アイランド / STAY WITH ME
ガストに捧げる琉歌
誠する人や 何時や何時までぃん 思み事や叶い 千代ぬ栄え
アイランドは、1983年に元紫の城間正男(vo)と俊男(bs)によって結成され、コザのカフェバー「アイランド」を中心に活動していたバンドだ。
紫とは良い意味で一線を画したポップなサウンドのバンドで一時代を築いた。
STAY WITH MEは彼らの代表曲で沖縄は元より、全国でもヒットしたナンバーだ。
ストレートなラブバラードで、正男の作った歌詞はどこまでも甘く、うねりのあるギターをはじめとする楽曲のアレンジはこんな僕さえも虜にしたものだ。
90年頃、松任谷由美のオールナイトニッポンのEDに採用されたこの曲は、以後2年間ほど、有線のヘビーローテーションとなる。
又、カラオケでも歌われた。十九の春以外に沖縄の歌などカラオケで歌えなかった時代だ。
本土に出稼ぎに出ていたウチナンチュ達は沖縄の歌として歌いまくった。
僕は、声がハスキーすぎてカラオケでは曲により、上手い下手の差が激しい(苦笑)
当時はバラード系の歌を唄っても全然、様にならなかった。
でも、正男の歌い方を真似してSTAY WITH ME歌った時、初めて異性から「だいすけさん歌上手い」と言ってもらえた思い出がある。
城間正男は僕の歌の師匠だ(笑)
STAY WITH MEのヒットを受け、アイランドは、二枚のオリジナルアルバムとベスト盤一枚を発表している。
今でもアイランドの音楽に魅了され、城間兄弟の音楽活動の再開を望む声は少なくない。
しかし、現状では無理と言うしかない。
STAY WITH MEはたまに有線で耳にする事ができる。
そして、決して多くは無いまでもアイランドのファンに新たになる人達がいる事を正男には知ってもらいたい。
ガストに捧げる琉歌
宝玉やてぃん 磨ちゃにば錆びす 朝夕肝磨ち 浮世渡ら
- アーティスト: ISLAND,
- タイトル: バラード・ベスト
久保田麻琴と夕焼け楽団 / ハイサイおじさん
ハイサイおじさん言わずと知れた喜納昌吉のヒットソングである。
が、喜納昌吉はいきなり、内地に進出した訳ではない。
彼の音楽性を知り、衝撃を受け、ばかりか自分でその音楽をカバーした内地のミュージシャンがいた。
それが久保田麻琴である。
70年代中期から細野晴臣と共にエキゾティックサウンドやハワイアン、テックスメックス等の音楽を日本風に解釈した良質なポップスを作り上げた和製ライ・クーダーとも言うべき人だ。
75年に発表されるハワイチャンプルーのレコーディング前に久保田は、石垣島に旅行に行った事から話は始まる。竹富島にて牛車に揺られての観光中に彼は、地元のラジオから流れる喜納昌吉オリジナルのハイサイおじさんを聴いたらしい。
彼は、沖縄民謡とは一線を画すこの曲に沖縄音楽の可能性を見たようで、帰京後すぐにこの曲をカバーしてレコーディングした。そして、ハワイチャンプルーの中の一曲として発表された。
久保田のハイサイおじさんは、三線の代わりに三線チューニングのギターが使われ、どこか南部のブルースを思わせるアレンジで他の楽曲と違和感の無い仕上がりになっている。
当然の様にこのカバーは評判を得、オリジンの喜納昌吉への期待へと変わって行った。
それを受けた喜納は本土上陸を果たし、先に本土を席巻していた紫やコンディショングリーンのロック勢、後から続く知名定男等と共に第1次沖縄音楽ブームを作る事となる。
久保田は細野と共に喜納の2ndアルバムに参加し、又、夕焼け楽団のボーカルにサンディーを迎えたサンディー&サンセッツでも沖縄音階のポップスを生み出した。
さらには、細野とりんけんバンドのリーダー照屋林賢との三人でカラビサ(裸足)と言うユニットを組んだりして、沖縄と関わり続けている。
久保田麻琴は沖縄音楽の恩人である。
- アーティスト: 久保田麻琴と夕焼け楽団
- タイトル: ハワイ・チャンプル-
糸数カメ / じゅり馬
糸数カメは、1915年に那覇で生まれ、8才から辻の遊郭で芸事を習った唄者である。
僕が初めて彼女の唄を聴いたのは仕事中の車のなかでラジオの民謡で今日拝まなびらを聴いていた時だ。曲は丘の一本松で、実況録音盤だった。
彼女のあまりにパワフルな歌声に圧倒された記憶がある。
僕はすぐにマルフクレコードから出ているうちなー女の心うたと言うテープを買い聴いてみた。
じゅり馬はそのテープに収録された一曲で、これを聴いて僕は彼女のファンになったのだ。
じゅりとは尾類と書く。遊郭にいる遊女の事だ。
じゅり馬は毎年行われる遊女達の豊年祈願祭りじゅり馬すねーで使われる。
綺麗に着飾った女性達の行進のバックで流れるのだ。
宮本亜門が監督した沖縄えいがビートで、再現シーンがあるので興味のある方は見て欲しい。
糸数カメのじゅり馬は、悠長な行進曲ではない。
16ビートのリズムに銅鑼が鳴り響き、その炸裂する歌声はソウルフルだ。
沖縄には美ら声と呼ばれる女唄者は多数いるが、パワフルと言う意味では彼女が最高と断言したい。
惜しいのは彼女の単独名義のCDが無いことだ。
知名定男とのカップリングはあるのだが、もったいない。是非、復刻して欲しいものだ。
オムニバスなら数枚出ているので紹介しておく。
- アーティスト: オムニバス, 嘉手苅林昌, 嘉手苅林次, 大城美佐子, 大工哲弘
- タイトル: 〈COLEZO!〉沖縄島唄ベスト
後、上述の知名定男とのカップリングCDもどうぞ。ジャケ写無しで申し訳ないです。
- アーティスト: 糸数カメ, 知名定男
- タイトル: 沖縄島唄
ザ ワルツ / キジムナー
ザ ワルツは、80年代後期にコザで結成されたブルースロックバンドである。
とはいえ以前のコザのロックとは一線を画した存在で、日本語やウチナーグチで歌われる曲は
あまりに沖縄の日常的故にウチナンチュの心を捉えてしまった。
僕は今でも、沖縄ハードロックに引導を渡したのは彼らだと思っている。
僕自身、彼らのキジムナーと言う曲を聴いて、ショックを受けたクチだ。
当時、普天間のライブハウス「MONO-CLUB」でやったライブのテープを店長のT氏に聞かせて もらった。それにキジムナーが収められていたのだ。
沖縄の妖怪を沖縄音階のロックに乗せて歌うと言う世界はリーダーのローリーのシャウトと共に僕をトリコにしてしまった。
俺の生まれは ガジュマル
釘でよく刺されたもんさ
3番の歌詞の冒頭なのだが、沖縄の民話がロックに昇華したと言える。
この曲は、ワルツの公式音源には収められてない。ちなみに名曲沖縄ロックンロールもだ。
何とかしてもう一度聞きたいのだが、どうにかして欲しい物である。
ローリーは今、サム・クックに敬意を払ってローリー・クックと名乗っているらしい。
まったく彼らしい。かの普久原朝喜の孫であり、普久原恒男の息子とは思えない(笑)
もう一曲、ドラムのマットミのおいらはドラマーを聞きたくなってしまった。
おいらはぎっちょのビジネスドラマー
から始まるユーモアたっぷりの歌詞をサマータイムブルースみたいな曲に乗せた楽しい曲だ。
これも何とかCD化して欲しいものだが・・・・
アーティスト: waltz
ジョージ紫 / 海人
僕が、沖縄の曲で今までに一番聞いたのは何か?
となれば、ジョージ紫の「海人(うみんちゅ)」が一番だ。
ジョージ曰く、「沖縄の伝統音楽とロック・クラシックの融合」を目指した曲で、インストである。
この曲はジョージの手なる物だが、今までに紫・OKINAWA・ジョージ紫プロジェクト・ニライカナイトライアングルの名義で随時、発表されて来た。
個人的には、紫のMURASAKI WHY NOW!?に入ったVer.が好きで、特にギターの比嘉清正の奏でる沖縄
音階のリフが堪らない。音がいいのだ。
又、曲の展開時に沖縄民謡の谷茶前の前奏も使われていて、これも堪らない。
海人は録音時それぞれに特徴がある。
OKINAWAは翁長洋子の琴、ニライカナイトライアングルには三橋貴風の尺八、ジョージ紫プロジェクトにはエイサーのリズムがフィーチャーされていて、千差万別で面白い。
僕がバンドでキーボードを担当した時の事だ。
仲田幸子ショーの前座をやる事になったのだが、THE BOOMの島唄以外に沖縄っぽいレパートリーが無かったので、先輩を無理押しして海人をカバーした事がある。
結果は、完コピ等とは程遠いもので、本番もメチャクチャだった(苦笑)。
沖縄音階の唄をバンドでやっただけで「沖縄とロックの融合」と評される場合が多い中、この海人こそが、そのテーマを体現した最高峰だと断言したい。


