アメリカへきた父 | 光と波動と音楽と ふゆこのサンフランシスコ日記

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日常を綴るアラフィフ在米日記です。

 

 

 

 

 

 

父がお酒をやめてからしばらく経ち

わたしが妊娠、出産しました

 

 

 

わたしは結婚してから子供を授かるまで10年かかったので

父は心配をしていたようで

妊娠を報告したとき

父の声が裏返り 

「そ、そうか 良かったなぁ・・・ 」と

電話の向こうで声をつまらせていました

 

 

 

 

わたしの母はあっさりしたひとで 「あらほんと~どっちだろうね♪」で終わり。

対照的に父は涙して喜んでくれたので

わたしは照れ臭くもあり うれしかったです

 

 

 

 

それからも父はわたしの体調を気づかって

食事のことから胎教のことまで

色々と調べては電話で教えてくれました

まるで父のほうがお母さん役でした

 

 

 

子どもが産まれたら

父にも会わせてあげたいな

アメリカでのわたしの生活もみてほしいな

徐々にわたしはそう思い始め

 

 

 

赤ちゃんが産まれて1か月後 思い切って

父を2週間 アメリカに呼び寄せました

 

 

 

 

父にとっては初めての海外旅行だったので

わたしは空港内の地図、チェックインの仕方や

出入国カードの書き方などを

細かく書いて手紙で送ったのですが

 

 

それでも大変苦労をしたようで

 

 

 

飛行機では窓際の席だったため (わたしのバカー)

隣で寝てるひとを起こすのをためらって

10時間のフライトで一度もトイレに立たず

 

 

機内は寒いとわたしが言ったので

セーターを着ていたら暑くて

隣のひとに迷惑になるので セーターも脱がずに我慢して

映画の見方も分からず

じっと黒い画面を見て座っていたそうな・・・

 

 

 

 

うわ~!お父さん ごめんなさい!

細かいことも全部書いておくべきだった 汗

客室乗務員さんに聞けば教えてくれると思っていたけど

わたしが甘かった

 

 

 

 

サンフランシスコの空港で父の姿を見つけた時は

本当に嬉しかったです

無事に来てくれた!

あの父が苦労して何時間もかけてアメリカまでわたしたちに会いにきてくれた

 

 

 

 

父はわたしの娘を抱いてとても喜んでいました

そして、まだ生後1か月なのに

赤ちゃんの娘が 父にあやされると笑うのです

親のわたしとマシューがあやしても全く笑わないのに。。。

 

 

だいたい生後まもない赤ちゃんって笑うの?と不思議でした

 

 

赤ちゃんだった娘は

おじいちゃんに抱っこされると すごくうれしそうに笑うのです

 

 

主人とわたしは

「どうやったら赤ちゃんを笑わせることができるの?」と

父に尋ねると

 

「小さい赤ちゃんの 幼い心を考えてみたら分かるよ」

とだけ言うのです

 

 

 

はぁ・・・?

 

全然分からなかったです笑

 

 

 

 

父は私たちが忙しい時は台所でお皿を洗ってくれたり

得意の料理でご飯を作ったりしてくれました

 

 

そして、

「普通は他人に台所に入られるのは嫌がるものだ

俺を台所に立たせてくれてありがとう」

と逆にお礼を言われました

 

 

 

 

ん?

わたし料理苦手だから お料理してくれるなら

誰でもウェルカムよw

と思いましたが

昔のひとはそうなるのか~と

昔は尊大だった父がこんなに繊細なことを気づかうなんて

意外な一面をみました

 

 

 

 

 

 

思えば

こうして父と生活するのはわたしにとって初めてで

幼少期から父は毎日遊びに出かけて不在

家族らしい生活をした記憶がありませんでした

 

 

 

夜になると赤ちゃんを寝かしつけ

主人は気を利かせて先に休んでくれ

父と二人で話す機会がありました

 

 

 

わたしは初めて

父の子供のころの話や

起こした事件のいきさつ

刑務所でのこと

色んな話を聞かせてもらいました

 

 

 

 

そして私も

父が戻ってきてから

地獄だったこと

兄も姉も冷たくて父と絶縁したのではない

父がみんなの心を壊したんだと

わたしの目線でみてきた父について話しました

 

 

母に暴力をふるわれどれだけわたしたち兄妹が悲しかったか

辛かったか

 

 

 

ふと気づくと
父は 神妙な面持ちで

黙って正座をして話をずっと聞いてくれていました

 

 

 

              had to have a high high hopes for living