⊂O–O⊃ あしべ ブログ主 顔文字はメガネ
/)ЧЧ/) シカタケル大王
(6∀6) 当ブログのツッコミ役。顔文字は牡鹿
/")/") シカハタビ大后
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(ŎᴗŎ)シカハタビ
今回から「弓と弦楽器、日本とカザフ」のシリーズ投稿をはじめます。
まずはブログ主が『TURAN ethno-folk ensemble』のファンになったきっかけ、「5,000キロ超の距離と約1,500年の時間を越えた奇跡の音楽家」のお話をいたします。
⊂O–O⊃あしべ
ワタシは1/2世紀以上日本で生きてきましたが、音楽にも中央アジアにも特段に興味を覚えたことはありませんでした。
YouTubeを見始めたのをきっかけに、喉歌に興味を持ちました。
YouTubeのおすすめにあった「ER TURAN」を見ました。
「ER TURAN」はすごい曲ですから色々感想があったんですが、それを話すのは別の投稿にします。
そのあとで「QAZAQ ELI」の曲の動画を見たんですよね。
…五人並んだ真ん中に、弾琴男子埴輪さんがいました。
はいもちろん比喩です物の例えです。
埴輪が古代日本の古墳から蘇って現代で琴を弾いている、などと寝言を言ってるわけではないです。
真ん中でカザフのzither・ジェティゲンを演奏している方は人間です。
カザフスタン人の音楽家Yerzhigit Aliyevさんです。
テラコッタで出来た像が動いてzitherを膝に乗せて弾いているのではありません、決して。
それはわかっているけど、弾琴男子埴輪に見えてしまって、見えてしまって、見えてしまった。
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(6∀6)シカタケル
背景がコンクリートの白い壁だった。
⊂O–O⊃あしべ
だいたい博物館の文化財は白い壁を背景にして展示されてますよね
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(6∀6)シカタケル
明るい茶系統な色の衣装だった。
⊂O–O⊃あしべ
埴輪はテラコッタですから、ああいった系統の色なんですよね
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(6∀6)シカタケル
膝の上に乗せるzitherだった。
⊂O–O⊃あしべ
世界を広く見れば中〜小型のzitherは珍しくないんですが、日本の周辺にあるzitherは膝の上だけでは乗せられきれなくて片側を左膝の外側に置くような大型だけなんですよね。だからあのくらいのサイズは見慣れていなかったんです。
中国の古琴(七弦琴)は大型では無いですけど、それでも片側を左膝の外側に置きます。
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(6∀6)シカタケル
そしてとどめ。
両手の位置。
⊂O–O⊃あしべ
これは埴輪の写真を見ていただきましょうか?
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(6∀6)シカタケル
いや、先に和琴の演奏の動画のリンクを貼っておこう。
それから埴輪の画像を見た方がわかりやすいだろうから。
和琴の動画で演奏者の両手の位置を確認してもらおう。
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(ŎᴗŎ)シカハタビ
和琴(wagon,yamato-goto)は日本古来のzitherです。
日本で最も古い弦楽器で、その祖型は古代遺跡の出土品や、またはいわゆる埴輪の琴にあるというのが定説です。
その演奏法もまた、古代以来の奏法を継承したと考えられています。
東儀秀樹
和琴(わごん)(雅楽の琴の一つ、最古の琴)/
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(6∀6)シカタケル
演奏中の両手は肩の位置より外側に出ることがない。
後で弾琴男子埴輪の画像を見せるが、これは弾琴男子埴輪の両手の位置に近い。
和琴が大型のzitherであるにも関わらず、左手の横への動きが無いんだよ。
それと「QAZAQ ELI」の動画のリンクの次に、日本周辺のzitherのイラストを見せるが、それらの演奏者の左手には器体の長さに応じた横への動きがあるのとは対照的だ。
⊂O–O⊃あしべ
和琴は大型のzitherなのに、手の動きは大型のものではない。
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(6∀6)シカタケル
和琴の演奏法は古代日本から継承されたと言われているのは、中〜小型のzitherのような両手の動きから理解できるんだ。
そのあたりを意識して、これから載せる埴輪の画像や「QAZAQ ELI」の動画、zitherのイラストを見てくれ。
⊂O–O⊃あしべ
それでは「弾琴男子埴輪」の画像です。
古代日本の有力者の大型墳墓、つまり古墳の表面に飾られていた素焼きの土器を埴輪と呼びますが、その中でおおよそ西暦5世紀〜6世紀頃の人物の姿を模した埴輪の中に、膝にzitherをのせた男子の姿の埴輪がありました。
(下半身を円筒形に省略した埴輪やその他のタイプなどもありますから、必ずしもその限りではありません)
このタイプの埴輪については、色々な呼ばれ方をされておりますが、当ブログでは「弾琴男子埴輪」と呼ばせていただきます。
所蔵館(無断転載禁止)
『埼玉県立さきたま史跡の博物館』
所蔵館(無断転載禁止)
『福島県立博物館』
©︎福島県立博物館
所蔵館(無断転載禁止)
『公益財団法人 相川考古館』
©︎公益財団法人 相川考古館
所蔵館(無断転載禁止)
『横須賀市自然・人文博物館』
©︎横須賀市自然・人文博物館
所蔵館(無断転載禁止)
『国史跡 摩利支天塚・琵琶塚古墳資料館』
©︎国史跡 摩利支天塚・琵琶塚古墳資料館
所蔵館(無断転載禁止)
『愛知県陶磁美術館』
©︎愛知県陶磁美術館
所蔵館(無断転載禁止)
『本庄早稲田の杜ミュージアム』
©︎本庄早稲田の杜ミュージアム
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(6∀6)シカタケル
埴輪の両手の位置は、基本的には和琴の両手の位置と同じで、さらに指先が身体の中心線方向にむけられている。
さて、弾琴男子埴輪の手の位置を頭に入れていただいたら、いよいよ弾琴男子埴輪そっくりに見えてしまった「QAZAQ ELI 」の動画を見てくれ
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(ŎᴗŎ)シカハタビ
5,000キロ超の距離と
約1,500年の時間を越えた
奇跡の音楽家、
Yerzhigit Aliyevさんは
五人並んだ中央にいらっしゃいますのでよくご覧になってください。
TURAN ethno-folk ensemble
TURAN / QAZAQ ELI (The Kazakh people)
⊂O–O⊃あしべ
何回見てもため息がでますね。
埴輪が琴弾いてるわーって。
斜め前から映しているのが良い仕事をしているんですよ。
それで演奏中の両手が弾琴男子埴輪みたいな位置にあるように見えるんです。
そうだ、他の動画でのYerzhigit Aliyevさんがジェティゲンを演奏している時の両手の位置も確認しておきましょう。
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(ŎᴗŎ)シカハタビ
こちらの動画では、左手は何回か肩の外側へ伸びますが、それ以外は肩より内側にあります。
TURAN / ER TURAN (original version)
こちらの動画では、両手はだいたい肩の位置に置かれています。和琴での両手の位置に似ていますわね。
Turan - Shabyt
⊂O–O⊃あしべ
Yerzhigit Aliyevさんがジェティゲンを演奏している時のだいたいの両手の位置は、和琴の両手の位置に似ています。
だからそれで映す角度次第で弾琴男子埴輪の両手の位置に見える。
そういうことかな
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(6∀6)シカタケル
それでは日本の周辺のzitherのイラストを載せよう。
イラストは全てこちらのサイトから使わせていただいた。
free illustrations
https://graphic.nobody.jp/illustrations/index.html
日本の箏
中国の古琴
中国の瑟
韓国のカヤグム
韓国のコムンゴ
モンゴルのヤトガ
⊂O–O⊃あしべ
・大型なので自然と左手が外側へ伸びる
・器体の左側を床につけているから、どうしても手が左手が肩の外側へ伸びる
・大きさの近い古琴は、YouTubeで動画を見てみると左手の動きが独特
この辺りが弾琴男子埴輪や現代の和琴と違いますね。
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(6∀6)シカタケル
ジェティゲンは大型ではないから、それで演奏時の両手の位置が和琴に似てくるんだろう。
かくして、Yerzhigit Aliyev氏はあしべに「カザフの弾琴男子埴輪」と認定されてしまったわけだ。
⊂O–O⊃あしべ
なるほど納得。
ワタシは考察厨です。
だから、ここまで似ているんということは、何がしかの縁があるに違いないと考えるんですよね。
だから第一回の投稿で宣言しました。
当ブログは
古代日本の弾琴男子埴輪たちと、
現代のカザフの民族音楽家さんたち、
彼らをお友達にできるか?
をテーマにがんばっていく予定です。
と。
これがこのシリーズ投稿「弓と弦楽器、日本とカザフ」の目標です。
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(ŎᴗŎ)シカハタビ
目指す最終目的地はここです!
The Sutton Hoo lyre and the music of the Silk Road: a new find of the fourth century AD reveals the Germanic lyre’s missing eastern connections
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(6∀6)シカタケル
YouTube動画ではここだ!
Көнеден жеткен қоссаз домбыра Ресейдің музейінде сақтаулы тұр
⊂O–O⊃あしべ
目的地は遠いがさぁ頑張るぞ!
…でもいつ終わるんだろ…
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(6∀6)シカタケル
そして再び始まる悪戦苦闘www
そういえば「芝山町立芝山古墳・はにわ博物館」の埴輪はどうした?
⊂O–O⊃あしべ
彼は次回に出ていただきます。奇跡の音楽家がもう一人いるんですよ。
/")/") 次回の投稿は
( ŎᴗŎ)「『STEPPE SONS』のYeldarさんと芝山町立芝山古墳・はにわ博物館の弾琴男子埴輪」でございます。