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(ŎᴗŎ)シカハタビ
ブログカテゴリー「弓と弦楽器、日本とカザフ」では、これらの企画をお送りする予定です。
 
《TURAN ethno-folk ensembleと日本の文化財のクロスオーバー》
《アメノウズメとаруақ(先祖霊) 〜太鼓と琴と大地〜》
《鳴弦はどこから来たのか》
《弓道とэ т н о с о л ь ф е д ж и о (エスノソルフェージュ)》

これらの企画が日本とカザフスタンのコミュニケーション・ギャップを越える一助になれれば幸いです。

そしてブログカテゴリー「弓と弦楽器、日本とカザフ」では、日本とカザフスタンの文化財を取り上げる予定であります。
その意見はあくまで『太平洋の斜め上な島国に住む考察厨のブログ』の意見であり、文責はブログ主うみひぢ_あしべが負います。
文化財の所蔵者、並びに文化財の研究者、これらの方々と当ブログは全くの無関係であります。
これらの方々のお考えと、当ブログの意見は全く無関係です。
その上で、当ブログの素人丸出しな考えをご笑覧くださいませ。



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(6∀6)シカタケル
現在の企画は《TURAN ethno-folk ensembleと日本の文化財のクロスオーバー》だ。
その第一弾として【Baurzhan  Bekmukhanbet氏と日本の弾琴男子埴輪のクロスオーバー】だ。

そこまで持っていくためには群馬県の相川考古館の弾琴男子像氏と古代カザフスタンの弦楽器Dzhetyasar(Жетіасар)のqossaz(қоссаз)の平行関係を考証をする必要があるんだよ。

さらにその前に弾琴男子像氏にはウクライナまでヴァーチャル旅行をしてもらわないといけない。
どんだけ工数こなさないとならんのか?

今回の投稿は韓国の慶州からはじまる。 
ブログの投稿がウクライナにたどり着くまで、ドンブラとBaurzhan  Bekmukhanbet氏の出番は、残念ながらない。
…ここは本当にTURAN ethno-folk ensembleのファンブログだよな?



⊂O–O⊃あしべ
このWikipedia画像は大韓民国の慶州國立博物館(국립경주박물관、Gyeongju National Museum)所蔵の土偶装饰罐子(土偶装飾長頸壺)(토우장식 항아리、Long-necked Jar with Figurines)です。



https://commons.m.wikimedia.org/wiki/File:Long-necked_jar_with_figurines_(토우장식_장경호)01.jpg#mw-jump-to-license 
public domain


写真中央にzitherの奏者の人物像があります。
この画像が掲示されているWikipedia記事のなかでは、

>가야금을 연주하는 사람,
(google翻訳:カヤグムを演奏する人)
https://ko.m.wikipedia.org/wiki/토우장식_장경호

と記載されていました。
この「가야금(カヤグム)」とは、奏者左手側の特徴的な形状から、韓国の民族楽器の伽耶琴(gayageum)のことでしょう。

カヤグム(가야금、伽耶琴、gayageum)の奏者左手側の写真

浜松市楽器博物館にて撮影


所蔵館である慶州國立博物館の日本語版サイトはこちらです。

日本語版
慶州國立博物館
常設展示
新羅歴史館
土偶装饰罐子
詳細情報
土偶装飾長頸壺:慶州味鄒王陵C地区30号墓 / 新羅5世紀 / 高さ34.0㎝
上記の慶州國立博物館のサイトの日本語版ページで演奏者は

「新羅琴を弾いている人」

と表現されています。
サイトの韓国語版のページではこの部分は

韓国語版
상설전시
신라역사관
토우장식 항아리
>신라금新羅琴
英語版のページではこの部分は以下のようになっていました。

英語版
Gyeongju National Museum
Permanent Exhibitions
Silla History Gallery
>Sillageum

この場合所蔵館の慶州國立博物館の表記が正しいと思われますが、韓国で「가야금(伽耶琴、gayageum)」と「신라금(新羅琴、Sillageum)」とをどのように使い分けているのが興味を覚えます。

現代の「가야금(伽耶琴、gayageum)」はこのように楽器を膝の上で横たえて演奏しています。

free illustration



土偶装饰罐子(土偶装飾長頸壺)の奏者の場合、膝の上かどうかはわかりませんが、zitherを横たえて演奏してはいないことが画像からわかります。

このように楽器を横たえずに立てて演奏する構えは、前回の投稿「スキタイ時代ウクライナとキーウ・ルーシと相川考古館・弾琴男子像さん」

で説明しましたが、相川考古館所蔵の弾琴男子像さんのzitherとよく似た構えです。


帝室博物館 編『埴輪集成図鑑』第10,志村鋼平,昭和11. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1264691 (参照 2023-10-30)

蛇足ですが、この土偶装饰罐子(土偶装飾長頸壺)は日本の古代史ファンに別のことで非常に有名な文化財でして、ワタシも見たことはありませんが噂で聞いたことがありました。
よろしければ所蔵館の慶州國立博物館のサイトのページの画像とキャプションの文章をぜひご覧になってください。
ワタシもこのページを見て
「これがあの有名な新羅の土偶か!」
と驚きましたねぇ。

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(ŎᴗŎ)シカハタビ
ただし他人の視線のない場所でご覧になることを強くお勧めいたしますわ、オホホホホ

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(6∀6)シカタケル
閑話休題。
YouTubeで韓国の研究者が古代の「가야금(伽耶琴、gayageum)」が立てて演奏されていたかもしれない可能性を検証する動画を見つけた。
その動画の内容は
・27:10頃から「가야금(伽耶琴、gayageum)」を立てて演奏する試み
・30:15頃からは日本の正倉院所蔵の新羅琴(正倉院には現代の正樂伽耶琴と同じ構造をしている弦楽器が所蔵されていて、それは「新羅琴」の名称で呼ばれている)の構造が、実は立てて演奏するように作られていたらしいことの検証

목포MBC
천상의 울림 가야금 1부 -12현의 비밀
(google翻訳:
木浦MBC
天上の響きカヤグムパート1-12弦の秘密)
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(ŎᴗŎ)シカハタビ
せっかくですので、正倉院の新羅琴のイラストを載せましょう。

弦楽器 図鑑
正倉院の宝物
正倉院に保管されている弦楽器
新羅琴 金薄輪草形鳳



https://graphic.nobody.jp/musical_instruments/shosoin.html

正倉院の新羅琴には側面に赤いストラップが付いています。
上記のYouTube動画では、新羅琴を安定して保持するためにストラップを首からかけて、その状態で新羅琴を床にたてて演奏することを想定していました。

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(6∀6)シカタケル
現代アジアの民族楽器の中で最も東に位置しているlyreが、膝の上に楽器を立てる構えで演奏している。

ロシア連邦のハンティ・マンシ自治管区・ユグラ(Ханты-Мансийский
автономный округ — Югра)に住むハンティ(Ха́нты)人とマンシ(манси)人の民族楽器で、このlyreをハンティ人はнарс-юх(英語表記ではnares-jux)と呼び、マンシ人はсанквылтапと呼んでいる。



https://commons.m.wikimedia.org/wiki/File:Naresyuk.jpg#
CC BY-SA 3.0

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(ŎᴗŎ)シカハタビ
こちらはロシア語のWikipedia
Санквылтап

こちらは英語のWikipedia
Nares-jux

>The nares-jux (нарс-юх) or Siberian lyre[1] is a musical instrument, a type of box-lyre, played by the peoples of the Khanty-Mansi Autonomous Okrug of Russian Siberia.

英語のWikipediaに「Siberian lyre」とありますが、これはクルト・ザックスの「楽器の歴史(The History of Musical Instrument)」にならった表記でした。

日本語版では「シベリアのライア」
※楽器の歴史 [下]
クルト・ザックス(Curt Sachs)著
柿木吾郎 翻訳 全音楽譜出版社 出版
第3部 中世
第14章 ヨーロッパ
ライア
P12

英語版では「Siberian lyre」
※Kindle
The History of Musical Instrument by Curt Sachs
THIRD PART - The Middle Ages
14. Europe
LYRES 

ですので、当ブログでもハンティ(Ха́нты)人とマンシ(манси)人のlyreを総称して「Siberian lyre」と呼ばせていただきます。

⊂O–O⊃あしべ
YouTubeにあった「Siberian lyre」の演奏の動画をご紹介します。
動画のタイトルからすると、マンシ(манси)人の方の演奏でしょうか。

Санквылтап дуэт
(google翻訳:Санквылтапのデュエット)


この動画を見た後で、カラーの弾琴男子像さんの画像をご覧ください。

画像提供
所蔵館『公益財団法人 相川考古館』


©︎公益財団法人 相川考古館


動画の中の奏者の演奏している様子は、相川考古館の弾琴男子像さんの演奏している姿によく似ているとワタシは思いますが、閲覧者の皆さまはいかがでしょうか?

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(6д6)シカタケル
「Siberian lyre」については次の投稿と別ので投稿取り上げる予定なので、今回の投稿では軽く紹介するに留めておく。

⊂O–O⊃あしべ
あれ?大王さま?大后さま?どうしました?
お願いですからご機嫌を直してください(震え声)。
ええっとはいはい、別の投稿とはこれです。
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(6д6)
次の投稿では、俺たちにケンカを売る輩が出てくるんだがな?
まだウクライナにはたどり着いていないんだが、そういうわけでBaurzhan  Bekmukhanbet氏には少し早めに登場してもらうことになった。
返り討ちにしてくれる、フッフッフ…