能の半減期を思うと、この取り組みがどんな意味を持つかという答えも、数十年経たないとわからないかもしれません。
もしかしたら「心配しすぎだったね」「保養なんて必要なかったね」と、後になって言われることもあるかもしれません。
しかし今の時点では、必要と思う人は確かに存在しているし、保養キャンプの現場では「やってよかった」と思えるような事がたくさん存在しています。




答えを急がず、試行錯誤を続けていくことの意味を思い、毎年できることを続けていけたらと思います。
そして、保養キャンプの形にも正解はないと思います。
私たちは、私たちの価値観と考えと、「私たちにできること」の限界と可能性の中で、海旅キャンプを続けていくことになるのだと思います。
ぜひこれからも、試行錯誤と紆余曲折を続ける海旅Campを暖かく見守っていただけたらと思います。

海旅Campへのお気持ち、ご支援に心から感謝しています!
どうもありがとうございます。

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【おとなもこどもになる保養〜海旅Camp2018〜】ご支援のお願い
2011年3月11日の東日本大震災で起きた原発事故の影響でたくさんの放射性物質が振りまかれ、現在も東北や関東を中心に放射能に不安を抱きながらたくさんの人たちが暮らしています。
ゆたかな自然の中でのびのび遊び、健康に配慮したごはんをみなで作って食べる保養という取り組みは、そんな日々の緊張をときほぐし、身体も心も元気にします。
原発事故以来継続して保養活動を続けてきた「海旅Camp」は皆様のご支援により、これまでの6年間で合計約230名の方を保養に招くことができました。
そして今年2018年も8月に約40名の親子を岐阜県に招き、保養キャンプを実施したいと思います。
子どもたちが自然の中で遊ぶ姿、笑顔を守っていけるよう、ご支援、ご協力のほどよろしくお願いします。
保養期間中も募金・ご支援を受け付けております。
皆様のご支援、ご協力をお願いします。
◆支援金振込先◆
・ゆうちょ銀行
(店名)二一八 普通 4818236 ウミタビキャンプ
・ 郵便振替
記号12100 番号 48182361 ウミタビキャンプ
☆1円~でも、募金を受け付けています。
☆募金をして頂いた方、合計金額等は定期的にブログトップにあげさせて頂きます(個人名はイニシャル)。
☆キャンプ終了後にお礼の報告書を送付させて頂きますのでご希望の方は事務局までご連絡ください。
今年も『保養』の取り組みを海旅Campスタッフ一同、継続していきますので、皆様のご支援、ご協力、何卒よろしくお願い致します。
保養を文化に!!
